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カンパーニャの誘い

<2月21日(月)>
久々にMarkit社が発表するMarkit Metricを拝見。このレポートからは、大手ディーラー間の店頭デリバティブ取引量が読みとれるが、2010年第4四半期のCDSの取引件数は大きく減少していた。とは言っても、2007年6月(サブプライム直前)が月間20,000件、2008年9月(リーマン破綻)が月間25,000件、2010年2月と5月(ギリシャショック)が月間50,000件、2010年12月が月間32,000件程度であるから、全体的な水準は金融危機以前よりも増えている。ソブリン危機時の取引の増加ぶりには驚かされる。

<2月22日(火)>
Moody’sが日本国の格付け(Aa2)の見通しをnegativeに変更。「見通しの変更」は、「格下げ」や「格下げ方向での見直し」よりも軽微であるが、2月10日のエントリーで書いたように、つい2週間前の記者会見では見通しは変更しなかったのに、この2週間で態度が急変した格好だ。この間の、民主党の醜態を見ての判断かもしれないが、ややタイミングに違和感が残る発表だ。以前ほど格付会社に対する市場の信任は高くなく、たいした影響も出ていないが、そうはいっても格付けアクションに市場を動かす一要因となるだけに、整合性や一貫性は確保して欲しいところだ。

<2月23日(水)>
10年ほど前にお世話になった業界の先輩と銀座ナタラジでディナー。マイルドなナブラタン・コルマの後にトライした激辛のナタラジカレーは五臓六腑に染みた。こういう刺激は身体を活性化させてポジティブなのだろうか?大手米系金融機関の業績は相当程度持ち直したようにも見えるが、まだまだ人員整理・組織改変の動きは終わっていないとの話。一方で、それなりに「拾う神」もいるようで、実力がある人にとっては再就職はそれほどハードルが高くないとのこと。己を磨き続けるしかないということか。

<2月24日(木)>
中東や北アフリカ騒動で原油が急上昇し、年初来好調だった株式市場も世界中で下落を続ける。とはいえ、ダウの一日の下げ幅はせいぜい200ドルくらい。2008年のLehman破綻後にTARP(公的資金)法案が否決された時などは一日で1000ドルも下げたが、それに比べるとまだまだかわいい下げだ。弱気筋もまだまだ確信が持ててないようだ。15年程前、WTIが20ドル近辺だった頃、原油の専門家が「今の需給からすると当面20ドルを大きく超えることなんかありえない」と力説していたが、その後急上昇したことを思い出す。中長期予想は専門家でも難しいのだと実感したエピソードだったが、今回についても、中東&北アフリカの民主化運動の連鎖を年初に予想できた専門家は皆無だろう。ポジションテイクは慎重に。

<2月25日(金)>
東京で最高気温が20度を超すstrange day。竹橋から大手町までお堀沿いを歩くと、一部で桜が開花し始めていた。去年の桜の季節は著書の校正作業に追われ、桜を愛でる余裕もなかったが、今年は少し余裕ができるかな。夜は珍しく恵比寿で鉄板焼、平均年齢60歳のグループの中で最年少として参加。フィレ肉をペロリと食べる70歳に度肝を抜かれた。将棋の故大山名人も大層な健啖家だったが、しっかり食べて元気を保つタイプの人も少なくない。モットーの「腹八分目」がやや揺らいだ一日。

<2月26日(土)>
寒くもなく、暑くもなく、風も強くない日。日頃の運動不足を解消すべく、港区~目黒区~世田谷区エリアを2時間ど歩く。昼は広尾のJ’s Kitchen(初来日!)でマクロビランチ。夜は奥沢のVicolettoでカルボナーラとオインク豚。アルコールは抜くつもりが、昔証券化の案件で関わったイタリア・カンパーニャ地方のアリアニコが目に付き、懐かしさのあまり、ついグラス一杯だけ試飲。

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2011.02.26 | Comments(0) | Trackback(0) | 週末

深海魚との出会い

<2月14日(月)>
Moody’sが世界中の銀行劣後債の格付けを見直すと発表。従来は、銀行のシニア債と期限付き劣後債は銀行が法的整理に追い込まれない限りは公的資金によって守られるという暗黙の了解があったが、今次の金融危機によって、公的資金(国民の税金)によって債権者を守るのはおかしいとの議論が優勢となり、政府によるサポート期待が後退したことに伴う格付け変更だ。既存債権者の損失負担をどのように法制化するか(あるいはしないか)は国によって異なる可能性もあり、格付けの見直し作業は9ヶ月程度を要するとのこと。バーゼル規制や(米銀の場合)ボルカールールなどによって銀行の財務は従来よりも安定化することになり、この点は格付けにとってポジティブ材料になるが、政府のサポートの剥落によるネガティブ材料の方が大きく、今年の終わりには相当程度の格下げが行なわれているだろう。銀行の格付けは、担保契約におけるマージンコール、CCP(清算機関)における参加要件、銀行債投資家の投資基準、インデックスの銀行債組入れ基準、などなど、さまざまなところにリンクしているだけに、格下げの影響は結構波及しそうだ。

