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最終局面へ

今週は金融株・CDSともに散々な週だったが、金曜日はKDBがLehmanの買収を検討していることを否定しなかったことから、相場は相当程度戻しがあったようだ。KDBがLehmanを買うと言っても、具体的なビジネスモデルなどイメージがわかないが、とりあえずLehmanの5年CDSは50bpsほどタイトニングして330bps近辺となったようだ。

Lehmanのおかげで目立ち方が少しは小さくてすんだ(?)のがMoody'sによるGSE2社の格付けアクションである。Moody'sはこの2社に対して同じ格付けアクションをとり、事実上差別化していないようだ。

まずシニア債務については、当局による強いサポートが引き続き期待できるとしてAaa/P1を確認して見通しも安定的としている。現在、この2社でアメリカの住宅ローン市場の約75%のシェアを持つとされ、2社が住宅ローン市場を支える使命を継続しないとアメリカの住宅ローン市場、ひいてはマクロ経済全体が危機的な状況になりかねず、国が何らかのサポートを行なう蓋然性が高いとしている。

劣後債務については、これについても当局のサポートが期待できて、利払いが停止することはないだろうとしてAa2のまま据え置いたが、状況が流動的であることから見通しをネガティブとしている。GSEの劣後を参照するCDSは今週半ばには300bps後半まで拡大したが、この日は250bps近辺まで戻したようだ。

大きな動きがあったひとつは銀行財務格付け(BFSR)で、これをB-からD+へ引き下げて、さらに格下げ方向で見直しとした。GSE2社の住宅ローンポートフォリオの劣化が大きくこれを管理する手段が限られ、株価の下落によってまともな形で増資を行なう選択肢が遠のいたことを理由にしている。

また、優先株(preferred stock)の格付けも、配当が停止となる可能性が高まったとしてA1から一気にBaa3まで格下げして、さらに格下げ方向で見直しとしている。バランスシートの劣化によって配当を行なうのに必要とされる最低資本を下回る可能性が高まり、また当局がサポートを行なうときの優先株の取扱いが不透明であることを理由に挙げている。実際に配当を停止したり、国のサポートによって支払い優先順位が劣後化するなどの事態になれば、さらに格下げを行なうとMoody'sはコメントしている。

優先株は税制上や資本上のメリットが享受できることからアメリカの地銀によって幅広く保有されているとされる。一部の地銀は自己資本対比でも小さくない額を保有しているようで、GSEの優先株が紙くずとなると、ただでさえ年初来破綻が相次いでいる北米の地銀セクターに圧力が強まることが予想される。

Moody'sは、今の今市場を安定化させることと、今後住宅ローン市場を支えていくことの両立を迫られて、当局が苦しい舵取りを強いられていると指摘しているが、まさにその通りなのだろう。市場全体が当局のサポートを催促し、サポートの方法に注目している中で、米当局に残された時間は少ない。

国が出資を行なう場合、新たに発行する優先株を国が保有するというシナリオを予想する向きが多いようで、この場合は、普通株はゼロとなり、既存の優先株も国が保有する優先株に劣後させることで、既存株主に”自己責任”をとらせる、というシナリオもよく目にする。

だが、既存株主の自己責任とはなんだろうか?今年にはいって、国の意向を受けてGSE2社は住宅ローンの買取り枠を拡大したり、必要とされる自己資本の上乗せ分を縮小したり、民間RMBSの買取りを行なうなどの措置をとっている。これによって、世界中の金融機関が必死に資産を売却してレバレッジを下げている中で時代に逆行してバランスシートを拡大させ、結果的に行き詰まりを迎えるタイミングを早めてしまったように思うが、この時に既存株主がとるべき行動は、この顛末を予想して今年の早い段階でGSEの株式を売却すべきだったのだろうか。売らずに国のサポート等を期待して継続保有したことがナイーブで、その責任をとるべきだということなのだろうか。既存の株主が今年の早い段階で一斉にGSEの株を売りに走ったら、市場にさらにストレスがかかっていたとも予想されるだけに、ここで普通株主や優先株主に大きな皺寄せを行なうような措置をとることが妥当なのか、やや疑問にも思う。

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2008.08.23 | Comments(0) | Trackback(0) | GSE

GSEと公的資金注入

国によるFannie Mae / Freddie Macの株式購入や国有化の可能性が話題となり、ふと2003年のりそな銀行や足利銀行のケースを思い出した。いずれのケースも預金保険法第102条に基づいた措置であったが、りそな銀行の場合は第102条第1号という“健全行”に対する措置であり、足利銀行の場合は第102条第3号という“破綻”が認定された先に対する措置であった。

