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CDS市場の規模 (追記あり)

CDSの大手ディーラー間市場の取引件数などを報告するMarkit社の2009年第1四半期のレポートが更新された。これによると、月間取引件数の単純平均値は、Lehman破綻後の昨年10月に1社30,000件のレコードを作った後、12月には27,000件程度まで下落、今年に入ってからは25,000件前後で推移している。1ヶ月を20営業日とすると、JPMorganやGoldmanなどの大手ディーラーは現在でも1日平均1,250件ほどの取引を行なっていることになる。

最近2-3年を見ると、この数字は依然として高い水準にある。市場参加者のリスク許容度は低下したままで、破綻や合併などでディーラーの数もEnd Userの数も減少しており、さらには各国の当局による規制の行方も不透明な中で、よくこれだけの数字が維持できるものだなと驚かされた。先週のGoldman等の決算から伺えるように、インデックスCDS取引などの流動性が高い分野におけるトレーディングについては、各社とも力を入れているということなのだろう。CDSと言えばAIG、という発想を持つ人も多いと思うが、こちらは同じCDSでもコモディティ化されて、複雑でもなく、流動性や透明性の高い世界である。

Markitのレポートの数字はフローの数字であるが、ストックの数字としては、2008年12月時点のISDAの数字が近く発表される見込みである。ISDAは今週北京で年次総会を開催するが、記憶に間違いがなければ例年年次総会のタイミングで発表していたと思う。こちらの方は、2008年の下半期に金融サービスプロバイダーのTriOptima社だけで13兆ドル程度の売り買い両建てでリスクが相殺される市場取引を解約していることなどから、2008年6月時点の54.6兆ドルからは大きく低下していることが予想される。来月発表が見込まれるBISの数字も同様であろう。

このように、多くのデリバティブの想定元本の数字はネッティングすると見かけよりもはるかに小さなものになる。市場取引の大半を占めるディーラーは本来は”大きなポジションをとらずに、長くポジションをとらずに、最小限のリスクで、顧客取引におけるマージンで稼ぐ”生き物である。このディーラーが売りと買い、受けと払いを繰返し繰返し行なえば、取引残高が大きく膨れ上がるが、これが実際にとっているリスク量というわけではない。

「デリバティブの残高は天文学的数字で、これのx%が損失となっただけで金融システムに多額の損失が発生する」的な、グロスとネットの違いやゼロサムの関係を理解しない論調は、諸先輩方の尽力もあってだいぶ減ってきたように思う。が、しかし、いつの時代もどこの国でもデリバティブ悪玉論は不滅のようで、たとえば、事業会社が、外債投資で為替損失を被ってもニュースにはならず、デリバティブでのヘッジがうまくいってもニュースにならず、為替デリバティブで損失を被った時だけニュースになる、のは日本だけではないようだ。

<追記>
ISDAの調査結果が発表となった。以下は、2008年6月から2008年12月までの動きを示す

金利関連デリバティブ - 464.7兆ドル → 403.1兆ドル
クレジット・デリバティブ - 54.6兆ドル → 38.6兆ドル
株式関連デリバティブ -  11.9兆ドル → 8.7兆ドル

予想通り、ポジションの売り買い重複をほどく事務作業 (tear-up) の進展によって、金利デリバティブもクレジット・デリバティブもグロスの残高が減少しているが、このことは実際にリスク量が減っていることを示すわけではない。5月に発表される見込みのBISの統計では、リスク量を体現するグロスベースの時価評価も集計されるが、こちらにも注目してみたい。

    

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2009.04.20 | Comments(0) | Trackback(0) | CDS

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