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ものすごいスピードで

たった今、Wachoviaの銀行部門をCitigroupが買収するとの発表!CitiはWachoviaの資産と負債の大半を引き継ぎ、預金・シニア債・劣後債は守られる。3120億ドルのローンポートフォリオのうち最初の420億ドルの損失はCitiが引き受け、それを超えた分はFDICが引き受け、FDICは120億ドルの優先株とワラントを受け取る。ぱっと見は、JPモルガンによるBear Stearns買収のパッケージに似ているような気もする。基本的に株主以外にとってはLehmanやWashington Mutualの時よりもフレンドリーな策のようだ。各ケースをまとめるとこんな感じになろうか。

<シニア債保有者>
Bear ○
GSE ○
Lehman ×
Washington Mutual ×
Wachovia ○

<CDS・CDOのプロテクションの売り手>
Bear ○
GSE △ (回収率は高い?)
Lehman ×
Washington Mutual ×
Wachovia ○

<デリバティブの取引相手>
Bear ○
GSE ○
Lehman ×
Washington Mutual ○
Wachovia ○

<預金者>
Washington Mutual ○
Wachovia ○

<株主>
Bear ×
GSE ×
Lehman ×
Washington Mutual ×
Wachovia ×

世の中ものすごいスピードで進んでいく、、、。ヨーロッパでは、一日でBradford and Bingley, Fortis, Glitnir, Hypo Real Estateの4行が部分的に国有化された。果たして政府支援のCitiとWachoviaの統合はどのような評価になるだろうか、、。


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2008.09.29 | Comments(1) | Trackback(0) | 市場雑感

やっと週末

NY時間の木曜日にWashington Mutualの公的管理&JPMへの売却が報じられた。週末に発表しそうな出来事を早めに(?)発表するのは、”今週末はみんな休もうよ”、という米当局の配慮かななどと馬鹿な考えがチラッと頭をよぎったが、今週末も金融安定化法案の議論は継続し、一部の金融機関に不穏な動きも見られる。金利スワップとは違ってCDSでは開始日や終了日が土日であっても翌営業日に修正されないのは企業の破綻は土日にも発表されるからだと昔習ったことを思い出す。

いくつか懸念事項・懸案事項・その他もろもろ、、

<金融機関の資金繰り>
この夏活発だった海外市場での金融機関の社債発行がGSE・Lehman以来止まってしまった。日本でもサムライ債の発行が停止中だ。JPMorganによると、今後一年間で銀行・ブローカー等の金融機関の社債のうち6600億ドルが償還されるらしいが、短期金融市場も社債発行市場も早く極度の機能不全から立ち直らないと、中央銀行の役割はさらに拡大しそうだ。

<次?>
金曜日はWachovia、Bradford&Bingley、Fortisといった名前があがっていた。英米は危機回避の経験を幸か不幸か数多くこなしてきている(Northen Rock, HBOS, Bear, GSE, Lehman, AIG etc etc)が、果たしてEUの銀行救済はスムーズに行くだろうか。ECBがhawkishに利上げをほのめかしていたのはそんなに昔の話でもない。

<Washington Mutual>
Washington Mutual BankがFDICのreceivershipとなった。CDSで参照されるのは持ち株会社のWashington Mutual Incが多く、今の時点では明快にクレジットイベントが構成されないような気もするが、銀行子会社がこうなってしまった以上は持ち株会社も時間の問題で破綻手続きに入るのだろう。S&Pによると、Washington Mutualを含むシンセティックCDOの数は非常に多く、リカバリーが低いことが予想されることから、GSEとLehmanの破綻やAIG等の格下げと合わせて、数多くのシンセCDOが格下げ・時価評価下落となることが予想される。

<9月末決算>
10月半ばに米系銀行(+メリル)、10月下旬から11月は保険会社や欧州系銀行の第3四半期決算発表が続く。

私の非常に狭い視野で思いつくネガティブ要因をいくつかあげると、

・住宅関連市場・関連商品の下落(Residential / Commercial)
・企業向け融資の貸倒れ引当て増加
・消費者向け融資の貸倒れ引当て増加
・ARSの買戻し関連のコスト
・モノラインの格下げによるSuper Senior hedgeの引当て増加
  (FSAとAGOは9月末をAAAで通過できるか?ABKとMBIは現状維持できるか?)
・AIGの格下げによるによるSuper Senior hedgeの引当て増加
・GSEの優先株・普通株の下落
・Lehmanの破綻による影響(プラスもマイナスもありうるが)
・資金調達コストの上昇

ポジティブ要因は

・負債の時価評価益拡大(自社を参照するCDSスプレッドの拡大)
・Lehman消滅によって、MTN発行体とのスワップの再ヘッジビジネスの拡大(?)

(上記の影響は金融機関によって大きく異なります)


<GSEとLehmanのクレジットイベント決済プロトコル>
それぞれ10月6日と10日に予定されている。その後、Washington Mutualが続くか?取引量の多いイベントだけに、スムーズに入札が行なわれるか注目される。

<CDSに対する規制>
NY州が『保有資産に対するヘッジとして使うCDS』への規制を表明したのに続いて、SECなどは『現物資産を保有しないでCDSでクレジットショートを行なうこと』についての規制を促した。両者、立場の違いから規制の矛先が正反対なのが興味深い。インサイダー情報に基づいてCDSでポジションを作ったり、事実に基づかないうわさを流してCDSを取引することは言語道断であり、こうした行為についてはSECは過去にも規制を行なってきたように思う。『インサイダー情報ではなく、風説の流布も行なわず、自分の相場観でCDSでクレジットショート(プロテクションの買い)を行なうこと』について強い規制をかけることについては、賛否両論がでるだろう。先行きの経済にベアな見解を持つプレーヤーは、株の空売りができず、CDSでショートも振れなくなると、今度はドルを売り始めたりして、、、。

<深浦王位防衛!>
第49期将棋王位戦第7局は深浦王位が羽生挑戦者を破って王位の防衛に成功し、羽生四冠の七冠チャレンジはいったん頓挫することになった。トップ棋士の実力差は小さく、タイトル戦1局・1局が紙一重の勝負であるなかで、連戦連勝を重ねることは神がかり的な強さを誇る羽生四冠とはいっても難しいのだろう。去年羽生から王位を奪い、今年羽生のリターンマッチを退けた深浦王位は大きく男を上げた。地元の九州では号外が出たそうだ。2年とも3勝1敗から3勝3敗まで追い込まれた最終局を制しているところに勝負強さを感じる。

2008.09.28 | Comments(0) | Trackback(0) | 市場雑感

(続)一人歩きする数字

昨日、ISDAが2008年上半期のMarket Surveyの結果を発表した。これによると、グロスベースのCDSの想定元本残高は54.6兆ドルで、2007年12月の62.2兆ドルから12%ほど減少している。今後は、62兆ドルではなくて55兆ドルという数字が新聞やテレビで一人歩きするのだろうか(苦笑)。この数字だけを見ていると、今年に入ってCDS取引は減少したのかという印象を与えるが、実態はそうではない。

