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クレジットイベントの影響

10月のアイスランドの3銀行の破綻以降、投資適格級銘柄の怒涛のクレジットイベントの流れはいったん止まったが、一方でMasoniteやHawaiian Telecomなど、レバレッジドローン銘柄の破綻は続き、今後も増加しそうな勢いである。目先はなんと言ってもGMがCDSにおいてクレジットイベントに該当するか否かが注目されるところである。

基本的なところから整理すると、クレジット・デリバティブの定義集には6種類のクレジットイベントが規定され、米国の民間法人銘柄を参照する場合は、市場参加者はこのうち「バンクラプシー」と「支払不履行」の2つ、またはこれに「リストラクチャリング」を加えた3つを適用して取引を行なっている。大まかには、投資適格級銘柄を参照する単一銘柄取引では3つを適用し、インデックス取引などでは2つを適用する。

バンクラプシーは企業の法的な破綻手続き全般を含み、Chapter 11などの連邦破産法の申請もバンクラプシーに該当する可能性が極めて高い。リストラクチャリングは、既存の債務の返済元本の減額や金利の引下げ、支払期日の繰延べなどを債権者と合意するようなケースをカバーするイベントである。

GMがChapter 11を申請した場合、GMを参照するあらゆるCDSにおいてクレジットイベントが宣言される可能性が極めて高い。一方、GMが銀行などの債権者と債務免除などの合意を行なった場合、単一銘柄取引の多くにおいてクレジットイベントが宣言される一方で、インデックス取引には影響がないと思われる。

ここで、DTCCのデータベースから11月末時点のネットの想定元本の数字を拾うと、

GM Corp 単一銘柄CDS = 約34億ドル
GM Corp インデックスCDS = 約8億ドル

ついでに、

GMAC 単一銘柄CDS = 約44億ドル
GMAC インデックスCDS = 約5億ドル

Residential Capital 単一銘柄CDS = 約22億ドル
Residential Capital インデックスCDS = 約16億ドル


というわけで、GMがChapter 11を申請すると約42億ドルが、債務免除を合意すると約34億ドルにおいてクレジットイベント決済が行なわれる(ネットベース)。GMACやResidential Capitalが共倒れをなると、さらに数字は大きくなる。DTCCのデータベースにはテーラーメードなシンセティックCDO取引などが含まれていないことから、実際はこの数字よりやや多めに見ておいた方が正確かもしれない。

この数字をどう見るか。CDS残高が42億ドル(+α)であるのに対してバランスシート上のGMの負債は1690億ドルほどであり、数字の上では大きなノイズには見えない。GMが破綻すると1690億ドルの中から融資の出し手、社債保有者、取引先などに損失が発生し、それなりに大きな影響がでるかもしれないが、一部はCDSのヘッジによって損失を免れ、代わりに保険会社などの投資家が広く(浅く?)損失を被る。いうまでもなくシステム全体ではCDSの損益はゼロサムとなる。

Lehmanの時と比べると、Lehmanの時に実際にCDSの決済で動いた金額は60~80億ドル程度ということだから、仮にGMの破綻時の価格がゼロに近いとすると、Lehman以下の金額が動き、GMACやResidential Capitalが連鎖破綻すると、Lehmanを超える数字となる。

ただし、Lehmanの時よりも楽観的になれる要因として、GMはデリバティブのディーラーではなく、デリバティブの世界ではカウンターパーティーリスクは最小限にとどまることがあげられる。さらには、Lehmanの時は破綻が唐突であり、破たん前のスプレッドが(確か)10%以下であったのに対して、GMのCDSスプレッドはすでに元本の90%にも達していることから、時価評価が原則のCDSにおいてはほぼすべて織り込み済みとなっていることである。時価評価→損益計算書への反映が要求されない融資や社債の保有者で、十分に減損や引当てを行なっていない人がいるとしたら、突然損失が発生することもあるだろうか。

テクニカルなことだが、リストラクチャリングでクレジットイベントが構成されると、いつものオークションによる決済がそのままでは活用できなくなることから、イベント決済を行なう事務的な手間隙は大きくなりそうだ。さらには、GM-GMAC-Residential Capitalに続いて、Ford-FMCCやその他の自動車・自動車部品メーカーなども次々に破綻するようになると、実務的にはCDS市場は面倒くさいことになりうる。まあその時は、社債・融資・経済全体がメルトダウンに近い状況で、デリバティブのことなんか誰も気にもしなくなっているような気もするが、、、。









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2008.12.07 | Comments(0) | Trackback(0) | CDS

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