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排出量取引制度創設に向けて

政府は洞爺湖サミットに向けて、気候変動問題取り組みの動きを加速させている。24日に鴨下環境相が、温室効果ガスの排出量取引導入を加速する本邦における組織「日本カーボンアクション・プラットフォーム」(JCAP)を発足させることを明らかにした。これは、EUを中心に昨年秋に組織し、排出量取引のルール作りを目指すInternational Carbon Action Partnership(ICAP)の日本版といえる。JCAPの役割として、キャップ&トレード型の仕組みに関する情報交換が含まれており、環境省の排出量取引市場創設に積極的な姿勢が見て取れる。

この、キャップ&トレードとは、政府が温室効果ガスの総排出量(総排出枠)を定めて、それを個々の主体(業界レベル、企業レベル、工場レベルなど)に排出枠(キャップ)として配分し、個々の主体間の排出枠の一部の移転または獲得(トレード)を認めるものである。この、業界や企業に枠をはめることによって、日本企業の国際的競争力を失速させてしまうということで、いまだに産業界からの反発は強く、産業界代表である経済産業省はキャップ&トレード方式の取引制度に積極的ではない。また、政府や学者の間には、キャップ&トレード取引制度を導入 → 排出量(枠)が金融商品の一つとなり、その結果、需給と関係のないところで価格の乱高下を招くのではないか、という懸念がいまだに聞こえてくる。特に最近の原油価格の値動きがその懸念を増しているのだろう。たとえば、原油価格が上昇するとなれば、石炭などの代替燃料に頼らざるを得ず、その結果CO2排出が増え、電力会社などはそのキャップを超える可能性が高くなり、排出量(枠)の価格が上昇するといった具合に、枠をはめることによりその他の市場価格との連動が強まってくることになる。また、昨年7月の新潟中越地震発生時に火災が発生し柏崎刈羽原子力発電所の機能停止といった事件があったが、排出量取引市場があったとしたら、市場は大混乱したかもしれない。環境問題という人類にとって純粋で高潔な問題を、マネーゲームにしてほしくないという気持ちはわからないでもない。然はさりながら、90年比6%削減という絶対的な目標があり、企業の自助努力だけでは達成が難しいことは事実である。そのためには、市場メカニズムを用いて流動化を高める必要がある。

そのキャップ&トレードに消極的な経済産業省から、26日に京都クレジット(京都メカニズムにおいて取得や移転が可能な排出割当量や排出削減量)の流通基盤整備のため、金融商品取引関連法制、割当量口座簿制度、京都クレジットの法的性格等における各種論点を整理した最終報告書を公表した。制度的枠組みそのものには触れられていないが、早ければ2013年には導入されるであろうキャップ&トレードの市場のインフラ整備基盤として興味深いものだ。特に、決済に関する点は金融商品として安定的に取引するためには非常に重要である。

金融市場では当たり前なことであるのだが、以下のような点が整備される必要がある。
1. 現物と現金の同時履行性
2. 受渡日の確定および短縮化(割当量口座簿の法定管理者による京都クレジット移転申請の処理に係る標準処理期間の確定化と短縮化)
3. 決済完了・未了の確認通知
4. 決済がフェイルした場合の遅延損害金を含めた決済実行

金融商品取引関連法制について言えば、今後、取引が広がり、投資家保護又は消費者保護の観点から新たな措置導入の必要性が謳われている。一般投資家が直接排出量取引を行うことは考えにくいが、環境問題にリンクしている点が一般投資家に訴えやすいため、カーボン・オフセットや欧州市場の排出枠価格に連動した商品の小口販売といった形で販売が行われている。今後、一般投資家向けによりわかりやすい開示が必要になってくるであろう。

ちなみに、マスコミなどで一般的に使われる「ポスト京都」(京都後)という言葉だが、京都議定書は具体的な数値目標を定めた2008年~2012年を「第一約束期間」と呼んでおり、マスコミが「ポスト京都」とする2013年~2018年は、数値目標はまだ定められていないが「第二約束期間」と呼ばれ京都議定書の一部である。厳密に言えば、2012年で「京都」はおわらず、2013年以降もまだまだ続くのである。

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2008.06.29 | Comments(0) | Trackback(0) | 環境問題

流動性リスク

6月に入ってやや小康状態にあったクレジット市場だが、底を打つ兆しの見えない住宅関連のデータや商品価格の高騰からくるインフレ懸念などを背景に、消費者センチメントの冷え込み、自動車セクターなどの企業業績の悪化、金融機関の損失拡大懸念などがテーマとして再浮上し、株価の下落に合わせてクレジットスプレッドが大きく拡大した。欧米の投資適格級銘柄インデックスは一週間で15%ほどワイドニング、日本のインデックスはスルガコーポレーションの破綻があったせいか25%と海外市場以上にワイドニングしている。6月の四半期末を前に金融機関に関連するヘッドラインニュースが増加し、金曜日もMoody’sが(今週日本でサムライ債の条件決定を行ったばかりの)RBSをAaaからAa1へと格下げし、Morgan Stanley(Aa3)も格下げ方向で見直すと表明、また、CitigroupのアナリストがレポートにおいてDeutsche、Barclaysの増資の必要性を指摘するといったニュースが材料視されたようだ。