プロテクションの売りと買いが重複して実質的にリスクが相殺されている取引をディーラーの間に入って解約するサービスを行なうTriOptima社によると、2008年1月から6月までに17.4兆ドルの解約が行なわれた。単純化して考えれば、解約作業がなければ、この6ヶ月間で9.8兆ドルの残高が増えていたことになる(62.2兆+9.8兆-17.4兆=54.6兆)。Markitの統計を見ても、今年の1月から4月頃までは毎月コンスタントに高い取引量を記録しており、今年の上半期に市場取引が増加していることを裏付けている。

相殺する取引を解約すると、経済的なリスクは実質的に変わらないが、取引件数が減ることでオペレーションの負担が軽減されることになる。表面的な数字だけしか見ないメディアに対する誤解も少しは減るという効果もあるだろうか。TriOptima社は7月・8月にも積極的に解約を行ない、8月・9月にはMarkitやCreditexもこの解約作業に参入してることから、今の今は54.6兆ドルよりもさらに減少しているだろう。LehmanやGSEを参照するCDSがイベント決済によって消滅することや、9月は市場の混乱で取引量が減少していることも影響してくるかもしれない。

11月頃にはBISの統計もでてくるはずであるが、BISは単純な想定元本の合計に加えて実質的なリスク量(gross market value)の報告も行なっていることから、長引く市場の混乱によってこうした数字がどうなっているのか、注目されるところだ。

2008.09.26 | Comments(3) | Trackback(0) | CDS

実効性のある規制とは

サブプライム問題の発生以来、金融業界は至る所で規制強化を求める声がひっきりなしである。格付会社規制、証券化商品規制、株の空売り規制などなど、中にはスケープゴート探しとしか思えないようなケースもあるが、大きな流れとしては、金融界はより自由な世界からより規制の多い世界に移行していくのだろう。規制強化の動きはクレジット・デリバティブの世界にも波及し、昨日はNY州当局が新たな規制を発表している。

「CDS市場は規制がなく野放し状態で、気が付けばいつの間に62兆ドルという巨額の市場に膨れ上がり、市場の波乱要因になってしまった」といった論調をよく目にするが、“CDS市場は規制がない”というのは実態面としては大きな誤解である。銀行や証券会社などのCDSの主要プレーヤーは規制業種であり、CDS残高に関する情報を決算報告書等で開示し、当局の検査があれば1件1件の詳細を報告することもある。銀行であれば、BIS規制やVARのリミットがあることから、極端に大きなポジションを取ることは考えにくい。また、日本では、昨年9月に施行された金融商品取引法でCDSは明示的に規制の対象とされている。

現状の規制では心もとないという市場参加者が多いのであれば、規制の強化を考えるのもやむなしと思うが、実際問題、実効性のある規制を作るのはそう簡単ではない。ありがちな方向性として、現物資産の裏付けのない投機的な意味合いの強いCDS取引について何らかの規制を強めるのかと思ってNY州当局のステートメントを読んでみたら、その逆であった。

今回のステートメントはNY州保険局が主体ということで、保険契約者の利益を守るという観点からの規制である。NY州は2000年にすべてのCDSは保険商品ではないとの立場を表明したが、社債などの現物資産の保有者がCDSでプロテクションを買うケースに限ってこれを“保険”とみなして、2009年1月からNY州保険法の管轄にするとしている。この場合、プロテクションの買い手を守るために、取引相手(プロテクションの売り手)の契約の履行能力に対して規制をかぶせるとしている。Dinallo氏は、今回のCDSの規制の目的は、健全な経済行為に規制の網をかけることではなく、プロテクションの売り手の契約履行を確実にすることであり、現物資産の裏付けなしに相場の方向感にbetするようなCDSを規制の対象外としている。

実際問題、プロテクションの売り手は買い手に取引の都度、「あなたはこのCDSに対応する現物資産を保有していますか?」とヒアリングすることが要求されるのか、また、プロテクションの買い手がCDSを取引してたとえば1年経って初めて現物資産を購入した場合、売り手はこの事実をどう認識するのかなど、実務的なハードルは低くないような気はする。また、NY州知事のDavid Paterson氏は、CDS市場を規制しなかったことが現在の金融市場のメルトダウンの原因であると断言し、NY州が今回導入するような規制をアメリカ全体に広げるべきだと強行に主張しているが、仮に他の州すべてが追従したとしても、規制の対象となるのは”62兆ドル”マーケットの極々一部に過ぎない。

今回のステートメントはやや拍子抜けという感がなくもない。市場の懸念を解消する方向での規制強化は方向性としては正しいと思われるが、規制過剰となってCDSのメリットまでを殺すことがないように、あらゆる規制の導入は慎重に行なわれるべきだろう。

2008.09.23 | Comments(0) | Trackback(0) | CDS

クレジットイベント決済

9月はCDSのクレジットイベントの“当たり月”で、市場参加者や業界団体のISDAにとっては非常に忙しい月である。とりあえずはAIGが今のところはクレジットイベントに該当しなさそうな感じであり、多くの市場参加者はホッとしているだろう。イベントに該当している企業の中ではTembecはまだいいとしても、Fannie Mae、Freddie Mac、Lehmanの3社については取引量が多いこともあって神経質になるところである。IFRによると、イベントの発生以降にTriOptima社がCDXインデックスやシングルネームCDSの相殺・解約作業を追加的に行なっていることから、ある程度の取引残高の減少は見込まれている。

CDSは標準的には現物決済として契約されているが、ISDA等のアレンジによってこれを現金決済(と現物決済の組合せ)に変更する慣行(=クレジットイベント決済プロトコル)が一般化している。もちろんプロトコルは任意参加なので、元の契約に従って現物決済を行なうことも可能である。先週の金曜日には、これらの企業を参照するCDSのクレジットイベント決済プロトコルのスケジュールなどがISDAから発表された。

GSE2社については引渡可能債務の“仮”リストが発表され、2社のシニア債と劣後債の合計で231銘柄がリストアップされている(ゼロクーポン債は含むがPrincipal Only債は含まれていない)。来週からこのリストについて市場参加者の意見をつどい、9月29日に最終のリストと最終のプロトコルを発表し、10月6日に入札を行なう、といった“仮”スケジュールになっている(変更の可能性あり)。Lehmanについては、同じ週の10月10日が入札の予定日とされている。

短い期間での大企業3社の破綻という前例がない事態であるだけに多少の混乱は避けられないと思われるが、さらなる企業の破綻や市場の混乱によって上記のスケジュールに大きな影響がでないことを願いたいところだ。前向き(?)な話としては、今回ConservatorshipによってGSE2社がいわば”テクニカル”にクレジットイベントに該当したことを受けて、今後GSEを参照して取引する場合には”Conservatoship”をイベントの対象からはずす旨の文言を加えることの是非が議論されている。

2008.09.21 | Comments(0) | Trackback(0) | CDS

一人歩きする数字

“62兆ドルの巨大マーケット”――― これはISDAの市場調査による2007年12月時点のCDS取引の残高であるが、最近この“62兆ドル”という数字があちこちで一人歩きするようになった。メディアなどの論調は総じて「こんなにまで肥大化したマーケットが金融市場を揺さぶっている」といったものが多い。一部メディアは昔から念仏のようにデリバティブ批判を繰り返してきたが、最近あちこちで出没しているクレジット・デリバティブ悪玉論者には、この“62兆ドル”という数字は使い勝手がいいようだ。

