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排出量取引制度創設に向けて

政府は洞爺湖サミットに向けて、気候変動問題取り組みの動きを加速させている。24日に鴨下環境相が、温室効果ガスの排出量取引導入を加速する本邦における組織「日本カーボンアクション・プラットフォーム」(JCAP)を発足させることを明らかにした。これは、EUを中心に昨年秋に組織し、排出量取引のルール作りを目指すInternational Carbon Action Partnership(ICAP)の日本版といえる。JCAPの役割として、キャップ&トレード型の仕組みに関する情報交換が含まれており、環境省の排出量取引市場創設に積極的な姿勢が見て取れる。

この、キャップ&トレードとは、政府が温室効果ガスの総排出量(総排出枠)を定めて、それを個々の主体(業界レベル、企業レベル、工場レベルなど)に排出枠(キャップ)として配分し、個々の主体間の排出枠の一部の移転または獲得(トレード)を認めるものである。この、業界や企業に枠をはめることによって、日本企業の国際的競争力を失速させてしまうということで、いまだに産業界からの反発は強く、産業界代表である経済産業省はキャップ&トレード方式の取引制度に積極的ではない。また、政府や学者の間には、キャップ&トレード取引制度を導入 → 排出量(枠)が金融商品の一つとなり、その結果、需給と関係のないところで価格の乱高下を招くのではないか、という懸念がいまだに聞こえてくる。特に最近の原油価格の値動きがその懸念を増しているのだろう。たとえば、原油価格が上昇するとなれば、石炭などの代替燃料に頼らざるを得ず、その結果CO2排出が増え、電力会社などはそのキャップを超える可能性が高くなり、排出量(枠)の価格が上昇するといった具合に、枠をはめることによりその他の市場価格との連動が強まってくることになる。また、昨年7月の新潟中越地震発生時に火災が発生し柏崎刈羽原子力発電所の機能停止といった事件があったが、排出量取引市場があったとしたら、市場は大混乱したかもしれない。環境問題という人類にとって純粋で高潔な問題を、マネーゲームにしてほしくないという気持ちはわからないでもない。然はさりながら、90年比6%削減という絶対的な目標があり、企業の自助努力だけでは達成が難しいことは事実である。そのためには、市場メカニズムを用いて流動化を高める必要がある。

そのキャップ&トレードに消極的な経済産業省から、26日に京都クレジット(京都メカニズムにおいて取得や移転が可能な排出割当量や排出削減量)の流通基盤整備のため、金融商品取引関連法制、割当量口座簿制度、京都クレジットの法的性格等における各種論点を整理した最終報告書を公表した。制度的枠組みそのものには触れられていないが、早ければ2013年には導入されるであろうキャップ&トレードの市場のインフラ整備基盤として興味深いものだ。特に、決済に関する点は金融商品として安定的に取引するためには非常に重要である。

金融市場では当たり前なことであるのだが、以下のような点が整備される必要がある。
1. 現物と現金の同時履行性
2. 受渡日の確定および短縮化(割当量口座簿の法定管理者による京都クレジット移転申請の処理に係る標準処理期間の確定化と短縮化)
3. 決済完了・未了の確認通知
4. 決済がフェイルした場合の遅延損害金を含めた決済実行

金融商品取引関連法制について言えば、今後、取引が広がり、投資家保護又は消費者保護の観点から新たな措置導入の必要性が謳われている。一般投資家が直接排出量取引を行うことは考えにくいが、環境問題にリンクしている点が一般投資家に訴えやすいため、カーボン・オフセットや欧州市場の排出枠価格に連動した商品の小口販売といった形で販売が行われている。今後、一般投資家向けによりわかりやすい開示が必要になってくるであろう。

ちなみに、マスコミなどで一般的に使われる「ポスト京都」(京都後)という言葉だが、京都議定書は具体的な数値目標を定めた2008年~2012年を「第一約束期間」と呼んでおり、マスコミが「ポスト京都」とする2013年~2018年は、数値目標はまだ定められていないが「第二約束期間」と呼ばれ京都議定書の一部である。厳密に言えば、2012年で「京都」はおわらず、2013年以降もまだまだ続くのである。

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2008.06.29 | Comments(0) | Trackback(0) | 環境問題

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