モノライン関連では、AmbacとMBIAから格付け取下げのリクエストを受けてつい先日十分な情報を入手できなくなったことを理由に格付けの取下げを発表したFitchのアナリストがMBIAのasset managementビジネスにおける資金繰り懸念を指摘している。MBIAのasset managementビジネスは、金融保証で蓄積したノウハウを活用した顧客向けの資産運用ビジネスで、GIC債やMTN・ABCP Conduitの発行を主としている。非常に単純化して言うと、モノライン子会社のラップを付与したGIC債やMTNの発行代り金で資産を購入して運用を行い、資産から取得されるリターンからGIC債/MTNへの利払いやラップ費用を含む諸コストを引いた分を収益としている。Moody’sのレポートによるとABCP Conduit以外は資産と負債の年限のミスマッチは大きくなく、SIVにあるような流動性リスクは小さいようだが、先般報道されたようにモノライン子会社の格下げによって早期償還や追加担保拠出の義務が発生する。

先週のエントリーでも書いたが、Moody’sがシングルA格へ格下げしたことによってGIC債において合計74億ドルの流動性が必要とされているが、MBIAはasset managementビジネスで152億ドル程度の流動性(現金や社債等)があり、親会社においても例の増資によって取得してまだモノライン子会社へ移転していない9億ドルを含む14億ドルの現金があると発表している。これに対してFitchは152億ドルからGIC債の流動性手当てに74億ドル使うと、MTNビジネスの担保が不足してしまうと指摘している。金融市場のスランプが継続した場合、保有する社債を現金化する際に損失が発生することも予想され、この場合ますます不足額が増加することにもなりかねない。さらには、現在のシングルAからトリプルB以下に格下げされた場合は早期償還・担保拠出の必要額が膨らみ、資産の売却を加速させる必要が生じることも考えられる。

タイムリーに(?)、Wall Street JournalはMBIAが保有する地方債を市場で売却して現金化していると報道した。これによると、売却したのは少なくとも5億ドル以上の金額で、売却によって益が出た(本当か??)とのことである。この報道の真偽は不明であるが、状況からするとまったくありえない話でもない。MBIA、そしておそらく他のモノラインもしばらくは流動性リスクに対して非常に神経質にならざるを得ない状況が続くようだ。

2008.06.28 | Comments(0) | Trackback(0) | モノライン

勇気ある移籍

将棋の船戸陽子女子プロ棋士が日本将棋連盟を退会してLPSA(日本女子プロ将棋協会)に入会するという。昨年17名の女子プロ棋士がLPSAを設立して日本将棋連盟から転籍して以来初めての移籍となる。設立以来、周囲の期待や予想をはるかに上回る有意義な活動を続けるLPSAにとって、人材の確保は大きなテーマであったと思うが、今回の船戸さんの移籍によって明るい兆しが見えてきたのではないか。

新組織を立ち上げて独立することは言うまでもなく並大抵のことではないが、1年経って単独で移籍することも想像以上に勇気のいる決断だったと容易に想像できる。その心意気には大いに拍手を送りたい。詳しい事情は知らないが、船戸さんは当初からLPSAに精神的に近い存在であったものの、さまざまな事情で昨年は将棋連盟に残留したようだ。たとえていうならば、お家の事情で赤穂浪士一団から脱落した高田郡兵衛が最後には当初の志を貫いて赤穂浪士一団に復帰するようなものであろうか(念のため、高田郡兵衛は復帰していないが)。この他にも、LPSAの方向性に共感を持ちながら、師匠・弟子といった人間関係等が理由でLPSAへの参加を見送らざるを得なくなった棋士も存在し、結果的には200人から47人まで減った赤穂浪士と同じように17人という少人数での立ち上げとなったが、船戸さんの”勇気”がきっかけとなって、同様の勇気ある決断を行う棋士が増えることが期待される。

私は船戸さんと世代的に近く、それこそ25年ほど前には将棋道場に親子で通って腕を磨いていた姿をよく見かけただけに、非常に親近感を持っている。現在のところはタイトルを狙うほどのレベルにはもう一歩のようだが、個性的な性格とクリエイティブな発想でLPSAでも大いに活躍してくれることだろう。

2008.06.26 | Comments(0) | Trackback(0) | 将棋

いくつかのシナリオ

今週に入っても、モノライン関連のヘッドラインニュースは減る兆しが見られない。以前と違うのは、クレジットやストラクチャード・ファイナンスの世界で騒がれている割には、一般メディアや株式市場関連のニュースでの注目が低いことであるが、問題がより複雑でわかりにくくなってきていることが原因なのだろうか。“こちらの世界”にいる人間にとっても日々新しい発見や驚きが多く、残念ながらその多くが“ネガティブ・サプライズ”となっている。

GIC債発行業務の規模の大きさやGICの運用資産の質の問題(EODによるLiquidation条項付きのABS CDO等)などを理由にAckman氏の新しい標的となったFSAについては、親会社のDexiaが50億ドルの無担保のファシリティを提供すると速やかに発表して、とりあえずCDSスプレッドもタイトニングしているのが数少ない“ポジティブ”なニュースかもしれない。ただし、FSAについてもAAAを失うと“未実現損”だったものの中から“実現損”となるものが発生し、流動性の問題につながってさらなる格下げを引き起こすリスクもあり、格付会社の動向には非常に神経質にならざるを得ない。

