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久々にモノライン

 先週、NY州とイリノイ州当局からの認可獲得にともない、モノライン最大手のMBIAが事業部門の再編を発表した。非常に大雑把に言うと、従来、持ち株会社のMBIA, Incの子会社であるMBIA Insurance / MBIA Insurance Illinoisにてストラクチャード・ファイナンス(SF - 証券化商品中心)とパブリック・ファイナンス(PF – 地方債中心)両方の保証を行なっていたのを、今後はSFと米国以外のPFの保証はMBIA Insuranceで、米国のPFの保証はMBIA Insurance Illinois(National Public Finance Guarantee Corporationに名称変更)でそれぞれ行うというものである。MBIAはこの再編を”good bank – bad bank”モデルではないと強調し、将来的にはSFや米国以外でのPF業務の再開も視野に入れているとしているが、アメリカの地方債市場を守ろうとする当局主導の動きによる事業再編という側面が強いのだろう。

 National PublicにはMBIA Insuranceから5370億ドルの地方債ポートフォリオと(配当とプレミアムという形で)50億ドル程度の資本が移転される。証券化商品のリスクが切り離され、質の高い(とされる)米国のPFに集中できることから、格付会社のスタンスはどちらかというとポジティブで、Moody’sは従来のBaa1を格上げ方向で見直しとし、S&PはAAからAA-と1ノッチの格下げに留めている。以前から、証券化=bad / 地方債=goodといった構図があったが、今後は米国の地方公共団体のクレジットの劣化も予想され、オバマ政権が有効な政策を打ち出せないのであれば、地方債ポートフォリオと言えども予断は許せないだろう。なお、Moody’sは、モノライン業界に対する市場の信認が変化していることから、National Publicを格上げしてもA格にとどめるとしているが、Moody’sの大株主であるBerkshire Hathaway傘下のモノラインは引き続きAaaとしたままであり、米国ソブリンのAaaといい、政治的なにおいを強く感じる。本題からははずれるが、「デリバティブが大嫌い」なはずのWarren Buffet率いるBerkshire Hathawayは、株価下落による株式デリバティブの損失懸念が払拭されず、金曜日も株価は下がりCDSも拡大した。政治的な要因がなければAaaも危ういのではないかという気もする。
 
 残されたMBIA Insuranceは、SFと米国以外のPF合計2400億ドル程度のポートフォリオを98億ドルの資本で支えることになる。Alt AやCMBSなどの毀損が今後も進むことが予想されることもあり、CDSのスプレッドはアップフロントで60%を超える水準まで拡大している(発表前に比べて+10%程度)。Moody’sはBaa1からB3へ、S&PはAAからBBB+へと大きく格下げし、これにともない、MBIAが保証する証券化商品のうち、原資産の格付けがないものや低いものについては、格付けの取下げや格下げが生じることになる。多くは織り込み済みであると思われるが、損失引当ての甘い某大手海外金融機関などにおいて、ちょっとしたノイズが発生する可能性は否定できない。MBIAは過去2年における保証履行による支払額は約20億ドルであったとしている。モノラインの保証は、スケジュール通りの元利払いに対するものであり、一部の例外を除いて、保証が前倒しとなることはない。新聞や書籍などで、“専門家”の方々が「住宅ローン市場の混乱でモノラインは大量に保証の履行を迫られた」といったような分析をされているが、これは正確ではない。ここまでボロボロな市場環境であっても、MBIAが保証を履行したのは8000億ドル弱のポートフォリオのうち20億ドルに過ぎない。

 持ち株会社のMBIA, Incについては、Moody’sはBa1のまま据置きする一方、S&PはA-からBB+へ格下げした。内部的な事業再編によって持ち株会社の格付けが4ノッチも変わるのは少々違和感があるが、元々が高すぎたということなのだろうか。

 今後の展開としては、Ambacも当局主導で同様の再編を行うことが予想される。また、辛うじてデフォルトを回避しているFGICやCIFG、Syncora (旧XL)について、遠くない将来に何らかのアクションがおきる可能性も否定できない。S&Pは、MBIAを参照組織とするシンセティックCDOに対する影響はmoderateであるとしているが、モノライン保証つきの証券化商品や、モノラインを参照組織とするシンセティックCDOについては、引き続きネガティブなヘッドラインニュースが続きそうな気もする。北米のCDS市場では、3月中旬に市場慣行の大きな変更が予定されているが、それまでにGMやらモノラインのクレジットイベントによって市場がバタバタすることがないとよいのだが、、。

