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目が離せない米大統領選

長かった米民主予備選にいよいよ終結が見えてきた。オバマ上院議員は8日、5月20日のオレゴン、ケンタッキー両州予備選で一般代議員の累積獲得数が過半に達すれば、指名候補獲得の「勝利宣言」に踏み切る可能性に言及した。残された選挙と現状の代議員獲得数を考えれば、このままオバマ候補が勝利する可能性は高いだろう。それにしても、何度もがけっぷちにたたされながらも、お互いに一歩も譲らず、この長い長い選挙戦を戦い続けた両者の体力と精神力には敬服するばかりだ。自分が抱えるストレスなんて、宇宙の星屑のように思えてくる。最近、「品格」という言葉がブームだが、人間というもの、劣勢になり余裕がなくなってくると、勝つために手段を選ばなくなり、品格を失いがちである。特にこれだけの接戦で常にストレス下に置かれた状況だとしたら、品格どころか精神状態を平常に保つことすら困難な気がする。しかし、クリントン氏もオバマ氏も、相手の論理のブレを探したり弱点を突いたりといったことが後半目立ってきたものの、決して品格は失うことはなく、立派に戦ってきたように思う。

ただ、オバマ氏がここまで票を伸ばしたのは、オバマ氏や彼をサポートするオバマ陣営の力だけではない。本来は敵であるはずの共和党からのサポートがかなりあったと聞く。その理由は、マケイン氏が敵にして楽なのはクリントンよりオバマであるという事実である。

オバマ氏は、メディア戦略に長け、カリスマ性も備えており、ケネディの再来といわれるほど卓越した演説を行う。渋い声で "Yes, We Can" といい国民を陶酔させた。しかし、私が詳しく知らないだけかもしれないが、踏み込んだ政策提言は聞かれない。人間としてのオバマ氏は魅力的だが、大統領としては未知数な部分が多すぎる。経験豊富なクリントン氏よりももろさは出やすいだろう。

そして、残念ながら、アメリカにはまだ人種差別が根強く残っている。アメリカの社会を見ると、女性の経営陣はかなり増えてきているが、有色人種は意外と少ない。自分自身もアメリカの会社に勤めているが、上層部に女性は多い一方で、黒人は皆無である。アメリカ人は、人種差別はいけません、と小さい頃から教育されているので、決して言葉に出したりすることはないが、目に見えない人種の高い壁が大きく立ちはだかっているように思われる。そんな中で、オバマ氏が大統領になることは極めて画期的なことだが、言い換えれば非常に困難なことである。

今後、彼らがどのような戦いを繰り広げるのか非常に興味深い。しかし、この大統領選を戦い抜き栄冠を掴んだ後は、経済問題、イラク戦争、医療問題、環境・エネルギー問題、その他、プーチン院政ロシアや中国のチベット問題や軍備拡張等々、課題が山積みなわけで、いくらアメリカがNo.1ではなくなりつつあるといっても、アメリカ大統領となることは(例外もあるが)相当な頭脳・体力・精神力が必要だ。どんな状況になったとしても、最後まで品格のある戦いを続けた候補者でないと務まらないだろう。

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2008.05.10 | Comments(0) | Trackback(0) | 政治

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