スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--.--.-- | スポンサー広告

モノラインの苦闘

昨日はモノライン保険会社大手のAMBACの第1四半期の決算発表が行われた。純損失が16.6億ドル、EPSが$11.69と市場の予想を大幅に下回る内容であり、同社の株価は$6.03から$3.46へと43%も下落し、Ambac Assuranceを参照するCDSも700bpsからアップフロント取引で11%といった水準までワイドニングしている。

モノライン保険会社は、従来は地方自治体や公共事業関連の債務について保証を提供する業務が中心であったが、ここ最近になって収益源の多様化等の目的で証券化商品に対する保証業務を積極化し、今回のサブプライム危機によって保証ポートフォリオの価格の下落や毀損が進み、保証を提供するために必要な信用力や市場の信頼を大きく損ねていた。信用力・信頼の象徴であったAAAの格付けが脅かされ、XLやFGICといった中堅・大手のモノラインはAAAからAやBBB格へと格下げされ、最大手のAMBACやMBIAもAAAの喪失の危機にさらされて増資などの緊急的な手段をとることを余儀なくされてきた(Fitchはすでに両者をAA格へと格下げしている)。

モノラインの格下げによってモノラインが保証を付与していた地方債や証券化商品の格下げが相次ぎ、また、モノラインからプロテクションを買って信用リスクをはずしていた”つもり”であった金融機関は評価価格を引き下げたり引当金を計上するなどの対応を強いられ、さらにはモノラインの保証によって円滑にファイナンスを行っていた地方公共団体のファンディングに影響が出るなど、その影響は広範に及んでいる。

昨年まで市場に存在していた「モノラインのAAAは安定的」という神話は崩れて、いわばパラダイムがシフトしたわけだが、最大手のAMBACとMBIAだけは何とかAAAを死守して、市場により大きな影響がでるという事態は回避できるのではないか、と考えていた向きも多かったと思われる。しかしながら今回の決算発表で、モノラインが保証する住宅ローン関連の証券化商品(RMBSやABS CDO等、特にHELOCやCESが目立つ)の毀損のペースは想定以上に(想定通りに?)速く、新規の保証ビジネスを停止するとか配当を減らすといったような手段ではAAAを維持するのに必要な資本が確保できない可能性を改めて認識させられることになった。今回目に付いたのは、銀行から受けていた4億ドルのコミットメントラインについて純資産関連のコベナンツに抵触して契約内容変更の交渉を行っていることや、破産法を申請する意向がないことを表明したことである。文脈がわからないため過剰反応しているのかもしれないが、AAAの企業が融資のコベナンツに引っかかったり、CEOがわざわざ”破産法を申請しません”と宣言するのには相当の違和感を覚えざるを得ない。

根本的な増資や合併や分割を含むリストラクチャリングを行わない限り、今後も定期的に「保証ポートフォリオの劣化→資本適正度の下落→格下げの危機→再保険や限定的な増資」といったサイクルが繰り返され、その都度市場のセンチメントに悪影響をもたらすだろう。問題は現時点で市場がこのリスクをどの程度織り込んでいるかである。いずれにせよ、”人工的なAAA”に対して市場の信頼が完全に失われ、モノライン保険会社の新規の保証業務は大幅な縮小を避けられず、ごく一部を除いて最大手であっても遅かれ早かれ市場から退場させられる日がくることになるのではないか。

スポンサーサイト

2008.04.24 | Comments(0) | Trackback(0) | モノライン

«  | HOME |  »

FC2Ad

CalendArchive

人生が輝き出す名言集



presented by 地球の名言

プロフィール

dbsb

Author:dbsb
ようこそ。

FC2カウンター

ブログ内検索

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。