新聞を読んでいると、いつの間にか、AIGを窮地に追いやったのはクレジット・デリバティブで、当局がAIGを救済したのも“62兆ドル”のクレジット・デリバティブ市場の崩壊が金融システムに波及することを恐れたからということになっている。クレジット・デリバティブは信用リスクを取引する道具であり、道具が悪いというよりはこの道具を使って取得した信用リスクの中身に問題があるような気もするし、AIGの救済には(AIG債に投資する)MMFや保険契約者といった個人を守るという目的が大きかったように思う。

このテーマではちょっとした論文が書けそうだが、ここでは簡単に数字のトリック(?)について触れておこう(単純化のためにリスクの集中という観点は無視します)。

<架空の例-その1:CDSは道具にすぎない>
A銀行もB銀行もCDSによって信用リスクを取引している。その取引元本は2社とも1000億円に達する。メディアはクレジット・デリバティブの取引量の大きさから経営不安を報じるが、ふたを開けるとA銀行の1000億円はすべてトヨタ自動車の信用リスクの取得であり、B銀行の1000億円はすべてGMの信用リスクの取得であった。どちらもCDSの残高は巨額であるが、そのリスク量は天と地ほどの差があった。

<架空の例-その2:CDSはゼロサムの世界>
A銀行もB銀行もCDSによって信用リスクを取引している。その取引元本は2社とも1000億円に達する。メディアはクレジット・デリバティブの取引量の大きさから経営不安を報じるが、ふたを開けるとA銀行の1000億円はすべてGMのプロテクションの売り(信用リスクをとる側)で、B銀行の1000億円はすべてGMのプロテクションの買い(信用リスクをヘッジする側)であり、この結果A銀行は大幅な赤字決算となったが、B銀行は逆に大幅な黒字決算となった。

<架空の例-その3:ネットとグロス>
A銀行もB銀行も信用リスクの取引を積極的に行なっている。A銀行は社債投資が中心で、B銀行はCDSによる取引が多い。A銀行の社債保有残高は1000億円であり、B銀行のCDS取引残高も1000億円であった。メディアはクレジット・デリバティブの取引量の大きいB銀行の経営不安を報じるが、ふたを開けるとA銀行の保有する社債1000億円はすべてGMの社債であり、B銀行は500億円がGMのプロテクション買い、500億円がGMのプロテクション売りで、グロスの元本は1000億円だが、ネットではリスクはゼロであった。

62兆ドルという数字はグロスの数字であり、“近年市場における取引が増加している”ということを示しているが、それ自体にはあまり意味がない。売りと買いが両建てとなってリスクが相殺されているポジションを専門的に解約しているTriOptimaというベンダーは、今年の1月から8月までに約22兆ドルのインデックス取引(iTraxxやCDX)などの解約を行なったとしている。BISが発表する統計でも、グロスの元本と並べて時価評価額(イメージ的にはその時点で解約を行なった場合に発生する損益)を発表しているが、2007年12月の数字では、グロスの元本が約58兆ドルであるのに対して時価評価額は約2兆ドルとなっている。CDS市場について取り上げてもらうのは大歓迎だが、数字の裏側にしっかり目を向けて欲しいものだ。

2008.09.21 | Comments(8) | Trackback(0) | CDS

忘れた頃にモノライン

金曜日は米当局による矢継ぎ早の金融危機対策の発表が行われ、株価は上昇・クレジットスプレッドは大幅縮小となった。発表された施策の実効性や効果の持続性はこれから評価が固まってくるのだろうが、とりあえずは”売り疲れ”の反動といった感じだろうか。そんな中で、金融危機の回避に逆行するような動きも見られた。

木曜日にMoody’sはサブプライムやジャンボローンの損失率の見通しを上方修正すると発表、2006年vintageのサブプライム住宅ローンの予想損失率については従来の14~18%から22%へ上げた。この見直しに基づいて、AmbacとMBIA2社を格下げ方向で見直しとし、場合によっては複数ノッチの格下げを行なうと表明した。

Ambac Assurance は現在Aa3、MBIA Insuranceは現在A2ということで、複数ノッチの格下げによってそれぞれをシングルA、トリプルBゾーンとなる。公表されているように、格下げによってGICビジネスにおける追加担保/早期償還の要請が発生することになる。また、現在最終的な承認を取得する方向で進んでいるFGICからMBIAへの1840億ドルの地方債ポートフォリオの再保険についても、実行時においてMBIAの格付けが現在のA2を維持することが条件となっており、MBIAが格下げされるとFGICの軟着陸プランも瓦解する。

AmbacとMBIAの2社はともにプレスリリースを発表して遺憾の意を示し、Moody’sのストレスシナリオが厳しすぎると指摘している。22%の損失率の見通しはすでに“ストレスシナリオ”であり、これを“メインシナリオ”としてここからさらに“ストレス”をかけるのは納得できないということだ。Ambacの発表によると、2ノッチの格下げによってGICビジネスで27億ドルの追加担保・早期償還手当てが必要となり(Lehmanの破綻による12億ドルの影響を含む)、現在の資産の価格が変化しないとすると19億ドルの不足が生じることになる。不足分は資産の売却と、Ambac Assuranceからの子会社間の資本移転などによって対応するとしているが、この結果、Ambac Assuaranceから8.5億ドルを子会社のConnie Leeに移転して地方債保証ビジネスを再開する計画が延期されることになった。Ambacにとっては頭の痛いところであろう。

Moody’sのパラメーターの設定が妥当かどうかは事後的しかわからないが、今になってやたらと厳格になるくらいなら昔から厳しくしていればいいのにと誰もが思うだろう。とりあえずは、昨日発表された政府の一連の施策の行方を見守ってからの格付けアクションでもいいような気もするが、昨年来「格付けの変更が遅すぎた」と批判を受けたことを根に持っている(?)のだろうか。

2008.09.20 | Comments(0) | Trackback(0) | モノライン

メディアが報じるCDS

「今日の記事も笑ったね」と友人とうなずきあうことがここ最近増えてきた。それにしても今日の経済専門紙の記事はひどかった。取材してわからないことを無理して書かない一般紙とは違い、わからないことを知ったかぶり、勝手なストーリーを作るのはどうにかならないものか。多少細かいところも含めていくつかあげてみると、


『AIGはクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)と呼ばれる金融商品を投資家に販売していた』

---逆である。AIGの取引相手はUBSやCitigroupなどの投資銀行で、むしろAIG自身が投資家として信用リスクを引き受けていた。どこから”販売”ということばがでてくるのだろう?もしかして「プロテクションの売り手 - Protection Seller-プロテクションを販売」という連想だろうか?


『CDSとは信用リスクをとることと債務の不履行を交換する取引』

---どう読んでも日本語になっているとは思えない。


『AIGで問題になったのは格付けの低い債券を組み合わせたCDOなどの証券化商品の元利保証を投資家に対して約束したCDSだ』

---別のところで「CDSの保証残高は6月末時点で4000億ドルを超えていた」とあるので、これはAIGFPにおけるSuper Senior CDSのことを指していると思われる。AIGFPの公開資料によると、企業のリスクを裏付けにした案件が約2250億ドル、住宅ローンそのものを裏付けにした案件(再証券化でないRMBS)が約1320億ドル、高格付けのABSを裏付けにしたCDO(High Grade ABS CDO)が約640億ドル、比較的低格付けのABSを裏付けにしたCDO (Mezzanine ABS CDO)が170億ドルということで、「格付けの低い債券を組み合わせた」CDOはごく一部に限られる。「質の悪い案件を大量に保証して深みにはまった」との先入観から、このような記事になったのだろうか。


『AIGはどのくらいCDSに肩入れしていたのか』

---「肩入れ」ってどういう意味??客観的に「どのくらいの残高を保有していたのか」ではだめ?


