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何をもってクレジットイベントとするか

アイフルの事業再生ADRに基づく第一回債権者集会が開催されてから1週間、表面的には目立った動きはなく、社債もCDSも今後どうなるか宙ぶらりんのまま時間が経過している。

社債については、全てがスムーズにいって元本と利息の支払いが継続されることがベストケース・シナリオ(今は格付けも時価も悲惨ではあるが、、、)。銀行団との交渉がまとまらないなどの理由で民事再生などを申請する展開となり、デフォルトしてしまうことが(タイミングと回収率にもよるが)ワーストケース・シナリオ。銀行団などとの交渉の結果、社債保有者に対して(条件の劣る)新しい債券との交換や、市場価格近辺での買戻しが提案されることもワーストに近いシナリオだろうか。まずは、来週・再来週に満期が到来する社債の償還が、コンセンサス通りに行なわれるが注目される。

CDSについては、報道の通りに9月に融資の返済を行なっていないのであれば、公開情報さえ入手できれば今すぐにでもクレジットイベントが認定される可能性大。今年4月以前の取引でBig Bang Protocolの対象とならない取引であれば、ISDAのイベント決定委員会の裁定と無関係に個別にトリガーを試みることももできる(取引相手が合意するかどうかは別問題だが)。こちらも、遠くない将来に新たな展開をむかえることになるのだろうか。

そうこういっているうちに、JALも雲行きが怪しくなってきている。一部の報道の通りに、銀行団と債権放棄が合意されてこれが発表されれば、リストラクチャリングでクレジットイベントがトリガーされる可能性が大きい。欧米の企業を対象とするCDSであれば、貸し手が4者以上いる融資において債権放棄などが発生する必要があるが、日本企業を参照するCDSは、一般的には相対の融資における債権放棄でもクレジットイベントになりうる。

JALにせよ、アイフルにせよ、実際にクレジットイベントが発生すると、日本では前例が乏しいだけに、決済の実務はそれなりに骨が折れることになるかもしれないが、リストラクチャリングによるイベント決済という複雑なパターンを経験しておけば、これからは怖いものはない(??)だろう。

それと同時に、「参照組織がどういう事態に陥ったらクレジットイベントと認定するか」、という取引の根本的な部分について、改めて議論する価値があるように思う。既存の契約については、たとえ「こんなことでクレジットイベントに該当してしまうのか」ということがあっても、契約文言にしたがって客観的にクレジットイベントに該当するか否かを判断するしかあるまい。米国のGSEが公的管理下となった際も、逆に債務履行能力が高まったとして、イベントと認定することもないのではといった意見も聞かれたが、契約文言に公的管理(conservatorship)はバンクラプシーに該当すると規定されている以上は、契約に従うしかない。一方、新たに行なわれる取引については、事例の積み重ねを経て、契約文言を修正することを検討してもいいのではないか。現在標準的に使われている文言がいつの時代も「ベスト」で「フェア」なわけではなく、時代とともに商品性が進化していくことは当然のことのように思われる。

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2009.10.15 | Comments(1) | Trackback(0) | CDS

コメント

形式的にCredit Eventの要件を満たしているかどうかだけで判定するのは、正直無理がありますよね。アイフルのPAIの件もそうですが、GSEとAIGの違いを社内で説明するのに苦労しました・・・。DCが実態に応じて柔軟に判断していけばよいのでしょうが、現状の制度では、DCの判定結果が分かるだけで、その結果に至った判断プロセスが全く開示されていませんので、DCの情報開示をもっと増やしてもらわなきゃ難しいなと考えています。また、最近絶妙のタイミングで、匿名でDCに判定を依頼できるようになったことが、CDSでヘッジしている債権者からの、非公開情報を開示するなどの強引なイベント判定依頼に繋がらないか懸念しています。既にアイフルでそのような動きがありましたね。

2009-10-20 火 01:58:33 | URL | ひろ #pV44ABmc [ 編集]

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