最近メディアで目に付くのが“モノライン保険会社を参照するCDS”や“モノライン保険会社自身がカウンターパーティーであるデリバティブ取引”の行方である。“モノライン保険会社を参照するCDS”では、一般的には“バンクラプシー”、“支払不履行”、“リストラクチャリング”の3つのクレジットイベントが適用される(2005年以前は“リストラクチャリング”を適用しない取引も多かった)。極端に単純化すると、主に以下のような事態がクレジットイベントに該当すると思われる(この他にもイベントに該当しうる事象は数多くある)。

① 破産法を申請する(バンクラプシー)
② 債務超過であることを認める(バンクラプシー)
③ 管財人などの管理下に入る(バンクラプシー)
④ 決められた期日に決められた額の支払いを行わない(支払不履行)
⑤ 債権者に不利な形で債務の条件変更を行なう(リストラクチャリング)

一部のモノライン保険会社について可能性が取り沙汰されているのは③(いわゆるRehabilitation)のようである。イベントに至るルートとしては、“法定最低必要資本を下回る”→“州保険当局の介入によりRehabilitation状態”→“実質的に③に近い状態ということでクレジットイベントが認定される”、といったことになるのだろうか。①や④や⑤は明快であるが、モノライン保険業界についてはクレジットイベントの前例がないことから②や③は難しい判断になるだろう。クレジットイベントと認定された場合、モノラインを参照するCDS(個別銘柄・FTD・シンセCDO等)においてクレジットイベント決済が行なわれるが、引渡可能債務(=多くがラップ付き債券)が多岐に亘り、原資産によって大きくリカバリーが異なることが予想されるため、現在一般的となっている引渡可能債務をいくつか選んでオークション方式で現金決済額を決めるクレジットイベント決済の枠組みはそのままの形ではワークしそうにない。そうすると、当初の契約通りに(ある程度売り買いを相殺した上で)1件1件現物決済をすることになるが、Cheapest to Deliverを最大限に生かしてHELのラップ債など価格の低いものを市場で購入して引渡しを行なう、といったことになるのだろうか。この結果HELのラップ債の価格が急上昇するなんて事態も起きないとは言えない。

“モノライン保険会社自身がカウンターパーティーであるデリバティブ取引”についても、ISDAマスター契約のデフォルト事由のバンクラプシーとCDSのクレジットイベントであるバンクラプシーが(一部を除いて)同じ定義であることから、RehabilitationによってISDAマスター契約にぶら下がる全てのデリバティブ取引(CDSに限らない)が早期終了となる可能性もある。この結果、その時のモノラインの財務状態によっては、モノラインのカウンターパーティーがMTMの勝ち分を部分的にしか回収できない可能性も大きい。

NY州保険当局もこうしたシナリオを理解しているようなので、システミックリスクにつながるような措置をとることには慎重になるのではないかと思われるが(希望的観測に過ぎないか?)、方向性が見えてくるまではとても楽観できる状況にはなさそうだ。

2008.06.24 | Comments(0) | Trackback(0) | モノライン

またモノライン 

(追記あり)

6月上旬のネガティブ・ウォッチの付与に続いて、6月19日木曜日にMoody’sはMBIAとAmbacの格下げを行なった。MBIA Inc(親会社)はAa3→Baa2、MBIA Insurance(モノライン子会社)はAaa→A2、Ambac Financial Group(親会社)はAa3→A3、Ambac Assurance(モノライン子会社)はAaa→Aa3と、6月上旬に予告した通りの格下げ幅であったが、ネガティブ・ウォッチを付与した際にマーケットが大して反応しなかったこともあってか、今回の格付けアクションに対しては株式市場・CDS市場を中心に金融市場はそれなりに反応し、金融セクターを中心に株価は下落・CDSはワイドニングしていたようだ。証券化商品やモノライン保険会社の格付けは“人工的に”付与されているものであり、人工的な格付けは動く時には非常に早く大きく動くものだということを改めて認識させられることになった。

今回の格下げによって、MBIAはGIC債(Guaranteed Investment Contract)発行業務(注)を行なう子会社が発行するGIC債において、格付けトリガーによって29億ドル分の早期償還を要求される可能性、及び45億ドル分の担保の差出しを要求される可能性があることを表明している。同社の流動性に大きな問題を与えるような金額ではないが、そもそもこうした格付けトリガーがあることはあまり広くは知られていなかったことから、市場が疑心暗鬼になる可能性はあるだろう。また、プレスリリースを読んでいて引っかかるのは、格付けトリガーに対応するために、十分な現金・資産を保有していることを強調することに加えて、1月に行った増資によって獲得した14億ドルの現金の存在にも言及していることである。モノライン保険会社のAaaを守るために増資を行なったはずであるが、それ以外の目的に使われる可能性がますます否定できなくなってきたように思う。GIC債の信用補完に使うか、Public Financeの保証を行なう子会社の資本増強に使うか、あるいは株主に返却するか、今後の動きが注目される。