『AIGが投資家から保証金の支払いをもとめられるケースが相次いだとみられる』

---AIGFPの公開資料によると、企業のリスクを裏付けにしたCDOと住宅ローンそのものを裏付けにしたCDOの合計約3570億ドルのうち、現在までのポートフォリオの損失率は0.01%~0.26%であるのに対して、劣後比率は13.41%~23.2%ということで、”保証金の支払い”を求められる状況にない。合計約810億ドルのABS CDOはポートフォリオの損失率は1.06%から6.63%であるのに対して劣後比率は15.67%~39.35%。こちらは一部の案件で”保証金の支払い”があったと思われる。「支払いをもとめられるケースが相次いだとみられる」は想像して書いたとしか思えない。

なんだかあげ足取りみたいで後味が悪いが、もう少し取材なりリサーチなりに時間を使って、客観的な記事を書いて欲しいものだ。上の内容は、すべて公開情報か専門家に聞けばわかる内容ばかりである。

2008.09.18 | Comments(0) | Trackback(0) | CDS

眠れない夜

AIGの破綻はとりあえず回避された。住宅ローン市場の急速な悪化でスプレッドの拡大が際立っていたHBOSも、Lloydsによる買収話が進んでいるようで、やや落ち着きを見せているようだ。2013年償還の社債はZ+670近くまで拡大していたが、買収のニュースで瞬く間にZ+470あたりへタイトニングしたようだ。だが、Liborは急速に上昇し、現在もiTraxx Xoverインデックスは5bps、10bps単位で激しく動いている。Bloombergによれば、当初タイトニングしていたMorgan Stanleyの5年CDSは800bpsを超え、Goldmanの5年CDSも500bpsを超えた。USソブリンのCDSは5年で20bps、10年で30bpsに到達したそうだ。まだまだ先は長そうな予感は至るところに漂っている。

今日の新聞の夕刊の見出しは「AIG米政府の管理下に」。実質的な意味合いは間違いではないと思うが、これだとCDSのCredit Eventやマスター契約のEvent of Defaultに該当するのではないかとの不安が台頭するだろう。昨日はAIGをConservatorshipに置く案が議論されているとの報道があり、GSEの時と同様にCredit Event (GSEは該当)/ Event of Default (GSEは回避)との関連が不安視されたが、とりあえず今日発表された内容からすると、Bankruptcyの定義に直結する内容ではなさそうに見える。もちろん、実際の融資枠設定や株式取得の契約内容を確認する必要はあるし、当局が株式の配当に対する拒否権を持つということで、実質的な公的管理に近いと判断する向きもないとはいえず、まだ予断は許せない。

実際問題、AIGを参照するCDSにクレジットイベントが認定されると、CDOの格下げラッシュなどの大混乱がおきる程度でおさまるような気もするが(甘い?)、AIGがカウンターパーティーであるOTCデリバティブがEvent of Defaultですべて早期終了となると、SuperSeniorのプロテクションを買っている大手金融機関は軒並み大幅な追加損失を計上することになり、さらにはあらゆるデリバティブについてカバー取引が殺到して市場が機能不全に陥ることも予想される(今Lehmanで似たようなことが起きているようです)。ここは、Dinallo氏の手腕に期待して、システミックリスクを回避してもらいたいところだ。

それにしても融資枠の期間が2年とは、期間が長くて安心していいものか、あるいはこれくらい期間をかけないとAIGの資産をまともな価格で売却することが困難だろうとの当局の見解と解釈すべきか、判断に迷うところだ。

追伸:ご丁寧なコメントをありがとうございました。少々お時間を頂いたうえでお返事差し上げます。

<追記> 午前1時50分現在、GS株100ドル割れ(133→98.5)、Morgan Stanley株20ドル割れ(28.7→19.25)、Morgan Stanley 5年CDSはアップフロント14%(+ running 5%)!投資銀行バブルの終焉ですな、、、。3ヶ月ものTbillの利回りは0.03%まで低下、、、。

2008.09.17 | Comments(0) | Trackback(0) | 市場雑感

今日学んだこと

毎日新しい発見が多い、、、。

<AIG>
Merrill LynchやUBSなどの大手金融機関はABS CDOのSuper Seniorをブックに保有し、それに対してモノライン保険会社からプロテクションを買って信用リスクをヘッジしている。モノライン保険会社の格下げや経営危機によってプロテクションの価値が下がり、これに対応して各社第1-2四半期に損失引当てを積んでいる。ここまでは繰返し語られる話だが、大手金融機関はモノライン保険会社に加えてAIGからもプロテクションを買い、しかもその金額が小さくなく、一説ではモノライン保険会社全体を足したものと大差はないらしい。

7月29日のエントリーでも書いたが、Lone StarにABS CDOを大量に売却した後のMerrillのABS CDOのポジションは、longが88億ドルshort(=プロテクションの買い)が72億ドルで、ショートの72億のうち60億ドルがモノライン以外の保険会社、すなわちAIGである可能性が考えられる。とすると、仮にAIGが9月を乗り切ったとしても、シングルA格のままであれば、ましてやトリプルB格(以下)に格下げされれば、Merrillなどの第3四半期決算に小さくない穴があくことになる。今日発表するGoldmanやMorgan Stanleyは第3四半期のタイミングがずれていて幸運だった?

<GSEを参照するCDSのクレジットイベント>
ISDAは先週金曜日にGSEを参照するCDSにおいて引渡し可能と思われる債務のリストを作成・公表すると表明した。これに関連して今日も声明を出し、弁護士事務所と相談した結果、GSE2社が発行体であるPrincipal Only (PO)債についてはdeliverabilityに疑義があり、前述のリストには含めない方向であるとした。リストは近い将来に公表されると思われるが、果たしてどのような内容となっているのだろうか。

GSEの回収率を決める入札は10月頭に行なわれることになっていたが、Lehmanの件もあって場合によっては少し遅れが生じる可能性もありそうだ。入札の常連であったLehmanはもういない。LehmanがカウンターパーティーであるGSEを参照したCDSは入札の対象とはならず、マスター契約のEvent of Defaultによって個別に時価で清算されることになるだろう。Lehmanの破綻によって入札の対象になる取引が減り、事務負担が少しだけ減った?(そういう問題ではないか)

<Lehman Brothers>
サムライはデフォルトする見込みとなり、昨今のサムライ債ブームが減速するのだろうか。LehmanがカウンターパーティーであるOTCデリバティブについては、"Non Defaulting Party"である当事者が当該ISDAマスター契約におけるEvent of Defaultが発生したこと、およびOutstanding Transactionsに関するEarly Termination Dateを"Defaulting Party"に通知し(Automatic Early Terminationが適用されていれば通知なしに自動的に解約)、Market QuotationやLoss、Close-out Amountなどマスター契約で定められた方法で全取引の時価が確定されることになる。

