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数字だけではわからないもの

NHK土曜ドラマ「監査法人」が19日に最終回を迎えた。3回目からみ始めたのだが、とても面白いと思った。(特に第3話、4話あたりはかなり真剣に見入ってしまった。)自分は会計が専門ではないので実は正しくない部分もあったのかもしれないが、非常に人間くさくて生々しい、公認会計士と監査を受ける企業の世界がドラマティックに描かれていて、勉強になることも多かった。(公認会計士協会も気合が入っているようで、HPでこのドラマを推奨している。)当然、このドラマはフィクションとされていたが、かなり事実を意識していたと思えるシーンも多く(財政監督庁が東都銀行の強制捜査並の検査を行っていたシーンはかなりリアリティがあった)、ちょっとした大河ドラマを見ているようであった。

こういった一連の不正事件をきっかけとしてなのか、近頃の公認会計士は非常に保守的である。身近な話題に置き換えてみると、金融商品の会計基準、実務指針の解釈において、会計士は基準や金融商品会計に関するQ&Aに書かれている例示をかなり厳格に解釈することが多い。リスクをとりたくないというのはわからなくもないが、企業にとって会計士に対して強く意見を主張することは大変難しく、万が一「これはおかしい」などと主張をしてしまえば、ドラマの中の尾張部品のように監査難民になってしまう恐怖心があるため、会計士の言われたとおりにするしかないのである。

たとえば、デリバティブの会計基準については、いまだにおかしなところが多くある。身近な例で言えば、ヘッジ会計の有効性の判断基準がある。実務指針によれば、ヘッジ対象とヘッジ手段の変動額を比較することで有効性を判断するとされており、その考え方自体は理解できるものの、具体的に示されている手法が対象期間の第一回キャッシュフローのみを変動額算出の基準とするとされており、必ずしも実効的なものといえない。 実例として、原燃料費変動をヘッジしようとする企業が、上述の理由からヘッジ会計の適用ができず(ヘッジ手段としての)デリバティブズの導入を断念し、その結果昨今の減燃料費の高騰に悲鳴を上げているという例もあり、これでは本末転倒である。また、かなり細かい話になってしまうが、クーポンスワップの会計処理については、ずいぶん前より問題になっており、実際に訴訟にまで発展した例もある。(参照:間違いを認めない会計士の体質が多くの企業を窮地に陥れる)。

ヘッジ会計の有効性の判断基準については、現在FASBから修正案が出ており、その中では定量的判断基準から、定性的判断基準に、そしてよりシンプルに修正が加えられているように見える。会計基準のコンバージェンスはいずれ進められる必要があり、本邦でもこのタイミングで重い腰を上げてぜひ見直しの検討を始めてほしいと思う。また、長期的な目標は全面時価会計という声も国内外から聞こえるが、時価が全てではないということは昨今の市況を見れば誰も否定はしないだろう。(長期を一万年と考えれば話は別だが)今求められているものは、時価による開示ということではなく、株主や当局、格付機関といった外部関係者に対して「正確に」現状を表したよりわかりやすい開示であろう。

ドラマに話を戻すと、最終回では、厳格監査こそが正義と信じてきた主人公の会計士の若杉が、「決算を認めることは出来ません。しかし、再生する方法はきっとあります。最後まであきらめず、ともに頑張りましょう」と経営危機状態にある尾張部品に告げる。たった6回のドラマにしては内容が多すぎて方向性が良くわからなくなってしまう箇所もあったが、最後は企業や監査法人の再建が期待できる希望の持てる展開だった。

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2008.07.21 | Comments(0) | Trackback(0) | 会計

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