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GoldmanとAIG

Goldmanの決算発表のタイミングであったことから、AIGとGoldmanの関係についての報道が増えている印象がある。大きく分けて、「決算の内容が良かったのはAIG救済によるタナボタ的な収益によるものだ」といった趣旨と、「AIGの救済によって実際に救われたのはGoldmanである」といった趣旨のコメントが目に付く。確かに、このように結論付ければ、便利は便利だろう。これらに対して、GoldmanのCFOは先月に続いて昨日も反論している。

前者については、2009年の1月-3月の決算にAIGに関連した収益は実質的にゼロ(rounded to zero)であり、昨年12月に関してもたいした額ではない(not significant)とコメントしている。

後者については、昨年9月時点でAIGに対するエクスポージャーは”担保”と”AIGを参照するCDSでの(欧米の大手金融機関からの)プロテクションの買い”でヘッジされており、仮に昨年9月にAIGが法的に破綻しても、損失は発生しないか、むしろ担保とCDSのおかげでネットでは収益が上がっていたかもしれないとコメントしている。行間を少し読み、状況を単純化すると、以下のような状況であったのではないかと思われる(数字は架空の例)。

<取引1> CDOのスーパーシニアトランシェを参照するCDS
プロテクションの売り手(リスクをとる側):AIG
プロテクションの買い手(リスクを外す側):Goldman
元本金額:100
担保:AIGが一定以下に格下げされた場合に取引の時価評価相当の担保をAIGが差し出す

<取引2> AIGを参照するCDS
プロテクションの売り手(リスクをとる側):欧米の大手金融機関
プロテクションの買い手(リスクを外す側):Goldman
元本金額:25
担保:取引の時価評価相当額について現金か国債

上記において、CDOポートフォリオの劣化によって<取引1>の時価が10下落(100→90)、さらにAIGの格下げによって担保拠出の義務が発生し、AIGは10相当の担保を差し出す。その後<取引1>の時価はさらに10下落(90→80)したが、この時点でAIGには追加担保を調達&拠出する能力がなくなる。

ここで、AIGが救済されずに破綻すると、<取引1>は担保不足のまま早期解約となり、Goldmanは10相当の評価益を失う。さらに、ポジションの再構築において、例えば追加的に10損失を出し、合計で<取引1>において20の損失を被る。一方、AIGの破綻によって<取引2>でクレジットイベントが発生・認定され、(回収率を無視すると)Goldmanは25の支払いを受ける。この結果、AIGの破綻によってGoldmanは5の収益を計上する。

実際には、政策判断によってAIGの破綻は回避された。この場合、Goldmanは当然のように<取引1>において10相当の追加担保を契約に従って要求し、公的資金の注入されたAIGから受け取ることになる。一方、破綻が回避されたことで、AIGのクレジットスプレッドはタイトニングし、<取引2>においてはGoldmanの評価益は減少することになる。

以上は、あくまでもCFOの発言を基にした推測であり、実際のところはわからない。CDS以外の部分(Securities Lending)の取扱いもよくわからない。ただし、CFOが明らかなうそをついていない限り、9月に大手新聞が報じたようにAIGを救済したのはGoldmanを守るためであるとか、Goldmanの決算が良かったのはAIGに公的資金を入れたことによる影響であるといった批判は的外れのような気がする。

昨年9月にAIGを救済したのは、特定の大手金融機関の連鎖破綻を食い止めるという目的というよりは、Lehmanの破綻でMMFが額面割れして個人投資家に大きな悪影響とサプライズが発生したりCP市場が凍結した状況(あるいはこうなると予想される状況)で、MMFが保有するAIG債をデフォルトさせてさらに混乱を深めることのリスクや、大きな混乱と多数の個人の損失を出さずに大規模な生命保険会社の破たん処理を行なうことが困難と思われたこと、などを総合的に判断してのことだったのではないかと個人的には思うのだが、真相はいかに、、、。

念のため、私にはAIGやGoldmanを擁護する意向もインセンティブも何もないのだが(むしろ心情的には逆である)、一つ一つの出来事をあまりにも短絡的に結論付ける傾向がどうしても気になる。まあ、今にはじまったことではまったくないのだが、、、。








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2009.04.15 | Comments(1) | Trackback(0) | 市場雑感

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