ISDA Master AgreementのEvent of Defaultや、Credit DerivativesのBankruptcy Credit Eventとの関連では、破綻を認定した上での公的資金の注入であればEvent of DefaultやCredit Eventに該当する可能性が高いが、破綻を認定していないのであればこれに該当しないのではないか、というのが当時の日本法の弁護士の見解だったように記憶している。よって、りそな銀行は該当せず、足利銀行は該当する可能性が高いが、足利銀行を参照するCDSが少なくともインターバンク市場では存在していなかったことから、具体的にテストはされたわけではない。

以上の議論は日本の金融機関に関するものであり、Fannie MaeやFreddie Macの場合は関連する法律と照らしての判断となる。仮に日本の場合と同様の議論があてはまるとしても、GSEの設立根拠法には破綻処理が明示されておらず、現在のままでは破綻を認定した上での公的資金の注入という展開にはならないようだ(大先輩のK氏に色々教えていただきました)。この意味で、当局による株式の購入が即Event of DefaultやCredit Eventとなる可能性は低いのだろう。一方、当局がGSEのboardに役員を送り込むことによって経営権を実質的に掌握するといった事態になると、Event of DefaultやCredit Event の“管財人の選任”という項目に該当するかどうかを検討する必要がありそうで、いずれにしても気持ち悪さは残る。

実際には、仮に法解釈上グレーな部分があったとしても、政治的には当局はGSE2社をEvent of DefaultやCredit Eventに該当させないような配慮をする(圧力をかける?)だろう。この2社が当事者のSwap契約がすべて時価で清算されたり、この2社を参照するCDSにおいてイベント決済が行なわれるような事態は、面目上もシステムの混乱を避けるという意味でも、当局が望むところではないだろう。それにしても、MonolineやGSEについてCredit Eventの蓋然性をこんな真剣に考えることになろうとは、ほんの1年前は想定もしなかったことだ、、。

2008.07.17 | Comments(0) | Trackback(0) | GSE

Déjà vu

格付会社が格下げを発表し、PershingのAckman氏が空売りを仕掛ける。まるで、おなじみのモノラインについてのニュースのようだが、昨日に関してはGSEが格付会社とAckman氏の“攻撃”の対象となった。

Moody’sはFannie MaeとFreddie MacのPreferred Stockの格付けをAa3からA1へ引き下げて格下げ方向で見直しとし、銀行の財務力格付けを前者をBからB-へ、後者をB+からB-へ格下げし、こちらも格下げ方向で見直しとしている。市場の信頼を失った格付けではあるが、タイミングによっては市場のセンチメントに大きな影響を及ぼす。当局の本音は、「余計なことせずにおとなしくしていてくれ」といった感じなのかもしれないが、格付けが不適切であるとか客観的でないとして散々槍玉に挙げられていた格付会社としては、“手心”を加えるわけにはいかないだろう。

一方、Ackman氏は問題解決の策として、GSE2社の既存の株式をゼロにして、社債権者の保有額の一部についてはDebt Equity Swapを行なうという持論を展開、自身も運営するファンドにおいてGSE2社についてショートポジションを作ったようだ。Ackman氏の提案に耳を傾ける価値があるかどうか定かではないが、民間企業の経営者であれば住宅市場のスランプに際してレバレッジを下げるなどの保守的な企業運営を行ないたいところを、GSE2社は当局の意向を汲んで(?)積極的にリスクをとっていたわけであり、当局としても株主を簡単に見捨てることはできないだろう。SECは、2社の株式の空売りを制限する方針を表明しているようだ。

また、議会もPaulson財務長官のGSE救済案に一定の評価を行ないながらも、議論することなく通過させることはできないと牽制球を投じている。Paulson財務長官は今週中には法案を成立させたいと考えているようだが、果たしてスムーズにことが進むだろうか。

こうした格付会社・民間のファンド・議会などの動きは、市場の混乱やシステミックリスクを防ごうと必死になっている当局の当事者にとっては邪魔なものとしか映らないのかもしれないが、本質的には健全な動きであると評価していいのだろう。混乱している市場の“治療”にスピードが要求されるのは間違いないが、必要なプロセスを素通りするわけにはいかない。

2008.07.16 | Comments(0) | Trackback(0) | GSE

GSE狂騒曲 (追記あり)

今週はGSE(Government Sponsored Enterprise)を巡るメディアや政府高官等の発言で世界中の金融市場が大きく振り回された一週間だった。新聞はFannie MaeやFreddie Macを「住宅公社」と表記したが、実務ではどちらかというと“Agency”とか“GSE”と呼ぶことが多い。このGSE2社の経営不安が取り沙汰されて2社の株価は暴落したのだが、この1週間で状況が劇的に変化したわけではまったくなく、以前からじわじわと悪化していた状況に今週スポットライトが当たっただけとも言える。