2社の格下げが大手金融機関に与える影響について、S&Pは先日のレポートの中で、影響が大きいのは金融機関がモノラインから保証を受けているABS CDOのSuper Seniorであるが、追加損失が増加することにはなっても影響は限定的であるとしている。モノラインが保証する案件は相対的に損失率が低いことがその理由であるが、例えばMerrill Lynchの場合、3月末時点でモノラインの保証のあるABS CDOのSuper Seniorを$18.8billion保有し、そのうち$1.3billion程度しか損失を計上していないことから、今後RMBSの損失が増加すれば全体の損失はそれなりの金額に膨らむことも考えれられる。Merrillは先日XLとの訴訟で勝訴したが、その事例ではXLからプロテクションを買っていた案件に追加でMBIAからプロテクションを買ったことが争点となったが、今にして思えば、XLとMBIAから二重に買ったプロテクションの意味がどれだけあるのかという気もする。また、MBIAがシングルA格まで格下げされたことで、USのMMF(2a-7 Fund)の"Second-Tier Securities(長期格付けで概ねBBB~A相当)"を5%以上保有してはならないという基準に抵触するケースが出てくる可能性もある。

この2社以外でも、6月20日金曜日にはFGICがBaa3からB1へ、XLがA3からB2格下げされ、まさに崖っぷちである。比較的安定的とされていたFSAも、例のアンチ・モノラインの旗振り役のAckman氏がネガティブ・キャンペーンをはじめたこともあってか、CDSスプレッドが急激にワイドニングしている(460→730)。今後の道筋はまだ見えてこないが、いずれにしても“賽は投げられた”わけであり、モノライン業界全体の大規模な再編・淘汰は避けられず、その過程で金融機関・地方公共団体・機関投資家など各方面に大きな影響がでることが予想される。ニュースをみている限り、ソフトランディング・シナリオがますます遠のいていくように思えるのだが、、。

(注)Moody’sのレポートによると、MBIAは業務の多様化等の目的で1993年からGIC債ビジネスを始めている。GIC債はモノラインの保証のついた投資商品(主にAA格の資産で運用)で、元々は地方公共団体の余剰資金の運用向けに組成されていたが、近年ではシンセティックCDO等のリスクフリー担保資産として使われることも多い。高格付けで極めて安全性が高いがUS Treasury等よりは利回りが高いという性質が、こうした目的にマッチしていたのだろう。仕組みによっては、保証をしているモノラインが一定以上格下げされた場合、投資は早期の償還を要求する、または担保を要求することができる。担保に使っていたGIC債の影響でシンセティックCDOが現在の大幅に悪化した時価で早期償還される、といったような事態にならなければよいのだが、、。

2008.06.22 | Comments(0) | Trackback(0) | モノライン

走り続ける羽生三冠

既報の通り、将棋名人戦第六局は挑戦者の羽生が勝ち名人を獲得、19世名人を名乗る権利を取得した。残念ながらまだ棋譜を見る機会はないのだが、例によって定跡形からは大きくははずれた独創的な力将棋だったようだ。力将棋と一言で軽く言うが、脳の疲れ方は定跡形の将棋と比べて並大抵ではない。2日間、ずっと根競べを行っているようなものだろう。

午後8時頃に対局に勝利した後も感想戦に記者会見、(おそらく)打ち上げ、次の日も寝坊する間もなく取材に応じて東京にトンボ帰り、(おそらく)たまっている所用をこなして翌日は王位戦の挑戦者決定戦(これにも勝利!)、感想戦等を終えて(おそらく)深夜に帰宅後、旅支度をして翌日は棋聖戦の対局場である愛知県へ移動、到着後対局場検分をした上で地元のファンや関係者らと前夜祭、そして翌日は佐藤康光棋聖と根競べの対局、、、、、。私は羽生三冠のマネジャーではないが、こうしたスケジュールが容易に想像できる。記者会見や前夜祭、取材などはできれば辞退して少しでも頭を休めるなり家族と時間を過ごすなり次の対局のための準備をするなりしたいと思うのだろうが、羽生三冠、そして他の将棋棋士の多くの偉大なところは、こうした”仕事”をいやな顔一つせずにこなしていることだ。「将棋に専念したいので、今日はこの辺で、、」といった言い訳を聞いたことがない。おそらく世間の人が想像する以上に、棋士は体力がないと続かない職業であろう。

今週の羽生三冠は、名人戦第6局、王位戦挑戦者決定戦、(第1局を落とした後での)棋聖戦第2局と、大勝負の連続であった。対局相手は言うまでもなく最強の相手・旬の相手であり、少しでも集中力が欠けるとあっという間に3連敗しても不思議ではなく、負けるとここ数ヶ月・1年間の努力が水泡に帰すという重要な対局であった。名人を獲得して返す刀で王位挑戦権を奪い、そして棋聖戦へと旅立つ、その姿はまるで天下布武を掲げて上杉・武田・毛利・石山本願寺等四方八方の敵と各個撃破の戦いを続ける織田信長を彷彿とさせる。信長と違うのは、勝負を離れた時は普通のやさしいお兄さんに変身することだろうか、、。