1992年版以前のISDAマスター契約ではMarket Quotation or Loss、2002年版マスター契約ではClose-out Amountが基準となる方法であるが、これから主要ディーラーのところにLehmanとの取引の評価を求める問合せが殺到することになるのだろうか。生き残った金融機関でもリストラによってただでさえ人手不足の中で、ディーラーなどが評価作業に忙殺されると、市場はいったん停滞し、ボラティリティが低下して落ち着きを取り戻すきっかけになるだろうか?(相当無理があるロジック、、、。)

2008.09.16 | Comments(1) | Trackback(0) | 市場雑感

Sometimes it snows in September

朝目が覚めたら窓の外は大雪だった。というくらい驚いた。Bank of Americaが合併を交渉しているのはMerrill Lynchで、Lehman Brothersは連邦破産法申請間近とのこと 。初めて見たが、ISDAはLehmanのカウンターパーティーがOTCデリバティブのポジションをヘッジするために、14日(日)のNY時間午後2時から4時までSpecial Trading Sessionを設けると発表。この間に取引されたものは、14日NY時間午後11時59分までにLehmanの破産法申請が行なわれないと、取引が無効になるという(Conditional Transactions Protocol Agreement)。

後戻りできないような感じであるが、昨日のエントリーで書いたようなことなどがこれから待ち受けているのだろうか、、。サムライのデフォルト?LehmanがスワップカウンターパーティーであるSPC発行のシンセCDOやFTDなどは現在の時価で解約?コリレーション市場の激変?パニックは起こしたくないが、相当程度の乱気流に巻き込まれた感は否めず、抜け出すのには時間がかかりそうだ。

Lehmanも取引当事者としてGSE2社のCDSを数多く取引しているはずだが、参照組織にクレジットイベントが発生してイベント決済を行なう前にカウンターパーティーが破綻するという事態になれば、少しややこしいことになる。少なくとも、Lehmanはクレジットイベント決済Protocolには参加できない(はず)なので、宙に浮く取引がでてくるのだろう。これらを当事者ごとに売り買いネッティングしてまとめることができれば最小限の事務労力で済むかもしれないのだが、、、。

まだ現時点で、破産法申請が決まったわけではないが、さまざまなシナリオを予行演習しておきたくなる気分だ。

2008.09.15 | Comments(0) | Trackback(0) | 市場雑感

七冠制覇に再チャレンジ

9月12日(金)に行なわれた竜王戦挑戦者決定3番勝負第3局は相穴熊の大熱戦となり、序盤・中盤の作戦負け(に見えた)をものともせずに180手で羽生善治四冠が木村一基八段を破って、渡辺明竜王への挑戦権を獲得した。7番勝負は10月18日・19日にフランス・パリで始まり、第7局までもつれると12月中旬に決着がつくことになる。

まだ誰も獲得したことのない『永世竜王』の肩書きは、「通算7期獲得」もしくは「連続5期獲得」が条件だが、現在羽生四冠は「通算6期獲得」、渡辺竜王は「連続4期獲得」ということで、今回の7番勝負の勝者が機械的に初代の『永世竜王』となる。先日の名人獲得で『永世名人』となった羽生にとっては、『永世竜王』を獲得すると『永世七冠』という偉業の達成となる。棋界の最強者である羽生を挑戦者に迎える渡辺竜王も、4年前に森内俊之から竜王を奪取した後、木村一基と佐藤康光(2回)の挑戦をはねのけ、竜王戦では無敵を誇る。否が応でも盛り上がる7番勝負となった(こちらの方の文章が秀逸です)。

羽生四冠の2008年は王座・王将の二冠で始まった。年明けに王将を防衛したものの、棋王戦の挑戦に失敗し、4月の名人戦は二冠のまま始まったが、ここから棋聖戦・王位戦・竜王戦の挑戦権を次々に獲得、名人と棋聖を奪取して、現在王位戦は3勝3敗のフルセットという状況である。王位戦最終局を勝ち、現在行なわれている王座戦で後2勝し、竜王を獲得すると、2008年は六冠で終了し、年明けの棋王戦の挑戦権を獲得すれば、来年2月3月の棋王戦は七冠への再チャレンジとなる。

ここまでの道のりは決して平坦ではなかった。「この一局に負けると七冠への道が閉ざされる」という対局も以下のように数多くあったが、対局過多で苦しむ中でことごとく勝ち取ってきた。

 ・棋聖戦第3局・第4局・第5局(1・2局に負けていきなりのカド番を3連勝で克服)
 ・王位戦 第5局・第6局(第4局で1勝3敗のカド番となり、その後の2局をブレーク)
 ・竜王戦トーナメントの6局、挑戦者決定3番勝負の第3局

特に竜王戦では予選の1回戦で敗退し、敗者復活の出場者決定戦で劣勢の将棋を数多く逆転して勝ち抜いてきた。対戦相手はすべてトップクラス、勝率は7割という中で、これだけ負けられない勝負をことごとく勝つのは並大抵ではない。むしろ、“1つ負けても大丈夫”という対局では、勝負にとことんこだわるよりも次につながるような実験を行なっているのではないかとすら思えてくる。

王位戦は次負けると終わりであり、竜王戦はここだけに集中できる渡辺竜王が相手であり、王座戦の木村挑戦者も最近の将棋の内容は良く、年明けの棋王戦も次の久保九段・阿久津六段戦に負けるとそこで挑戦者への道は閉ざされる。まだまだ厳しい道のりだが、少しずつ夢が膨らんできているのが感じられる。

2008.09.15 | Comments(0) | Trackback(0) | 将棋

週末のニュースなど

先週はGSEに始まってLehmanで終わった。単なる偶然と言うかめぐり合わせというか、思えば7月にGSEの経営危機が再燃したのも、Lehmanのアナリストのレポートがきかっけであった。PDCFの存在もあって資金繰り破綻の可能性は低いのだろうが、ここまで株も売り込まれて信用を失えば、現状のままでは各市場から締出しをくらうことは避けがたい。この土日は官民のトップが集まって会合が行なわれているようだが、来週のマーケットは今日にも発表される(はずの)Lehmanの再建プランがすべてといっても過言ではないだろう。

仮に、LehmanがChapter11などの法的な破綻の道を選んだ場合に何が起きるか。身近な日本市場の目線を中心に考えてみると、まずは2000億円近い残高のサムライ債や、Lehmanを発行体とするMTN(為替・金利・株仕組み債等を含む)がデフォルトなどの影響を受ける。また、LehmanがアレンジするシンセティックCDOやFirst to Default、リパッケージ債などのSPC債は、スワップカウンターパーティーであるLehmanの破綻によって現在の時価近辺で早期償還となって、投資家にとっては含み損が実現損となる。

影響は最終投資家に損失が発生することにとどまらない。LehmanがOTCデリバティブにおいてEvent of Defaultになると、金利スワップなどのデリバティブ取引が早期で終了となり、CSAなどの担保契約によって取引相手の損失は限定的となるにしても、解約となってしまったポジションをカバーする動きによって、市場のボラティリティが急激に高まる可能性は否定できない。

Lehmanは法的な破綻の道も模索しているとの報道があったが、実際には上述のようなシステミックリスクを回避するための策が議論されているのだろう。やはり、売れる資産は売ってしまい、CMBSなどの不良債権は可能な限り切り離した上で、どこかの大手金融機関が買収するといったシナリオが有力なのだろうか。

Lehman以外では、AIGとWashington Mutualがマーケットの標的となっていたが、一方で欧州ではDeutsche BankによるPostbankの株式取得という前向きな(?)ニュースもあった。金融危機や景気後退は北米から欧州へ移行しているとの見方も聞かれるが、金曜日の動きだけ見ている限りでは、まだまだ北米の金融危機はホットである。AIGは株価が17.5→12.14と大幅に下落し、CDSも700bpsくらいからアップフロント12.5%にまでワイドニングし、9月25日に発表するとしていた再建策を前倒しで発表する可能性も出てきたようだ。NY州保険局にとっては、モノライン保険会社からマルチライン保険会社にまで問題が広がると、頭の痛いところであろう。Washington MutualはJPモルガンによる買収が実現して一息つけるだろうか?

