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何をどう規制すべきか?

 9月23日のエントリーで書いたように、NY州の保険局は「原資産と紐付きとなっているCDS」を「保険商品」として2009年1月から規制すると宣言した。この規制によって、プロテクションの売り手には資本規制がかかり、最悪の場合は1件1件の取引を行なう都度当局に「この価格で取引しようと思いますがいかがでしょうか?」とお伺いをたてることまで要求されかねなかった。9月23日のエントリーで書いたような実務的な問題も含めて業界では議論が進められていたが、木曜日になってNY州保険局はこの決定を無期限延期すると発表した。

 声明の中でNY州保険局は、9月の彼らの規制宣言によってFRBやSECを巻き込んだ議論が加速して、各規制当局横断的な規制の枠組みをつくる道筋ができたと自画自賛しているが、実際には実現不能なプランで業界を混乱させたとの評価も避けられないだろう。彼らの発言を見ていると、「CDSは元々リスク減らすために作られたが、今ではリスクを増やすために使われる」とか「プロテクションの売り手には資本規制をかけて担保も拠出させるべきだ」など、保険の立場でしかものごとが見られないことが露呈されている。言うまでもなく、CDSでリスクを減らすにはリスクを増やしたいと考える相手が存在することが必要で、リスクを増やすにはリスクを減らしたいと考える相手が必要であり、「リスクを減らすため、増やすため」という議論は方向違いだし、カウンターパーティーリスクは買い手にも売り手にも存在する以上、売り手にだけがちがちの制約を加えるのはアンバランスだろう。

 この手のテーマでは感情論が先走って議論が上滑りしているように思うのだが、先週のWall Street Journalの記事にもあるように、Scapegoatを探して責任を逃れようとする傾向が至る所で見られている。住宅市場を管轄している役人は住宅ローン以外のScapegoatを探し、Hedgefundは自らを規制しようという動きから逃れるためにCDS市場こそ規制すべきだと言う。NY州保険局も、モノラインやAIGの監督に失敗したトラウマから、他に問題をすりかえようとしているのだろうか。

 金融機関にしても、格付会社にしても、ヘッジファンドにしても、店頭デリバティブ市場にしても、今後の規制のあり方を根本的に見直す必要があることは論を待たないであろう。経済全体が下手したらメルトダウンしかねない状況だけに、感情的に犯人探しをしている場合ではないのだが、、。

 先ほどのWall Street Journalの記事は日本のメディアにはない切り口で、先日紹介したFinancial Timesの記事といい、海外のメディアでは冷静な分析記事が増えてきている印象を受ける。

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2008.11.22 | Comments(0) | Trackback(0) | CDS

ABK FSA AGOの格下げ

 先週のMoody'sに続いて水曜日はS&PがAmbacをAAからAへ格下げした。住宅ローン関連の資産の劣化が続いていることや、Moody'sの格下げによってGICビジネスの流動性をモノライン子会社が負担することになったことなどが要因とされる。直後にAmbacは35億ドル相当のHigh Grade ABS CDO / ABS CDO squaredの早期解約(commutation)を発表したが、格上げ要因とはならないようだ。

 金曜日には、Moody'sがAssured GuarantyをAaaからAa2へ、FSAをAaaからAa3へ格下げし、老舗のモノラインがすべてAaaを失った。残るAaaはMoody'sの大株主であるBerkshire Hathawayが昨年始めたモノラインだけである。色々と格下げの理由が挙げられているが、簡単にいうとポートフォリオの劣化もさることながら、モノラインという業態の信任が低下したことや、ちょっとした状況の変化が財務や新規のビジネス環境に大きな影響を与えうる"cliff risk"の存在が主要因のようだ。仮に地方債だけを保証するモノラインであっても今後はAaaを付与するのは難しいというニュアンスが感じられるが、果たして大株主のBerkshireのモノラインまで格下げできるだろうか。

 AssuredもFSAもMoody'sの格下げアクションに猛反発している。Assuredは格付会社が短い期間に繰返し格付けを見直したり、見直しを始めてから結論を出すまでに時間がかかったりすることが、投資家の懸念を強めたといった趣旨のコメントを出している。両者の統合によって諸々のメリットは期待できるが、根本的なMoody'sの”思想”が変わらない限りはAaaへの復帰は期待薄なのだろう。

2008.11.22 | Comments(0) | Trackback(0) | モノライン

週末の独り言

 今週のクレジット市場も非常に"ugly"だった。コーポレートクレジットは投資適格もハイイールドもレバローンも全滅、金融・自動車・小売といったセクターは当然のようにアンダーパーフォーム。金融では生保銘柄が標的になりはじめた。エマージングの非常事態も継続し、ロシアの5年CDSは木曜には再度1000bps近くまでワイドニング(金曜は900割れまで戻す)。銀行の政府保証債という競合相手の出現による影響などからエージェンシー債のスプレッドも拡大。金曜日は一息ついたがCMBS / RMBSはまだまだ織り込みが足りなかったせいか暴落していた(生保が売られた要因か)。

 政府の助けなしに延命できない民間セクターが次々と出てきているせいか、その皺寄せからソブリンのスプレッドもじわじわと拡大している。週の半ばには銀行セクター全体を保証したアイルランドのソブリンCDSが急拡大、金曜にはUSソブリンの5年が42.5bps、UKソブリンの5年が82bpsと高値(安値?)を更新したようだ。

 CitigroupはGoldmanなどとの合併が取りざたされているが、Citi-GSの組合せにどれだけ意義があるのだろうか(合併会社の名称は"Sachs and the City"とか、、、)。とりあえず、市場の標的状態からは一時的に抜け出せるという効果はあるかもしれないが。

 2002年に”デリバティブは金融の大量破壊兵器”との発言を残し、日本ではデリバティブ大嫌い人間として報道されることの多いWarren Buffet氏率いるBerkshire Hathawayは実は(?)CDSもエクイティ・デリバティブも取引しているが、エクイティ・デリバティブの評価損が膨らんでいるせいか、9月頃までは100bps台だった5年CDSは木曜日には500bps近くまでワイドニングした。Berkshire Hathawayは一定以上の格下げによってデリバティブ契約で取引相手に担保を出すことを求められる。規模は違うが、AIGと同じ状況にある。今年の6月には時価評価方法を含むデリバティブの開示が足りないとSECから指摘されたことも昨日明らかになっている。

 財務長官にNY連銀総裁のTimothy Geithner氏が指名されたことは歓迎すべきか(まだ正式決定ではないようだ)。規制が失敗したことを棚上げして「世の中すべて規制してしまえ」的な空気が至る所に充満している中で、比較的リベラルなGeithner氏のバランス感覚には期待したいところだ。

2008.11.22 | Comments(0) | Trackback(0) | 市場雑感

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