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2009.02.22 | Comments(0) | Trackback(0) | モノライン

ABK FSA AGOの格下げ

 先週のMoody'sに続いて水曜日はS&PがAmbacをAAからAへ格下げした。住宅ローン関連の資産の劣化が続いていることや、Moody'sの格下げによってGICビジネスの流動性をモノライン子会社が負担することになったことなどが要因とされる。直後にAmbacは35億ドル相当のHigh Grade ABS CDO / ABS CDO squaredの早期解約(commutation)を発表したが、格上げ要因とはならないようだ。

 金曜日には、Moody'sがAssured GuarantyをAaaからAa2へ、FSAをAaaからAa3へ格下げし、老舗のモノラインがすべてAaaを失った。残るAaaはMoody'sの大株主であるBerkshire Hathawayが昨年始めたモノラインだけである。色々と格下げの理由が挙げられているが、簡単にいうとポートフォリオの劣化もさることながら、モノラインという業態の信任が低下したことや、ちょっとした状況の変化が財務や新規のビジネス環境に大きな影響を与えうる"cliff risk"の存在が主要因のようだ。仮に地方債だけを保証するモノラインであっても今後はAaaを付与するのは難しいというニュアンスが感じられるが、果たして大株主のBerkshireのモノラインまで格下げできるだろうか。

 AssuredもFSAもMoody'sの格下げアクションに猛反発している。Assuredは格付会社が短い期間に繰返し格付けを見直したり、見直しを始めてから結論を出すまでに時間がかかったりすることが、投資家の懸念を強めたといった趣旨のコメントを出している。両者の統合によって諸々のメリットは期待できるが、根本的なMoody'sの”思想”が変わらない限りはAaaへの復帰は期待薄なのだろう。

2008.11.22 | Comments(0) | Trackback(0) | モノライン

モノライン業界の再編

 昨日、Dexiaが傘下のモノラインのFSAをAssured Guarantyに売却する計画が発表された。AssuredもFSAも今日までAAAを維持し、相対的には”勝ち組”同士の合併ということになるが、どちらも7月からMoody'sによって格下げ方向で見直しとされており、FSAに至っては強力なサポーターだった親会社のDexia自身が政府に支援を仰ぐという展開となって不確実性が高まっていた。Assuredの大株主のWilbur Ross氏は、Dexiaに対する政府の介入によって今回の統合計画が複雑になったとコメントしている。

 Assuredの発表によると、Assuredは3.6億ドルの現金と44millionの新株式によってDexiaからFSAを買収する。この結果、DexiaはAssuredの24.7%の株主となる。買収資金調達の目的で、Assuredは大株主のWilbur  Ross氏のバックストップつきで市場で新株の発行を試みる。FSAの頭痛のタネであった(GICビジネスなどを含む) Financial Service部門はAssuredによる買収の対象とならず、こちらはDexiaが31億ドルまでのfirst lossを引き受けた上でフランス政府等が引き取るとのことである。

 2社の合併は当局・株主の承認に加えて、2社の統合が格付けにネガティブな影響が出ないとの格付け3社の判断が前提条件となる。Fitchは早速2社の格付けに影響がでないとの見込みを表明、Moody'sはそもそもの2社の格下げ方向での見直し作業が近々完了するとし、やや慎重ともとれるコメントを出している。Moody'sがモノライン保険会社を格下げする1つの理由として「財務の柔軟性の欠如」、すなわち自力で資本を増強する能力がないことを挙げているが、今回市場から増資を行なうことによってこのポイントはクリアできるのではないかとAssuredはコメントしている。

 3カ国の政府から支援を受けたDexiaにとっては、北米のモーゲージ関連のビジネスやエクスポージャーはどう考えても切り離す必要があり、FSAの売却が実現するとDexia自身の再生の第一歩となる。一方、FSAとAssuredにしても従来ほどの収益性こそ見込めないものの、細々とビジネスを継続していくための重要なステップとなるだろう。モノライン業界に関しては、後はFRBに支援を求めてまだ色よい返事を受けていないMBIAとAmbacの行方がどうなるかに焦点が絞られつつある。

2008.11.15 | Comments(0) | Trackback(0) | モノライン

AmbacとMBIAの決算発表(2)