勝利の余韻を味わう間もなくタイトル戦が続くが、とりあえず名人の獲得で精神的にもゆとりがうまれ、物理的にもA級順位戦を戦わなくてもいいという貴重な権利を勝ち取ったことで、気持ちはかなり楽になったと想像できる。少しはゆっくり休んで、また斬新な将棋を見せて欲しいと切に願う。名人獲得本当におめでとうございました。

2008.06.19 | Comments(0) | Trackback(0) | 将棋

大詰めを迎える将棋名人戦

森内名人2勝・羽生二冠3勝で迎えた将棋名人戦第6局は、いよいよ明日・明後日(16日・17日)の2日間行われる。会場が山形県天童市であることから大震災の影響が心配されるが、予定通りに名人戦が行われて地元経済に少しでもポジティブな効果がでることを願うばかりだ。将棋の方は、今回は羽生二冠の先手番ということで、ファンにとっては永世名人獲得の期待が高まる対局でもある。

ここ最近のタイトル戦では、先手番の勝率が非常に高いようである。作戦の幅が広いことや事前に作戦を決めやすいことが理由のようであるが、トップ棋士同士の場合には特にその傾向が顕著のようだ。素人目では、形勢が二転三転する将棋などでは、どちらが先に指したかは勝敗に関係ないような気もするのだが、今年の棋王戦では先手が5勝0敗、名人戦も現在まで先手が4勝1敗ということで、現代将棋では手番は無視できない要素の一つのようである。

しかし、それにしても羽生二冠のスケジュールは殺人的である。今年に入って王将戦・棋王戦・名人戦とタイトル戦に連続出場する一方で棋聖戦・王位戦・竜王戦の予選を勝ちあがり、先週には棋聖戦も始まり、その一方で将棋普及のために北京に出張に行くなど、この分では研究する時間が限られてしまい先手番のメリットを生かしきれないのではないかという危惧すらでてくる(実際、棋聖戦第1局では先手番を落している)。少し前であれば、タイトル戦連続出場の勢いで勝ちまくることもできたのであろうが、最近の将棋は事前の研究が勝敗に及ぼす影響は決して小さくないようだ。

その意味では、名人戦では森内名人、棋聖戦では佐藤棋聖、(挑戦者になれば)王位戦であれば深浦王位は目先のタイトル戦だけに集中して研究できることになり、如何に羽生善治とはいえ相当の苦戦を強いられるだろう。このまま名人・棋聖・王位を獲得して五冠王になるよりは、タイトルが群雄割拠状態のほうが将棋界にとっては盛り上がるのだが、羽生にしても当然戦う以上は全て勝ち取るつもりで全力を尽くすであろう。この夏も面白いタイトル戦が数多く見られそうだ。

2008.06.15 | Comments(0) | Trackback(0) | 将棋

混迷するモノライン業界

原油・穀物価格の急騰が続く中で、6月に入って各国中央銀行がインフレ警戒姿勢を強め、金利イールドカーブのベア・フラットニングが大きく進んでいる。日銀による政策金利の利上げなど考えられない日本のマーケットでも、海外勢の動きも影響しているのか短・中期金利の上昇が目立っている。マーケットの注目は迫り来るスタグフレーションに対する金融当局の対応といったマクロ的な部分に集まっているように思われるが、水面下では、何らかの形での生き残りをかけるモノライン各社にとってのタイムリミットが刻々と迫っている。

モノライン保険会社を非常に大雑把にグループ分けして整理すると以下のようになるだろうか。

(1) 存続の見込み薄・市場への影響は限定的 
   ACA
(2) 大幅な事業再編・救済合併以外に存続の見込み薄・市場への影響は無視できない
   FGIC・XL・CIFG
(3) 現状のビジネスモデルを維持できるか瀬戸際・市場への影響甚大
   MBIA・AMBAC
(4) 予断は許さないが、現状のままビジネスを継続できる見込み
   FSA・Assured Guaranty
 
第1グループのACAについては実質的に破綻状態で、債権者(CDSのカウンターパーティー)からモラトリアムを受けて辛うじて時間稼ぎをしている状況である。大手金融機関は日系の金融機関も含めて概ねACAが破綻した場合の含み損失等を計上していることから、実際に破綻しても市場に与える影響は限定的であろう。
 
第2グループは現在BBB~BBエリアまで格下げされて新規の保証ビジネスが停止状態であり、時間の経過による資本適正度の改善効果も低く、また現状のままでは外部からの出資もままならないといった中堅・大手モノラインである。CIFGは親会社がフランスの大手金融グループで、当初は親会社による増資も期待されていたが、現在はそうした動きは見られない。この中で規模的に一番大きいFGICは、証券化商品の保証業務と地方債等のパブリック・ファイナンスの保証業務を分割する案をNY州に提示したが、今のところ具体的な動きにはつながっていないようで、大株主のBlackstoneやPMI等に増資を行なう姿勢も見られない。XLは、一部の保証契約の有効性を一方的に否認して資本適正度の大幅な改善を図ったが、先般保証の有効性を主張するメリルリンチに敗訴している。いずれも、現状のままでの生き残りは不可能であるようだ。