<2月15日(火)>
前日のエントリーとも関連する話だが、クレディスイスがContingent Convertible債(CoCo)の起債を発表。Tier1資本が一定以下に下がった場合などに株式に強制転換される(あるいは元本が減額となる)この新型商品、どの程度投資家の需要があるか注目されているが、徐々にではあるが市民権を獲得し始めたような印象も受ける。とはいえ、格付けや強制転換条項、インデックスへの不採用がネックとなり、あるいは、リスクリターンにそもそも魅力がないという理由等により、投資の対象外とする投資家も多く、市場で定着するかどうかは、まだまだ見極める必要がありそうだ。

<2月16日(水)>
ご高名な弁護士先生二名と月島でディナー。生まれて初めて食べる「あんこう鍋&あん肝」に感動。病み付きになりそうな美味しさでした。日々深夜労働を重ねている弁護士の先生方ですが、それでも内にこもらずに、social lifeを積極的に楽しまれている姿に感動。この日も飲食後はお仕事に戻られた。仕事や人生にかける情熱は見習わなければ、、、。

<2月17日(木)>
週末、パリでG20が始まる。食糧価格の上昇がテーマとなっているが、またぞろ「投機悪玉説」「先物悪玉説」が聞こえてくる。コモディティの世界の需給には疎いので断定的なことは言えないが、根本的な問題(地球温暖化や食糧需給の変化etc)に対処せずに、ヘッジファンドやデリバティブだけを攻撃しても意味がないことは、欧州ソブリン危機の際に学んだはずなんだけどなあ。

<2月18日(金)>
4歳の頃の幼馴染みとランチ。30年以上ぶりの再会だが、顔も声も昔の面影を残していて感動。色々と気恥ずかしい記憶も多くて結構緊張したが、徐々に時間が解決してくれた。目先の仕事で接点がなくなると、疎遠になってしまう友人が多いのだが、きちんと友情を継続することの大切さを学んだひと時。二人の間を取り持ってくれたFacebookに感謝感謝。

<2月19日(土)>
午前中は東神奈川の「みずの治療室」でからだの手入れ。出張や旅行などでやや無理がたたった期間だけに、いつもよりもからだが悲鳴を上げていたが、適切な施術とアドバイスで元気を取り戻す。デトックスはいいとして、あまり削ぎ落としすぎるのも良くないとか。都合の良いアドバイスを聞き、夜は山藤西麻布店へ。鍋料理が今月一杯ということで、迷った挙句に我が人生で二度目の「あんこう鍋」を食す。こちらはオーガニック鍋だけに、月島の「あんこう鍋」よりは随分とあっさりしていたが、身体には優しそう。野菜にしても魚介類にしても、旬のものを食べるのが一番と思った夜でした。

<2月20日(日)>
業界の知人から受けていた「原稿のコメント依頼」に取り組む。世の中にはコメントしても聞く耳を持たない人もいるだけに、こうして頼まれることは本当にありがたいことです。

2011.02.20 | Comments(0) | Trackback(0) | 週末

お行儀の良し悪し

<2月6日(日)>
先週の出張中の乱れた食生活~~大量のカフェイン、アルコール、肉、バター、白砂糖、添加物etc etc etc~~から回復するために、今日から3日間は禁酒・禁カフェイン・禁食べ過ぎなどなど、身体に優しい食生活を送ることに。まず手始めに、今日は山藤広尾店で焼き魚定食ランチ。ここは昼も夜も本当に寛げます。今年の前半は何回か海外に出掛けることになりそうだが、思い切って機内食・機内アルコールをパスしようかと思案中。勧められるとつい断れずに飲み食いしてしまう自分の弱さと勝負。

<2月7日(月)>
『毒を出す食ためる食(蓮村誠著)』を読む。「食べてカラダをキレイにする40の法則」という副題の通り、浄化のヒントがちりばめられている。基になる思想はインドのアーユルヴェーダと呼ばれる伝統医学。私の体質は“ヴァータ”に近いらしい。敢えて文脈から切り離して単純化すると、「キノコは食べ過ぎると良くない」「納豆や山芋などのネバネバは採りすぎると良くない」(いずれも全否定しているわけではなく、大量に採ることを否定している)といったメッセージがあり、他の専門家の教えと相反する部分も多い。何を信じればよいか迷ってしまうが、やはり万人に合った健康法など存在せず、 “身体にいいもの悪いもの”は人によって異なるということなのだろう。冷え性の人は身体を冷やすものを控え、火照り性の人はそこそこ身体を冷やすものを食べても問題あるまい。