備忘録としてまとめます。

<Ambac>
・ 第3四半期の純損失は約24億ドル

・ Second LienのRMBSについて約6億ドルの引当て。Representation / Warranty違反により回収が見込まれる分についても実際の回収には数年かかると表明。

・ CDSの形態で行っている取引につき約27億ドルの損失計上。内訳は、8.5億ドルの実現損(Commutationによる支払い)と18.6億ドルの評価損(SFAS157による負債の時価評価によるマイナス-13.8億ドル、その他全般的な評価減)

・ ABS CDOにおいて将来発生しうる支払いの見積もりの上昇等により、25億ドルの減損 (credit impairment)を行う

・ BBBゾーンへの格下げによってGICビジネスで生じるキャッシュの不足は23億ドル程度。見合いの資産の多くが証券化商品であり、ブックバリュー通りに現金化できるかは疑問。子会社間のキャッシュの移転について当局は承認する。

・ 子会社Connie Leeに増資を行って地方債保証業務を開始するプランを延期

・ Commutationの交渉を継続しているが、政府によるTARPの設立などによって交渉が遅れている。

<MBIA>
・ 第3四半期の純損失は約8億ドル。

・ Second LienのRMBSについての約9.6億ドルの引当て。Representation / Warranty違反等の理由で、住宅ローンのサービサー2社(CountrywideとResCap)に対して訴訟を、破綻したIndymacについてproof of claimを提出する。

・ GICなどのALMビジネスの流動性確保のためのポートフォリオ・リバランスによる損失が約1.5億ドルおよび第2四半期に見積もった約4.3億ドル。このリバランスによって、格下げされた場合でもGICの担保提供や早期償還に見合う流動性は十分に確保されている。

・ CDSブックでは1億ドル程度の未実現益。シンセCDOの時価下落をCMBSの評価方法変更とSFAS157による負債の時価評価で補う。

・ 9月にFGICから1590億ドルの地方債ポートフォリオの再保険を受け、6.39億ドル相当のプレミアムの支払いを受ける(第3四半期の数字には影響せず)。

2008.11.06 | Comments(0) | Trackback(0) | モノライン

AmbacとMBIAの決算発表(1)

市場の注目が小さくなりつつあるモノライン業界だが、昨日AmbacとMBIAの第3四半期決算が発表された。詳細はさておき、「住宅ローン市場の下落→資本適正度の悪化→格下げ→格下げの影響の多方面への波及」と、テーマとしては以前と変わっていない。

住宅ローン市場の下落
 second lienなど住宅ローン関連商品の引当てが増加している。モノラインに限らずだが、根本的には住宅ローン市場の下落が止まらない限りは回復は期待できない。Ambacについては、損失見通しにおいて保証契約のリストラやTARP等の政策が住宅ローン市場に与える(可能性のある)プラスの影響などを織り込んでいるため、これらを考慮しない格付会社の見解はさらに厳しいものとなる。

格下げの多方面への影響の波及
 Ambac AssuranceがAa3からBaa1へ格下げされた(持ち株会社はA3→Ba2)。直接の影響としては以下のようなことが考えられる。

①Ambacから証券化商品などのプロテクションを買っている大手金融機関の損失引当て増加

②ラップ付債券を保有する最終投資家の損失拡大

③Ambacに再保険でリスクを移転している他の保険会社にとっての再保険効果の減少

④GIC債ビジネスにおける追加担保提供や早期償還に見合う流動性確保が必要となり、現在の冷え切った市場での資産売却や子会社間での資金移転の必要性

 AmbacはAIGと違って格下げによってCDSについて担保の拠出を求められないが、それでも他の経路で格下げの影響は波及する。現実性のない暴論であることは承知だが、時価評価を凍結するだけでなく、格付けアクションも一定期間凍結することを考えてはどうかとすら思う。

 モノライン業界は現在既存の保証契約のリストラ(commutation)を進め、米国政府からのサポートを求めている状況にある。この2つがうまく実現すれば、金融市場全体に対して最小限の悪影響でソフトランディングできるのだろうが(もうすでに多大な悪影響を残してはいるが、、、)、話がまとまる前に住宅ローン関連資産の劣化や格下げがさらに進むと、また一波乱あっても不思議はない。まあ、一波乱あったらそこで政府が介入するのかもしれないが、、。


2008.11.06 | Comments(0) | Trackback(0) | モノライン

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