こうした現状は相当程度は市場に織り込まれていると思われる。この3社の保証する証券化商品や地方債の多くがすでに格下げされて市場価格も下落し、原債権がしっかりしたものでない限りはセカンダリー市場でまともな価格で売却することは困難な状況であり、大きなエクスポージャーを持つ大手金融機関もそれなりの引当てを積み始めている。ただし、特にFGICの場合は規模が大きいこともあり、状況がさらに悪化した場合金融機関等に今後も追加的な損失が発生することは避けられないだろう。実際の保証の履行能力についても、当面は現在の資本によって保証の履行を継続できるものと思われるが、原債権の毀損が進むと予断は許さない。また、根本的な事業の再編や救済合併などがない限り、規制上維持すべき必要最低資本を下回ってNY州保険当局の“庇護下”に入り、これによってCDSのCredit EventやISDA Master契約のEvent of Defaultに抵触する可能性すら否定できない。この場合、モノラインを参照するシンセティックCDO等のトランシェに毀損や格下げが発生することが予想され、実務上も、モノライン保険会社のクレジットイベント決済がスムーズに行われるか注目される。

第3グループのMBIAとAMBACは、年内にもMoody’sとS&Pから『Aaa/AAA(見通し安定的)』というステータスを回復し、新規ビジネスも時間をかけて回復していくだろうと見込む向きもあったが、先般の格付けアクションでこのシナリオが完全に崩壊した。それどころか、一貫して“トリプルAは死守する”としてきた両者も最近では格付け基準の一貫性のなさを理由に、トリプルAにこだわらない姿勢を示すようになっている。MBIAに至っては、今年の1月に子会社のMBIA InsuranceのトリプルA維持の目的で親会社のMBIA Incにおいて資本を調達したが、格付会社のスタンスの変化を理由に、親会社から子会社へ資本金を移動しないと表明、実質的にトリプルAの維持をあきらめたとも解釈できる。親子間の資本金の移動については当局との約束事項でもあり、今後の当局の出方が注目されるが、本当にトリプルAにこだわらなくなったのであれば、この2社もいずれは第2グループに仲間入りしてしまうのかもしれない。この場合、資本余力が相対的は高いことから、実際に保証が履行できないという事態に陥るのは相当程度先の話になると思われるが、モノライン保証債市場の価格回復は滞り、仮にテクニカルな理由でCredit EventやEvent of Defaultに抵触するようなことになれば、規模の大きさから言って金融市場への波及効果は相当大きなものになるだろう。

モノライン各社・規制当局・格付会社・大手金融機関・PEファンドの間で現在どういった水面下の動きがあるのかは伝わってこないが、サブプライムの影響が軽微であった第4グループの2社やBerkshire Hathaway等の新規参入者を巻き込むような当局主導の業界再編、といったウルトラCでもない限り、ソフトランディングのシナリオが遠のいていくような気がしてならない。

2008.06.15 | Comments(0) | Trackback(0) | モノライン

Delico in Ebisu Liquidroom

6月9日(Rockの日)、5月に全米でアルバムをリリースしたLove Psychedelico の“凱旋”ライブを観る。このバンドを知ったのは比較的最近で、ライブを見るのは今回で2回目だが、1960年~70年代の洋楽がDNAに刻み込まれた身にとっては非常に心地のよい演奏の連続である。メンバーの2人もサポートメンバーの演奏も非常に高いレベルで安定し、日頃安定感の欠けたぎりぎりのRockや感情の起伏の激しいミュージシャンの演奏を聴くことが多いこともあって、拍子抜けするくらい安心してライブを楽しめた。

このバンドの根底にあるのはBeatlesである。佐藤良明氏が著書で書かれているように、”Free World”は”I Want To Hold Your Hand”の”I can’t hide”そのままだし、随所にBeatlesを敬愛する姿勢が垣間見える。 “Rockの日”ということもあってか、Lennon & YokoというよりThe Beatlesであったのも、この日の自分にはフィットして楽しめた(Keithの”Happy”のカバーは、ちょっと人生経験不足といった感じもあったが)。Kumiのちょっとしたpoetry reading 的なVocalは絶対的にオリジナルであり、単なるクラッシック・ロックのカバーや真似事の域ははるかに超えている。

これだけ完成度が高いと、バンドとして次の展開が難しくなるのが常だが、今年は全米デビューという形を打ち出した。Kumiは昔アメリカのライブハウスで歌っていたという話を聞いたことがあるが、その時のように武者修行とかバンドの音を固めるといった目的よりも、世界中の人に自分達の音楽を紹介したいという気持ちが強いのではないかという気がする。あるいは、The Beatlesの全米進出と重ね合わせている部分もあるのかもしれない。いずれにしても、まんねりの打破のために色々試行錯誤しているというよりは、新しい展開を自然体で求めて活動しているように見え、今後がますます期待される。