<2月8日(火)>
大相撲の八百長問題。悲しすぎる。名前が挙がっている力士以外にも、過去にも現在にも相当数の力士が何らかの関わりがあるように思われるが、私の思い違いであることを祈る。相撲界をかばうわけではないが、八百長や予定調和は他の世界でも随所に見られる。例えばアカデミズム。何か都合の良い結論をはじめに決め、その結論に合わない材料は捨象して、合う材料だけを抽出する。金融の世界でも、市場で起きている“わかりにくいこと”や“説明しにくいこと”から目を背け、数字だけを適当に操って“きれいな結論”を提示するエリートが如何に多いことか。

<2月9日(水)>
昨年は、小学1年生の時の幼馴染と30年以上ぶりに再会して盛り上がったが、この日は幼稚園の年少の時の幼馴染から30年以上ぶりに連絡をもらい狂喜する。20代、30代はノスタルジーは脇においてがむしゃらに走ってきたが、不惑を超えると思い出を暖めたいモードも強くなる。とりあえずランチをすることになったが、果たして1時間で30年をどう埋めようか。夜は、お祝い事で都内某所でフレンチディナー。暖炉でじっくり焼く鴨肉を美味しく頂きました。

<2月10日(木)>
Moody’sが記者会見を行なう。日本ソブリンの格付けを現状維持とし、negative watchやnegative outlookもつけないとのこと。一方で、格下げリスクが高まっているともコメントしているのだが、そうであればnegative outlookくらいつけてもいいように思うのだが、何か遠慮しているのだろうか。今さらながら、証券化商品・事業法人・金融法人・公的セクター・国家など、信用リスクの性質が異なる主体のデフォルトリスクを、デフォルト確率を介して共通の格付け記号で比べるのは無理がありすぎる。

<2月11日(金)~2月13日(日)>
銀世界を求めて軽井沢へ。スキー場のような「陽」の世界ではなく、侘び寂びの「陰」の世界で日頃の疲れを癒やす。同じことを考える人は多いようで、宿では業界関係者とばったり遭遇してしまった(Kさん、お邪魔しました)。前の週は春節で、宿泊客の大半が中国人だったようだ。言葉の問題もあるせいか、日本人観光客と比べて「お行儀が悪い」とのこと。まあ、日本人がパリのシャンゼリゼで幅を利かせていた頃は、地元の人から見ればきっと相当お行儀が悪かったことだろう。日本各地を訪れる大量の中国人観光客、安居酒屋で欠かせない(基準値を遥かに超えた残留農薬の混じった)安物中国野菜、Made In Chinaの電化製品や衣服などなど、いまさらながら隣国に依存する部分は非常に大きい。互いの国益に適う心地の良い接点が見つかるとよいのだが。

2011.02.13 | Comments(0) | Trackback(0) | 週末

Starfish & Coffee

某メディアのニュースに、「PIMCO、日本国債のCDSの売却勧める」との見出しがあり、「PIMCOも日本売りか」と反応している人がいた。おそらく原文は、「PIMCO recommends selling protection on Japan Sovereign(日本国の信用リスクをとってプレミアムを稼ぐことを推奨)」といった感じだろうか。CDSは金融危機を経て知名度・認知度が上がった商品なのだが、相変わらずプロテクションの買いと売りが混同されることが多い。最近では、市場参加者でも、「CDSを売る(=プロテクションを売る=信用リスクに投資)」「CDSを買う(=プロテクションを買う=信用リスクをヘッジ)」と表現することが多いが、昔は「CDSの売り買い」では紛らわしいから、誤解を招かないように、「プロテクションの売り買い」と表現していた。「Sell」を「売却」、「Buy」を「購入」と訳すと、あたかも投資商品を購入したり売却するような印象を受けるが、言うまでもなく意味合いは正反対である。基本に忠実に表現したいものだ。

週央から出張へ。往復の機内では、Bruce Springsteen、Led Zeppelin、Aretha Franklin、Prince、Madonnaといった洋楽のオールディーズを聴く。(Aretha以外は)いずれも20年ぶりの再会であるが、大学生の耳には聴こえてこなかったもの ~ Springsteenの哀愁、John Bohnamのドラムライン、Princeの詞の世界などなど ~ に数多くめぐり合え感動。Madonnaだけは昔から新しい発見がなかったのは、まあそんなところだろう。

2011.02.06 | Comments(2) | Trackback(0) | 週末

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