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クレジット・デリバティブ関連トピックをいくつか

★ CDSのETF
東京証券取引所が来年度中の上場を検討しているとのこと。実現すれば個人的には仕事そっちのけで取引したいが、果たしてどの程度の需要が見込まれるのだろうか。現在のようなボラティリティが高い時期にはなかなか参加しにくく、2年前のように市場が落ち着いている時にはボラティリティが極端に低くなって取引妙味が薄い。個人向けのCDS組込み商品といえば、2002年か2003年頃に当時の三菱信託が設定したファンドが思い起こされるが、その後は裾野の広がりは見られていない。個人にとっては、いい時代にはクレジットは株に比べて地味すぎ、サブプライムショックでようやく脚光を浴びると今度は派手すぎてついていけない、という感じのような気がする。

それはそうと、このニュースを報じた最大手経済専門(のはず)新聞、毎度懲りずにCDSを『損失肩代わり商品』と呼んでいる。知る限り、この呼称を用いているのはここの新聞社だけだ。昨年は、『損失肩代わり商品は一般にCDSと呼ばれる。』と書いたが、今日は『損失肩代わり商品はCDSと呼ばれる。』と『一般に』をはずしたのは進歩なのか?百歩譲って、「CDSには損失を肩代わりする側面がある」ならばまだわかる。知識が不足しているだけではなく、日本語力も不足しているようだ。

★ Central Counterparty (CCP)
上述の新聞が去年「不良債権買取機構」と勘違いして一面トップで報道したCentral Counterparty(CCP)に関して、ここにきて新たな動きが報じられている。

おさらいすると、CDSは店頭取引であり、取引後は市場参加者同士の契約として残るが、これを取引所取引のように、取引後は各市場参加者とCCPと呼ばれる第三者的な主体の契約に切り替えて、カウンターパーティー・リスクを軽減しようとする動きが数年前から始まり、現在その最終段階にある。欧米で候補に挙がっているのが、ICE (Clearing Corp) / CME (Citadel) / Eurex / LIFFEの4つであるが、このうちLIFFEはスタートする準備が整い、その他は当局の認可待ちといった状況のようである。

CCPにはカウンターパーティーリスクを軽減する役割が期待されるが、一方でディーラーにとっては決して諸手を挙げて歓迎するべきものではない。Lehmanが破綻した時、リスク管理がうまくいったディーラーは損失を回避し、リスク管理がまあまあだったところは想定内の損失で抑え、リスク管理がいまいちだったところは想定以上の損失を出したが、CCPが導入されると、業界全体の損失がCCP参加者間で(おそらく均等に)シェアされるようなことになり、リスク管理に自信があるディーラーにとってはあまりおもしろい話ではない。さらには、欧米で別々のCCPが立ち上がると、システム対応にかかるコストが嵩むことになりかねない。民間にとっては、1つのCCPをグローバルに使いたい、というのが本音だろう。一方で、規制当局は管轄下の銀行が他国のCCPに出資を行なって参加することには慎重で、EUもEU域内でCCPを設立する方向である。

こうした事情やその他の事情で、CCPの稼動は当初の2008年末までにという目標を達成できていないのだが、EUはこれに対して不快感を示し、CCP設立に民間が積極的でないのなら、規制を強化するぞと半分脅しともとれる発言を行なっている。一方で、ISDAは先週4つのCCPと市場参加者を集めたWorkshopを行ない、市場がCCPの動きにコミットしていることを示している。

そして、この日は、DTCCがそのデータベースであるTIW(Trade Information Warehouse)をはじめとする諸々のインフラを4つのCCPとシェアして協調する意向を示した。DTCCのTIWは業界の大半を占める取引が記録されており、クレジットイベント決済やノベーション、プレミアムの支払い、相殺取引の解約など、すぐれた機能を多く備えていることから、CCPとしてはゼロからインフラを立ち上げる必要がなくなり、効率という意味では好ましい動きといえるだろう。まだまだ実務的な作業が残り、本格的な稼動までには時間がかかりそうな雰囲気であるが、一歩一歩前進していることには違いなさそうだ。

★ TriOptimaのportfolio compression
TriOptima社は、売り買いが両建てで経済的に相殺されている取引を同時に解約し、ポジションを変化させることなく既存の取引残高のみを減らす作業を積極的に行なうベンダーである。グロスの想定元本残高が50兆ドルー60兆ドルという規模の市場で、2008年1月から6月は17.4兆ドルの取引を解約したが、昨日は2008年通年での解約額が30.2兆ドルに達したことが発表された。現在、DTCCのTIWに記録される取引のグロスの残高が 29.3兆ドルであることを考えると、TriOptimaの作業の進み具合の速さが伺える。2008年12月時点の想定元本残高は、ISDAもBISも4月~5月頃に発表すると思われるが、TriOptima社の尽力によって相当程度残高が減少しているだろう。イメージ先行の「デリバティブ妖怪説」ばかりが世の中に蔓延っているが、こうした地道に市場のインフラを整える作業を行う動きがもっと評価されてもいい。

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2009.01.13 | Comments(2) | Trackback(0) | CDS

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