相対的に地味なニュースであったが、SIVのSigma FinanceがS&PによってAA-/A-1+からA/A-1へと格下げされた。Sigmaのシニア債はCDOの“安全資産”として使われることも多いが、ファンディングの命綱であるレポ取引の継続にも限界が見え隠れして、徐々にプレッシャーが大きくなってきたようだ。

最後に、ISDAがGSEのクレジットイベント決済プロトコルについてプレスリリースを行なっている。これによると、9月15日の週に、プロトコルのドラフトと引渡可能債務のリストが発表されるようだ。GSE2社の引渡可能債務は非常に数が多く、Cheapestを探す動きなどが活発となっているが、引渡可能債務の選定をめぐる潜在的な混乱を回避するために、モノラインの時のようなリストを作成するようだ。GSEのクレジットイベントについては、9月11日のエントリーにもかかわらず(??)、相変わらず首をかしげるようなメディア等の報道が散見されるが、今週来週見えてくると思われる道筋に注目したい。

2008.09.14 | Comments(0) | Trackback(0) | 市場雑感

メディアが報じるGSEのクレジットイベント

Fannie MaeとFreddie MacをFHFAの公的管理下に置くとの措置によって、CDSにおけるBankruptcy Credit Eventが認定される可能性があることを、ワンテンポ遅れて日本のメディア等も報道するようになった。新聞報道に多くの誤解や先入観が混じっていることは今に始まったことではなく、いちいち間違いを指摘していたら切りがないが、いくつか目に付いた誤解をあげてみる。実務家にとっても複雑な世界ではあるので、慣れていない記者などが一度間違えるのはしょうがない気もするが、少しずつでもクオリティが向上して欲しいものだ。

『ISDAはGSEを参照するCDSにクレジットイベントが発生したと決定した』

― クレジットイベントの発生を決められるのは取引当事者であって、当然ながら業界団体のISDAにそのような権利も責務もない。取りまとめ役としてISDAは主要な参加者にヒアリングを行ない、クレジットイベントが発生したと考える参加者が多かったことから、クレジットイベント決済をスムーズに行なう手続き(=クレジットイベント決済プロトコル)の準備を進めている、というのが正確な表現だろう。プロトコルが準備されたとしても、プロトコルに参加するしない、イベントを通知するしないは完全に取引当事者の任意であり、ISDAはクレジットイベントの認定機関ではない。


『ISDAはGSEを対象とするクレジット・デリバティブを前倒しで清算する手続きに着手すると発表した』

― これはクレジットイベント決済を行なうことを表現していると思われるが、“前倒しで清算”という表現はイメージ的にはわからないでもないが、正しい表現ではない。CDSはクレジットイベントが発生しない限り(プレミアムの支払い以外の)決済は行なわれず、決して決済を前倒しにしているわけではない。


『GSEを参照するCDSは100兆円単位にものぼり、これを決済すると数兆円単位の損失が発生する』

― CDSは相対の取引であるために、GSE2社を参照するCDSの残高を推計するのは難しい。2007年末の統計で、CDS市場全体の残高は62兆ドル程度とされる。このうち約半分がインデックスで、残りがシングルネーム取引とされる。今年に入っても取引量は増加しているが、一方でTriOptima社は今年に入って8月までに市場に存在する22兆ドル(!)のインデックス取引を相殺・解約したとしている。インデックス取引のうちGSE2社が含まれるのは北米のCDX IGだけで、このインデックスに占める構成比率も125分の2であることを考えると、インデックスの構成銘柄としてのGSE2社の残高は決して大きなものはない。シングルネームでの取引の残高を推計するのはより難しいが、合計で1兆ドルという数字を鵜呑みにするのは抵抗がある。また、こちらの方がより重要なポイントであるが、ここで議論している数字はグロスの数字であり、予想損失額を計算する際にはプロテクションの売り買いをネットした数字を使うべきである。簡単に言えば、今日1億ドルプロテクションを買って、明日1億ドル売れば、市場統計の数字は2億ドルの残高となるが、実際のリスク量はゼロということである。ISDAのプロトコルは、ネットでの決済をスムーズに行なう機能も持つ。さらには、CDSはいわばゼロサムの世界であり、誰かが損をすればどこかで同じだけ得をしている人がいるわけであり、もちろん個別では大きな損失を計上する参加者が出てくることもありうるが、システム全体での損得は理論上はゼロということになる。

潜在的なリスクについて警鐘を鳴らすことは非常に重要ではあるが、この書きぶりは大げさである印象が否めない。もちろん、極端に価格の低いCheapestなどがどこかに存在していたりしたら、話はややこしくなる。当面は、Cheapestの価格がどの程度のものなのか、Auctionではどの債券がDeliverable Obligationに選ばれる(あるいは選ばれない)のかが注目される。まだまだ注意は必要である。

2008.09.11 | Comments(1) | Trackback(0) | CDS

歴史は繰り返すか?

Bloomberg newsによると、先ほどUSソブリンを参照するCDSが過去最高を更新し、5年が17bps、10年が21.5bpsまでワイドニングしたようだ。記憶があいまいだが、USソブリンは4-5年前くらいから1bpsとか2bpsとかで時たま出合うくらいだったのだが、サブプライム危機の発生以降天下のリスクフリーの象徴たるアメリカ政府の信用力に対する市場の評価も徐々に低下し、CDSスプレッドもじりじりとワイドニングしてきた。GSEの救済がここ足元のワイドニングの背景にあることは自明であろう。USドルやUSトレジャリーの暴落を予言する声も、まだ現実離れしているとはいえ、最近では珍しくなくなってきたような気もする。このまま地銀の破綻が相次ぎ、仮にLehmanやWashington Mutualクラスの規模の金融機関に資本注入を行なうような事態になると、そうしたシナリオも全く非現実的とも思えなくなる。

日本ソブリンがアメリカの格付会社であるMoody'sからAaaを失ったタイミングを振り返ってみると、1998年11月ということで、長銀が国有化された約1ヶ月後であった。ナンセンスな話ではあるが、歴史が繰り返されるとすると、GSEの公的管理によって近い将来USソブリンもAAAを失うのだろうか。ソブリン格付けは非常に主観的なものであると考えるのだが、日本の格付会社のR&Iが一貫して日本ソブリンをAAAに格付けしているように、アメリカの格付会社のMoody'sとS&PもUSソブリンをAaa/AAAに維持するのかもしれない。実際、GSEの公的管理発表後に、2社ともUSソブリンの格付けをaffirmしている。これで、R&IやFitchなどの非米系の格付会社がUSソブリンを格下げすれば、10年前とある意味そっくりなことになる。