2008.06.15 | Comments(0) | Trackback(0) | ライブレポート

AMBAC・MBIA格下げの影響

前日のMoody’sの格付けアクションに続いて、先週の木曜日にはS&PがAMBAC AssuranceとMBIA InsuranceのAAA格付けをAAへ格下げした上で引き続き格下げ方向で見直しとした。格下げの主な理由として、Moody’sと同様に新規ビジネスの先細りや保証ポートフォリオの質の劣化などが挙げられている。S&Pがいわば“聖域を侵した”ことで、ネガティブ・ウォッチを付与するにとどめたMoody’sも数週間後にはためらいなく格下げを行なうものと思われる。

公表資料によると、MBIAとAMBACが保証している商品(証券化商品・地方公共団体の債務等)のうち、保証なしにAAAであるものは$217billion程度、AA以下のものは$961billionであることから、今回のAAへの格下げによって$961billionの資産の格付けがAAAからAAへ下がることになる。また、世の中に数多く存在するMBIAやAMBACを参照するシンセティックCDOにおいても、格下げされるトランシェがそれなりにあるだろう。こうしたモノライン保証債やモノラインを参照するCDOの格下げによって、保有する商品の格付け基準に抵触する金融機関やファンド等が市場での売却を行えば、価格の下落がさらに進むことになるだろう。また、AMBACやMBIAからスーパーシニア・トランシェ等についてプロテクションを買っていた金融機関の中には、AA格への格下げに伴って引当金を増やすところもでてくるだろう。さらには、AMBACやMBIAに再保険で信用リスクを移転していた他のモノラインにとっても、格下げによって再保険の実効性が低下し、資本適正度にネガティブな影響が生じてさらに格下げ圧力が高まることも予想される。

AMBAC、MBIAの両者は今回の格付けアクションに遺憾の意を示し、格付け基準・方針の一貫性のなさを非難している。確かにこれまでの経緯を考えるとやや不自然なタイミングでの格付けアクションではあるが、新規の保証ビジネスをどれだけ継続できるか不透明であり、株価が増資を不可能にするほど下落し、CDSのスプレッドも1000bpsをはるかに超えた現状は、たとえ当面は保証を履行するのに問題がない資本力があるとしても、最高格付けに値する企業と判断する向きは少ないであろう。

戦略的なパートナーの出現などがないのであれば、今後は新規のビジネスを停止し、証券化商品の契約書等の確認作業を地道に行なうことによって保証の履行を必要最小限に抑えるといったことで、資本適正度の改善に励むしかないのだろうか。よく知られていることではあるが、モノラインが付与する保証契約は原則として前倒しの保証履行を迫られることはなく、仮に保証している元の資産にデフォルトが相次いでも、実際には相当程度長い期間に亘って少しずつ保証が履行されることになる。このため、残存年限が長いもの以外についての保証の履行はまず問題ないようには思われるが、先行きの不確実性が残る間は、モノラインが保証している証券化商品等の市場価格が大きく回復することはなさそうだ。

2008.06.08 | Comments(0) | Trackback(0) | モノライン

トリプルAを守る戦い

昨日のNY時間に、Moody’sはモノライン保険会社大手のAMBACとMBIAのAaa格付けを格下げ方向で見直すと表明した。見直し作業は数週間で完了し、現在の見込みではAMBACはダブルA格、MBIAはダブルAもしくはシングルA格へ格下げされる可能性が高いとのことである。

Moody’sはMBIAについては今年の2月に、AMBACについては今年の3月にそれぞれトリプルA格をaffirm(確認)してネガティブ・ウォッチをはずしている。その時のコメントから判断すると、前提条件に大きな変更がない限り、当面は格付けアクションが回避されるのではないかとの印象があっただけに、今回のタイミングでのアクションには若干の違和感があり、MBIAも同様のコメントを出している。見直しを行なう理由として、新規の保証ビジネスが回復する目処がたたないことや、財務上の柔軟性が低下していること、保証ポートフォリオの劣化が進んでいること等が挙げられているが、5月のSecond LienのRMBSの損失見通しを引き上げているとはいえ、今回のアクションが2月・3月の判断と整合性があるかどうか、微妙なところである(若干脇道へそれるが、財務上の柔軟性低下に関して、Moody’sはモノラインを参照するCDSのスプレッドが大幅にワイドニングしていることを指摘しているが、CDSという言わば信用力変化の“先行指標”について格付会社が言及していることも違った意味で興味深い)。

先般のMoody’sのCPDO格付けの“エラー”とそれを隠蔽した可能性が指摘された件に代表されるように、ここに来て格付会社に対する規制当局等からの風当たりは非常に強くなっている。格付会社批判の代表的なものは、案件を獲得するために格付けを甘くしていたのではないかといったものであるが、非常に穿った見方をすれば、今回の格付けアクションは「当局や世間が格付けが甘いとして批判するのなら、モノラインの格付けもより厳しくしますよ。それで市場が混乱しても責任は負いかねます。」という意思表示なのではないかとさえ思えてくる(さすがにこうした事実はないのであろうが)。

