スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--.--.-- | スポンサー広告

政府サポートによる銀行のファンディング

英米で政府の保証付の銀行債の発行が相次いでいる。発行コストの高さに目をつぶれば、銀行にとっては当面の資金繰りの確保に役立つ反面が、国のバランスシート負担の増加によってソブリンの信用力に対する市場の評価が低下し、ソブリンを参照するCDSは日々ワイドニングしている。

英国の場合、財務省の保証によってリスクウェイトが0%になることから、銀行系の投資家が主な買い手であるようだ。直近の発行レベルを見ると、3年くらいの年限でポンド建てやユーロ建てだとLibor+20程度のクーポンとなるが、ドル建てだとベーシスや需給の関係もあってかLibor+90といった水準になっている。

米国の場合、FDICの保証でもリスクウェイトは20%ということで、英国の政府保証債ほど銀行系の投資家には人気はないらしい。こちらの直近のレベルは、3年くらいの年限でドル建てでLibor+85程度、ユーロ建てだとLibor+50を割り込むようだ。

年限や通貨によって発行スプレッドは異なり、また発行体によっても微妙に異なる。新しいアセットクラスということで、発行市場も流通市場もそこそこ価格は動き、落ち着きどころを探っているようだ。

表面的な発行コストは上述の通りだが、政府の保証がただでもらえるわけもなく、発行体の金融機関は政府に保証料を払っている。

米国の場合、保証料は一律で年率0.75%という案もあったが、結局は年限に応じて、180日未満は0.50%、長い場合は最大1.00%となる。

英国の場合はより緻密で、保証を受ける発行体の信用力が保証料に反映され、例えば信用力の相対的に高いBarclaysはHBOSよりも安い保証料で保証債を発行できる。信用力をどう測るかというと、英国政府はCDS市場の信用力評価を活用し、「保証債の発行体を参照するCDSの過去1年のスプレッドの中央値+0.50%」というルールとなっている。

さて、国から資本注入を受入れ、社債市場で大量に資金調達を行なっている銀行が、国の思惑通りに民間企業向け融資を伸ばすだろうか?国有化の度合いによっては、なかば強制的に融資を増やすことにもなるだろう。しかし、企業の体力が急速に悪化している今の時期に行なう融資はどう考えてもリスクの高い融資となり、将来的には銀行のバランスシートの劣化につながる恐れもある。まっさきに損失を被るのは、国が注入した優先株にさらに劣後する普通株主であることを考えると、まだまだ銀行の株は上昇が見込めないような気がする。

(追伸) 今日の経済紙の夕刊では、先般のCitigroupの救済策についてのコメントがあったが、なんだか「?」な内容だった。基本的に”保証スキーム”を”不良債権の買い入れ”や”資本注入”より効果の高い自己資本対策として評価しているが、どの方法もプライシングによっては効率がよくも悪くもなる。一方で、ベアスターンズの時は資産を切り離して損失を確定したが、今回は資産がバランスシートに残っているので不動産市場が下落すれば損失が膨らみ損失を先送りしている、と解説しているが、資産価値の下落による損失を一定範囲におさえて最大の損失額を確定させているのはどちらの救済策も同じである。そもそも、このスキームは本質的には”証券化”の技術を使い、保証も”CDS”と同じ経済効果なのだが、果たして米国政府が明示的に「証券化の技術を使ってCDSで保証します」と宣言したら、アンチ・ストラクチャードファイナンスのメディアはどのように論じただろうか興味があるところだ。

スポンサーサイト

2008.12.04 | Comments(0) | Trackback(0) | 市場雑感

«  | HOME |  »

FC2Ad

CalendArchive

人生が輝き出す名言集



presented by 地球の名言

プロフィール

dbsb

Author:dbsb
ようこそ。

FC2カウンター

ブログ内検索

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。