当時は、「日本がAAAを失ったら大変なことになる」といった論調もあったと記憶するが、実際格下げされて、しかもMoody'sはシングルAまで格下げしたにもかかわらず、「大変なこと」は特には起きずに、その後は紆余曲折はありながらも徐々に回復に向かった。「アメリカがAAAを失ったらこの世の終わりだ」的な論調も当然数多く見られるが、いっそのこと格下げされたほうが意外にリカバリーは早かったりするのかもしれない(全く根拠はありません)。

2008.09.09 | Comments(1) | Trackback(0) | 市場雑感

AAA銘柄のクレジットイベント

おそらく空前絶後と思われるが、(直前・直後の)格付けがAAA、(直前の)CDSスプレッドが38bps程度の企業にCDSのクレジットイベントが発生する展開になったようだ。

日曜日に米当局はFannie MaeとFreddie MacをFHFAのもとでconservatoryship(公的管理下)におくと宣言、当局が株式を購入すると同時に経営権も掌握することとなった。7月17日のエントリーでも書いたが、単に国が株を買うだけならおそらく問題ないが、経営権を掌握する形をとると、CDSのBankruptcyイベントに抵触するおそれがある(seeks or become subject to the appointment of an administrator, provisional liquidator, convervator….)。用語定義上はBankruptcyと判断するのが妥当と考えられるが、長銀の国有化の時と同様に、実質的に債務の履行能力は国のサポートによって高まることから、市場の混乱を避けるためにも、クレジットイベントを認定させないという市場参加者等の判断もあるかと思われた。

この日のISDAの発表によると、主要なディーラー13行は一致して今回の救済措置はクレジットイベントに該当するとの見解を示し、それに基づいて現物決済を入札によって決まる価格に基づく現金決済に変更するProtocolが用意される運びとなった。Protocolへの参加はあくまでも任意であり、クレジットイベントを認定するしないも当事者の任意であることから、世の中のすべてのCDSがイベントとなるかは定かではないが、今の流れからするとCDXインデックスを中心に相当程度のCDSにおいてイベントが認定されることが予想される。

イベントが認定されると、現金決済においても現物決済においても、例えばFannie Maeのシニアを参照するCDSであればFannie Maeの債務(おそらくFannie Maeが保証するMBSも含む)のうち、プロテクションの買い手は引渡可能債務の条件を満たすものの中で最も価格が低いもの(cheapest)を決済に使おうする。今回の場合は、国のサポートが期待できることからシニア債はcheapestでも100%近辺、劣後債でもそこそこのリカバリーは期待できるのではないかと直感的には考えられる。長期の固定債は金利が原因で比較的大きくアンダーパーとなることはあるかもしれない。昨今の金利低下状況を見れば可能性は高くはなさそうだが。ゼロクーポン債も、たとえば現時点では3億ドルまで元本が逓増していて、償還時に10億ドルとなるものであれば、イベント決済時にはあくまでも3億ドルとしてしか扱われないことから、現物決済ではおそらく問題とはならず、Auctionでは必要があれば何らかの文言上の手当てが行なわれるのかもしれない。

極端な結果になりうるのは、シンセティックCDOなどで使われることのある“固定回収率”という仕組みで、クレジットイベントが発生した場合の回収率/損失率を予め決めておくものであり、例えば取引当初に30%の回収率と決めておけば、実際のリカバリーにかかわらず70%の損失が発生することになる。また、First to Defaultのような仕組みでは、GSE以外の参照銘柄のスプレッド拡大で時価が大幅に低下している時に、GSEのイベントによって100%近辺で早期償還となるものもあるだろう。

一般的なCDSではクレジットイベント通知はプロテクションの買い手も売り手も双方が行なうことが可能であるが、シンセティックCDOやFTDのような商品においては多くの場合はクレジットイベントを通知・宣言できるのは仕組みを組成したアレンジャー側のみであることから、案件によってはクレジットイベントが認定されないか、されるにしてもタイミングが世間一般とずれてくる可能性は残る。

クレジットイベント決済にともなう事務負担は少なくなく、案件によってはやや違和感が残るような結果となるケースもあるだろうが、おそらく金融システムが大混乱を起こすようなことにはならないのだろう。「Fannie MaeにBankruptcyが認定された」というヘッドラインは、当局にとっては決して面白いものではないと思われるが、、。

むしろ懸念すべきは、GSE2社がカウンターパーティーであるスワップ契約(金利・通貨スワップ・スワップション)において、これを支配するマスター契約上でEvent of Defaultに該当して、既存のスワップ契約がすべて時価で清算され、ディーラーによるポジションのカバーでマーケットが混乱するといったシナリオであったが、これについても、7月にGSE法案が成立した際に、GSEがconservatorshipとなっただけではマスター契約におけるEvent of Defaultを宣言することはできないとの条項が作られたようで、これによってGSE2社が取り組むスワップ契約が早期終了となることはないようだ。なんとも用意周到である。

とりあえず、GSEイベント決済Protocolが受け入れられて、これに則って粛々とイベント決済が行なわれるのかを見守りたい。

2008.09.08 | Comments(0) | Trackback(0) | CDS

着々と?

現時点(日曜日東京時間午後9時30分)では正式発表になっていないが、月曜のアジア時間が始まる前にPaulsonがFreddie MacとFannie Maeへの資本注入して政府の管理下に置くことを発表するらしい。メディアの報道だと、シニア債と劣後債は実質政府保証、優先株は少なくとも現状維持(現状も相当ひどいが)、普通株は新株発行による希薄化だけで済むかどうか、ということらしい。

いずれ避けられないことではあったのだろうが、なぜこのタイミングとなったのだろうか。15日の週にはLehmanを含む大手投資銀行の決算発表があり、四半期末でファンディングの懸念も根強く、ましてや失業率が6.1%まで急上昇し、何か市場に"good news"を与えてガス抜きしないと、パニック的な動きにつながりかねないという判断だったのだろうか。それとも単に、advisorのMorgan Stanleyの提案がこのタイミングで行なわれたということだろうか。

資本注入はまだしも、政府の管理下(Conservattorshipy)に置くことで、表面的にはCDSのBankruptcyに該当する可能性すらあるが、おそらくDebtの返済の確実性は高まったことと、当局がにらみをきかせることで、議論はされてもイベントがトリガーされる展開にはならないのだろう。綱渡り的な政策運営だが、少なくとも一部の市場の声に応える政策ではあり、果たして吉と出て相場が反転するだろうか。

小さなニュースではあるが、金曜日にはAmbacがGICビジネスを行なう子会社の流動性を改善するために、Ambac Assuranceが10億ドルを上限とする子会社間の資産買取りやレポ取引を行なうことに対して当局の認可を得たと発表している。格付けがさらに低下することによってGICの早期償還や担保化の要請が発生することに対応したものであり、着々と危機を回避する手立てを講じているとも読み取れるが、一方で、モノライン子会社のAmbac Assuranceは、ここのところ地方債保証を行なうConnie Leeに資本を回すなど、グループ内の子会社に貴重な資本を提供し、自身の余力を小さくしていることがやや気にかかる。所詮は外から出資するのではなく、グループ内で付回しているだけのように見える。

