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PPIP考

 Public-Private Investment Programについて第一印象を思いつくままにいくつか。

 結論から言うと、発表を受けてなぜ株がこんなにラリーしたのかわからない。何も発表されないリスクまで織り込んでいたということか。少なくともクレジット市場の反応はもっと冷ややかであった。

 一言で言えば、「証券化商品のエクイティを買いませんか?国がレバレッジをかけるのを手伝います。」ということで、国は民間にレバレッジ投資を推進している。住宅ローン(等)を対象とするLegacy Loan Programの方は「証券化商品のエクイティ」、RMBSやCMBS(等)を対象とするLegacy Securities Programの方は「再証券化商品のエクイティ」という位置付けだ。私自身は、「レバレッジ」も「証券化商品」も「再証券化商品」もそれ自体は“悪”であるとは考えていないから、このスキーム自体になんら問題があるとは思わないが、あれだけ「レバレッジ」や「再証券化」を批判してきた新聞が「投資家は政府支援を利用して出資額の14倍のローンを買える」と無邪気に書いているのは、レバレッジの意味をわかっていないのかもしれない。

 住宅ローンや関連する証券化商品は現在セカンダリー市場の流動性が極端に低下し、流動性プレミアム(ディスカウントの方が正しいか)の存在によって売却しようとすると極端に低い価格でしか売れないという状況にある。このスキームの導入によって、(1)銀行は流動性プレミアムを除外した妥当な価格で売却することが可能となり、その結果銀行の新規貸出し余力が高まり、(2)さらには価格が見えないものの価格が透明になることで、市場のconfidenceが高まることが期待される、と説明されている。

 (1)については、たとえば理論価格は50%くらいとのコンセンサスがある資産が市場では流動性プレミアムの影響で30%くらいでしか売れない状況において、PPIPによって銀行は45%くらいで売却可能となるかもしれない、といったことがイメージされているのだろうが、実際にはこのようなケースがどれだけあるかは不明だ。民間にキャッシュがないから理論価格が50%のものが買えないというよりも、現在は50%だが今後どこまで下落するかわからないから30%くらいでしか買えない、といったケースも多いだろう。そもそも、価格にコンセンサスがある資産を銀行が売却するインセンティブがあるかも不明だ。銀行としては、今後価格の下落が見込まれる資産から順番に売却したいと考える。投資家はその逆を考えるわけだから、折り合いをつけるのは思ったよりも容易ではないように思う。

(2)については、価格が現在見えていないものの価格が見えてしまった場合、現実が暴露されて逆効果となることもありうるのではないだろうか。逆説的だが、透明性がいつもいいとは限らない。うがった見方をすれば、レバレッジを利用しているのは、少額の民間の投資資金で多額の資産の買取りを可能とする目的に加えて、買取り価格が100%透明になるのを避けようとしているのかもしれない。少なくとも、保有する類似資産の時価評価に対する影響は避けられないだろうから、銀行もどの資産をいくらで損切るか、慎重にならざるをえないだろう。

対象資産については、当初は不動産関連のローンか証券化商品ということだが、こちらはすでに相当部分価格の下落は会計上反映されているのではないだろうか。むしろ、銀行のバランスシートでこれから損失の拡大が見込まれるのは企業向けの融資であり、こちらはCDSや証券化商品とは違って時価評価の対象とならないことから、引当て不足によって今後も銀行の決算の足かせとなるだろう。なんとなく、対策が周回遅れのような気がしてならない。

思いつくままに、憎まれ口を並べてきたが、当然のように政府当局は実態をはるかによくわかっているわけだから、それなりに効果があると踏んで導入するのだろう。いずれにしても、銀行・投資家・当局3者の間で落としどころを見つける作業がスムーズにいくとは考えにくく、時間がかかる話にはなろう。1件も実現しないと市場に大きな失望をもたらしかねないことから、Citigroupのような実質国有化銀行を使って実現にこぎつけることも予想される。単なるポーズに終わるのか、実質的な意味を持つ特効薬になるのか、評価はまだ難しい。

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2009.03.25 | Comments(3) | Trackback(0) | 市場雑感

コメント

突然の訪問、失礼いたします。
私はこちら⇒http://ecashin.blog10.fc2.com/
でブログをやっているきみきといいます。
色々なサイトをみて勉強させていただいています。
もしよろしかったら相互リンクをお願いできないでしょうか?
「やってもいいよ」という方はコメントを残してくだされば、
私もリンクさせていただきます。
よろしくお願いします^^

2009-03-26 木 19:51:58 | URL | きみき #- [ 編集]

堀古さん

最後のパラグラフ:

”このプログラムが内包するリスク・・・”
とは何でしょう?

価格が見えてしまう事?


http://plaza.rakuten.co.jp/isWallStreet/

2009-03-27 金 19:09:29 | URL | B4 #- [ 編集]

PPIPの今後展望

PPIPは、民間ファンドの入札価格によって、銀行の損失額が確定するシステムです。銀行としては予想を超える巨額損失に対する自己防衛本能があり、まず、サンプルとして小さいパッケージで入札をさせると推測されます。もし、入札によって確定した予想損失額が自行体力を超えていると、PPIPは機能しません。結局は、政府が個別銀行を検査し、公的資金を強制注入して、不良資産を強制的に切り離すしかありません。このPPIPは良くできたシステムですが、巨額資本注入が必要で、世論との調整も必要であり、実際はかなり時間がかかると思われます。このシナリオは、バブル崩壊後の日本と同じシナリオでして、米国も、結局、このシナリオに沿って、不良資産処理を行うしかありません。
もし、損失額が巨額すぎて、どうにもならない水準であったとしたら・・・・・。世界中に知られた段階で、恐慌突入の可能性があると思います。

2009-06-15 月 12:40:47 | URL | TOMコーチ #- [ 編集]

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