スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--.--.-- | スポンサー広告

OTCデリバティブ クリアリング

OTCデリバティブ市場にクリアリング(以下CCP)を導入する動きについて、お話を耳にする機会があった。(以下は欧米市場における話)

相対で取引されるOTCデリバティブは、A社とB社が取引を行なうと、取引の終了日までA社とB社が取引当事者として向かい合う。ここにCCPを導入すると、A社とB社で取引締結後、「A社とCCP」・「CCPとB社」という二つの取引に分解され、A社もB社もそれぞれCCPと向かい合うことになる。

グロスで400兆ドルほどの残高を有する金利スワップの場合、ディーラー間市場では以前からCCPが一部利用されており、推計では市場の半分程度の取引がCCP経由となっているようだ。グロスで30兆ドル規模の残高を有するCDSの場合、今年の3月からCCPの利用が始まり、現在は市場全体の1割程度がCCP経由となっている。

海外では、CCPの利用は元々は民間主導でその是非が検討されていたが、金融危機の発生以降は、規制当局や政治家による強いプレッシャーに後押しされるようになった。規制当局や政治家の主張は国によっても異なるが、大まかには、厳しいものから順に、

① そもそもデリバティブ取引は禁止するべきだ

② 投機的なデリバティブ取引は禁止するべきだ

③ デリバティブ取引による空売りは禁止・もしくは厳しく規制すべきだ

④ すべてのデリバティブ取引は取引所経由で行なうべきだ

⑤ すべてのデリバティブ取引は取引所もしくはクリアリング経由で行なうべきだ

⑥ 取引条件が標準的なデリバティブ取引は取引所もしくはクリアリング経由で行なうべきだ(標準的でない取引も当局への報告は義務付ける)

といった感じかと思う。これに、ディーラーではないエンドユーザーにも同様の規制を求めるか、CCPは地域ごとに設置すべきかどうか、といったような議論が絡んでくる。

さすがに、①を主張する人は、技術開発自体の否定(例:飛行機は事故やテロのリスクがあるので、これを禁止して歩いて移動すればよい的な発想)につながると気がついたのか、最近ではあまり見かけなくなった。②や③を主張する人は根強くは存在するものの、市場には実需で取引する参加者と投機で取引する参加者が共存してはじめて高い流動性が期待できるという考え方が浸透しつつあるせいか、少数派のようである。

④を主張する人は多いという印象を受ける。すべてを取引所経由にすれば透明性と流動性が確保できるというのが根拠かと思われるが、日本の個別株オプション取引のように、取引所取引にしても流動性が低いままというケースもある。流動性は、相対取引か取引所取引かというよりも、取引の需要が高いか低いかによって決まる部分が大きいように思う。

⑤は④よりは現実的であるが、取引条件が標準的でない取引をCCP経由とすることは困難であり、妥協案として⑥に落ち着きつつあるといったところだろうか。

⑥の問題は、「標準的な取引」の定義である。CCPにのせる以上、流動性が確保され、日々値洗いされる必要があるが、金利スワップでもCDSでも、毎日あらゆる年限・銘柄・通貨の取引が行なわれたり・気配が提示されているわけではない。CCPにのせるにふさわしい、本当に流動性が高くて標準的な取引は意外に多くはないようにも思われる。

市場参加者による意図的なCCPの利用回避を防ぐために、CCPを経由しない取引には高いキャピタルチャージを賦課するという方向性もあるようだが、これも必ずしも名案ではないように思う。「CCPを利用し、元本の10%程度の担保を拠出」というケースと、「CCPを利用せず、元本の50%程度の担保を拠出」というケースでは、後者のほうがリスク管理的には望ましいとも考えられ、むしろ「高いキャピタルチャージが課されるなら、CCPを利用しない取引ではなるべく担保の拠出を減らそう」というインセンティブが働きかねない。

といった感じで、大きな方向性は見えてきたものの、実践に至る過程にはハードルも多く、まだまだ時間がかかりそうな雰囲気である。これだけ多くの人の時間と労力を使って、「全て相対モデル」から「一部相対・一部CCPモデル」に移行するメリットやリスクの削減効果はどの程度期待できるのかと、ふと考えてしまった。

スポンサーサイト

2009.11.03 | Comments(0) | Trackback(0) | CDS

«  | HOME |  »

FC2Ad

CalendArchive

人生が輝き出す名言集



presented by 地球の名言

プロフィール

dbsb

Author:dbsb
ようこそ。

FC2カウンター

ブログ内検索

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。