いずれにせよ、トリプルA格を安定的に維持することはモノライン保険会社のビジネスモデル上不可欠であり、今回のアクションはMBIAにとってもAMBACにとっても頭の痛いサプライズであろう。2社とも以前からトリプルA格を維持することにコミットしていると繰り返し表明してきたが、AMBACは増資を行なう意図がないことを早々と表明し、MBIAはMoody’sが格付けのルール・基準をころころと変えるのであれば、格付け維持のための増資など行なうことはできない、とコメントしていることからすると、今回の格下げはもう回避できないのかもしれない。この場合、モノラインから保証を受けていた大手金融機関などにとって次回以降の決算において追加で損失を計上することになるだろうが、果たしてどの程度の影響となるのか、他の分野への波及はどの程度のものなのか、改めて考え直してみる必要があるだろう。

2008.06.05 | Comments(0) | Trackback(0) | モノライン

pupa live - preparation before floating

高橋幸宏の呼びかけで結成されたpupa。そのデビューアルバム”floating pupa”のアルバム発売に先駆けたライブが恵比寿リキッドルームで行われた。

公式サイトはこちら

メンバーに興味をそそられて行ってみると、おそらくYMO時代からのファンだと思われる30代~40代の男性を中心に満員で、すごい熱気だった。YMOをカバーしている前座のanonymassのふんわりした演奏が終わりしばらくするとテクノな音楽が会場に流れた。空気の色が変わって、観客の期待が高まる。開幕すると、高橋幸宏がドラムの前に直立不動で立っている。

あ、ドラムをたたくんだ!と期待がさらに高まった。彼のドラムは堅く締まった独特の音色が好きなのだが、最近あまり聞けなくなったのでかなり嬉しい。pupaのほかのメンバーは、高野寛、高田漣、堀江博久、権藤知彦、そしてリード・ヴォーカルの原田知世。あえて言うまでもないが、サディスティック・ミカ・バンドやLOVE PSYCHEDELICOのサポートに加わりつつ、ソロでも活躍しているベテランぞろい。期待は高まるものの、アルバムの発売に先行してのライブなので、全くどのような曲が紹介されるのかが見えなかったが、いかにも高橋幸宏らしい、テクノでポップでゆる~い感じの心地よい曲たちだった。聞いていてとても気持ちいい。特にオープニングのJargonはYMOを彷彿させるようなテクノでとってもカッコ良かった。

それから心に残ったのは、スプートニク2号に乗せられたライカ犬にささげたという曲“Laika”。ライカ犬のストーリー自体が悲しいのだけれど、曲もちょっと哀しくてツボにはまってしまった。タイトル曲のfloating pupaもよかったので、アルバムを買ってじっくり聞いてみたい。あっという間の2時間だった。


2008.06.04 | Comments(0) | Trackback(0) | ライブレポート

和・話・輪

昨日、LPSA(日本女子プロ将棋協会)の設立1周年記念パーティーに光栄にも招待され、楽しいひと時を過ごしてきた。LPSAは志の高い女子プロ棋士の一部が日本将棋連盟から独立して設立した団体であり、昨年5月の設立以来さまざまな斬新な企画で将棋の普及活動を行ってきた。少ない人数での独立であり、日本将棋連盟から必ずしも友好的なサポートが得られない中で、傍から見ていて正直不安に思うことも多かったが、この1年間の足跡はお見事と言うほかない。並外れた行動力と、将棋の普及にかける情熱、そして溢れんばかりの知性・創造力で人手不足・資金不足を克服し、多くの将棋ファンをうならせる確かな“実績”を残したのである。

LPSAのコンセプトは“三つの「わ」”、すなわち「和(日本の伝統文化の継承)」「話(将棋を通したコミニュケーションの促進)」「輪(ファンとの交流)」であるが、標語というものがえてして単なるお飾りになってしまうことが多い中で、LPSAの活動には“三つの「わ」”の精神がしっかりと刻み込まれている。将棋ファンにも男と女、初心者から強豪、子供からお年寄り、指すのが好きな人と見るのが好きな人、などなどさまざまなタイプがあるが、LPSAはそうした多様なファン層とあの手この手で積極的に交流し、着実に“将棋の輪”を広げている。何よりファンの目線に合わせられるのが強みで、プロアマ混合の大会の企画やプロアマ共同の詰将棋カレンダーの制作、地道な将棋教室活動など、単なる形だけの普及にとどまらず、ファンのハートをしっかりと押さえることを忘れない。

世論を味方につけられるのもこの団体の大きな強みである。これまでの経緯から言いたい事は山ほどあると容易に想像できるが、外に対して感情的や対立的な態度を見せることもない。まるで、前向きな将棋普及の仕事は山ほどあって目先のプライドやつまらない情熱や時間をかけている暇などないと思っているようだ。こうした“大人の態度”や大局的に将棋界の発展を見据えているところがファンの支持を増やしている大きな要因なのだろう。過去に連盟側から冷たい態度を示されたこともあったが、その都度いわば判官贔屓的にファンの支援の声が高まっていったように思う。今後も軸のぶれない活動を続ける限り、ファンやスポンサーからの応援は途絶えることはないであろう。

1周年のお祝いムードに浸っている間もなく、今後も斬新なイベントが目白押しのようであり、いったいいつ休んでいるのだろうかと心配にもなってくる。女子プロ棋士の皆さん、関係者の皆さん、1年間お疲れ様でした。たまには息抜きしながら、2年目も頑張って下さい。期待しています。

2008.06.01 | Comments(0) | Trackback(0) | 将棋

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