記憶を辿ると、発端となったのは7日の月曜日に出たLehman Brothersのリサーチレポートだろうか。FASB140を適用してオフバランスの資産をバランスシートに計上すると、Fannie Maeは460億ドル、Freddie Macは290億ドルの増資が必要となるが、これは容易ではないので当局は会計上の例外を認めるだろう、といった内容だったはずが、この前半部分が強調されて報道され、2社の株価は大幅に下落する。皮肉なことに、モーゲージ業務のウェイトが高いLehman自身の株価もとばっちりを受けて下落してしまう。

8日の火曜日にはこの2社の監督当局であるOFHEOのLockhart氏が火消しのために資本増強の必要性を否定する発言をしてやや市場の不安が後退したが、9日の水曜日にFannie Maeが2年債をT+ 74といった非常にワイドなスプレッドで条件決定したり、Poole元セントルイス連銀総裁がフェアバリュー・ベースではFreddie Macは債務超過、Fannie Maeも来期は債務超過になりうると発言したことなどから再び不安が台頭する。

10日の木曜日にはNew York Timesでこの2社を国有化して債務を負担する一方で株主は切り捨てることを当局が検討しているといった趣旨の記事が出て株価は暴落。国有化になると米国政府の負債が増大して金利の上昇とドルの暴落を招きかねないことから、Paulson財務長官は現状のモデルを維持する意向を11日の金曜日に表明、この日Freddie Macの株価は一時$3.89というありえないようなレベルまで下落した(クローズは$7.75)。11日には、連銀がこの2社向けの窓口貸出しを検討しているとの観測も流れ、FRBはこれを否定している。

CDS市場では、かなり前から「シニアクレジットは当局が死守するが、劣後クレジットは不透明」という仮説から「シニアCDSのプロテクション売り/劣後CDSのプロテクション買い」といった戦略が推奨されていたが、今週に入ってFreddie Macの5年劣後CDSは200bpsを超える水準までワイドニングした。国有化によって株はゼロになるかもしれない一方で、デットは“政府保証”となるのではないかという思惑が働いたせいか、CDSのスプレッドのワイドニングは今のところ限定的である。代わりに、US Sovereignを参照するCDSに飛び火し、金曜日には前日一桁であった5年CDSが17bpsまで拡大したらしい。究極の“リスクフリー”であり、“質への逃避”の象徴だったUS TreasuryのCDSは従来は1bpsとか2bpsといった水準でクォートされていた(取引は少なかったように思う)が、クレジット危機の発生以降市場にストレスがかかる局面ではワイドニングする場面もあり、CDS市場ではいよいよ“リスクフリー”扱いされなくなってきたようだ。

住宅ローン関連業務を専門とするGSEのバランスシートが痛むのは当たり前のことであるが、GSEも民間から住宅ローンを買い取る際にそれなりに厳しい基準を設けていた。信用力が劣る個人向けのローン、金額が一定額を超えるローン(Jumbo Loan)、書類が不十分なローン、第二抵当権付きのローン、居住以外の目的での住宅取得のためのローンなどが買取りの対象外だったと記憶しているが、住宅ローン市場の冷え込みが深刻化する中で、今年の2月ごろから(おそらく当局主導で)徐々に基準が緩み始める。Jumbo Loanの上限金額を一部上方修正したり、本来ダブルA格以上としていた取引相手の住宅ローン保証会社の格付け基準を緩めるといったことがその例であるが、市場全体の回復のために以前より積極的な役割を期待されるようになったと解釈できそうだ。こうした動きがどれだけ大きなネガティブ要因となったのかは定かではないが、当局の意向を汲んでリスク量を増やした結果の経営危機であれば、当局は株主も債券保有者も切り捨てることなどできないのではないかと思うのだが、ナイーブな考えだろうか?

それにしても、Paulson財務長官の周りには昨年来次から次へと“守るべきもの”が出てくる。銀行のファンディングを助け、住宅ローン返済に苦しむ個人を助け、MMFを守るためにSIVの処理を主導し(これは失敗)、モノライン業界のソフトランディングに(おそらく)かかわり、破綻しかかったBear Stearnsを助け、証券会社の資金繰りを助け、お次はGSEである。GSEは”too big to fail”で”too politically important to fail”であることには間違いないが、”too big to be supported(大き過ぎて救済できない)”なんてことにならなければよいのだが、、。

<追記>日曜日のヘッドラインニュース
(1) 財務省が設定しているGSE2社向けのクレジットライン(各22.5億ドル)を一時的に増額すること、(2)必要な時に2社に出資を行う権限を財務省に与えること、(3)FRBにGSE2社の資本状況についての"consultative role"を与えること、以上3つをPaulson財務長官が議会に要請したとのこと。これとは別に、FRBはGSE2社に公定歩合で窓口貸出しを行う権限をNY連銀に与えたと発表している。問題が大きいだけに、ここにきて当局の対応にスピード感が感じられるし、結構踏み込んだサポートという印象がある。市場の反応やいかに、、。

2008.07.13 | Comments(0) | Trackback(0) | GSE

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