どちらも、最善の策かどうかはさておき、大きな危機を回避するために着々と手を打っているわけだが、市場の評価を勝ち取ることができるだろうか。

2008.09.07 | Comments(0) | Trackback(0) | 市場雑感

Dinallo氏の戦略(その3)

8月27日に合意が発表されたFGICとMBIAの北米パブリックファイナンスポートフォリオの再保険について、予定通り9月2日にその提案の内容などがパブリックコメントに付された。FGICのホームページでは、FGICからNY州保険局へ宛てられた再保険取引の承認を求めるレターやポートフォリオの詳細などが開示されている。

NY州保険局宛のレターやGoldmanがFGICに宛てたレターからはこれまでの経緯が詳しく読み取れる。2008年を通じて、NY州保険局はFGICに何らかの戦略的な手段によって資本を増強しない限り当局の管轄化(receivership)の外で存続することは不可能であると通告を行っているが、サブプライムショックが発生して間もない2007年10月には早くも、FGICは財務状況を改善するための戦略を求めてGoldmanをアドバイザーに任命している。

FGICはGoldmanにFGICのポートフォリオに対して外部からのbidを集めるように指示し、これを受けてGoldmanは2008年4月に57社の投資家にコンタクトし、このうち32社が守秘義務契約を結んでdue diligenceを行なう。最初の入札は4月末に行なわれ、ここでは11社が資本注入や再保険の提案などの様々な形態のbidを提示する。ここから7社に絞って、5月には2度目の入札が行なわれさらに4社にまで絞り込まれる。7月には1社に絞り込まれて独占交渉状態となるが、7月末にはもう1社の提案が加わり、8月半ばにはこの2社で最終案の入札が行なわれ、8月27日のMBIAの選定に至っている。ここでも、後からMBIAよりいい条件の提示が行なわれれば、MBIAに$10millionの違約金を支払って契約を解除することを可能とする条項が盛り込まれている。

FGICはLazardにMBIAの再保険の提案についての精査を依頼している。また、FGICはBridge Associatesを雇って、6月末時点でFGICが債務超過(insolvent)でないかどうか、また今回の再保険契約が実現した場合に9月末時点で債務超過とならないかどうかを調べさせている。この結果、FGICはいずれの時点においても債務超過状態ではないことが“判明”するのだが、自分が破綻していないかをフィーを支払って外部の専門家に認定してもらうのもなかなか滑稽な話だ。

結論として、債務超過でないFGICは保険の受益者を中心とするすべての利害関係者にとって利益のある取引を、厳正な入札の過程を経て決められた方法と価格で行なう、という構成となっている。当局がコーディネートしたものであるから、問題なく承認されるのだろう。だが、これで問題が解決するというよりは、まだまだ“初めの一歩”に近い。当局もモノライン保険会社も、ゆっくり眠れる日が来るのはまだ先のことのようだ。

2008.09.05 | Comments(0) | Trackback(0) | モノライン

竜王戦の挑戦者は?

先ほど終了した将棋竜王戦挑戦者決定戦三番勝負の第2局は、木村一基八段が羽生善治四冠との終盤のギリギリのつばぜりあいを制して勝ち、対戦成績を1-1のタイとした。肉を切らして骨を絶ついつもの華麗な羽生四冠の終盤かと思いきや、“千駄ヶ谷の受け師”木村八段の粘りはすざましく、羽生四冠の一手のミスをついてそのまま最後まで持っていってしまった。

これで、羽生四冠のスケジュールはますます過密になる。2-3でカド番となっている王位戦、木村八段を挑戦者に迎える王座戦5番勝負、そして竜王戦挑戦者決定戦三番勝負の第3局と、重要な対局(王位戦と竜王戦は一つも落せない)が短い期間に集中している。しかも、今日の勝負は羽生四冠に終盤で読み勝ちした木村八段にとっては大きな自信となり、王座戦でも手ごわい相手となるだろう。すべてがうまく運べば再び七冠王も夢ではなくなるが、道は果てしなく険しいようにも思われる。

それにしても、最終盤で打ったばかりの歩を成り捨てて時間を稼ぐ羽生四冠の姿には驚かされた。もちろんルール違反でもマナー違反でもなんでもなく、他の棋士も日常的に行なっている“戦術”だが、日頃スマートな終盤を見慣れているせいか、なりふり構わぬ姿には感動さえ覚えた。

2008.09.04 | Comments(0) | Trackback(0) | 将棋

Dinallo氏の戦略(その2)

XLとFGICに続いて、昨日はCIFGがDinallo氏の仲介によるcommutationを発表した。他社に比べて開示のレベルが低いが、プレスリリースに沿って内容を確認してみる。

CIFGの保証するABS CDO及び一部のCRE CDO(Commercial Real Estate CDO)について、そのカウンターパーティーとラップつき債券の保有者の(元本ベースで)75%以上と合意が結ばれ、これが実現すると120億ドル相当のABS CDOとCRE CDOを現金の支払いと株式の受渡しと引き換えに解約されることになる。現金&株の額が開示されていないが、CIFGは投資適格級に復帰するのに必要なキャピタルを確保できるとしている。

これとは別に、保証するPublic FinanceのポートフォリオについてAA格の保険会社(MBIAかAmbacだろう)に再保険に出し、地方債等の投資家にとっての追加的な信用補完を提供することも合意の一部となっている。実現には当局の承認などいくつかの条件があるようだが、モノラインの保険受益者を保護することを最大の目的とするDinallo氏の意向がここに強く反映されているようだ。

XL、FGIC、CIFGの一連の”救済策”が実現すれば、格付けが改善することはなくとも、少なくとも短期的・中期的には「モノラインの実質破綻」→「CDSのCredit Event / デリバティブのEvent of Default」→「市場の混乱」といったシナリオは回避され、また、地方債の投資家も一定の信用補完を享受することができる。ただし、住宅ローン市場が底打ちするまでに十分な時間が稼げるかどうかは何ともいえないところだ。

この日は、Ambacもプレスリリースを発表し、①子会社のConnie Leeに8.5億ドルの資本をAmbac Assuranceから注入して再起動することについて当局の認可を得たことと、②7月の一部財務情報の開示を行なった。①については既定路線であり、「新規ビジネスの停滞」を格下げ理由とした格付会社への対応と考えられるが、8.5億ドルの資本を失うAmbac Assuranceの方は大丈夫なのかという気もする。

②については、過去のエントリーで何度か触れたが、SFAS157による負債の時価評価の影響により、Ambacを参照する5年CDSが2100bpsまで広がった6月末には大きくプラスとなったものが、7月末には1147bpsまでタイトニングしたことによって21億ドルのマイナスとなり、ABS CDOの評価減と合わせてCDSの評価が24.65億ドル悪化している。ここ最近はモノラインのCDSスプレッドは比較的落ち着いているので、このままいけば第3四半期末にはSFAS157によるブレは限定的となるだろうが、今月は米投資銀行決算やGSEの資金繰りなどの潜在的な問題も多く、再びボラティリティが大きくなっても不思議はないだろう。

2008.09.03 | Comments(0) | Trackback(0) | モノライン

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