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またモノライン 

(追記あり)

6月上旬のネガティブ・ウォッチの付与に続いて、6月19日木曜日にMoody’sはMBIAとAmbacの格下げを行なった。MBIA Inc(親会社)はAa3→Baa2、MBIA Insurance(モノライン子会社)はAaa→A2、Ambac Financial Group(親会社)はAa3→A3、Ambac Assurance(モノライン子会社)はAaa→Aa3と、6月上旬に予告した通りの格下げ幅であったが、ネガティブ・ウォッチを付与した際にマーケットが大して反応しなかったこともあってか、今回の格付けアクションに対しては株式市場・CDS市場を中心に金融市場はそれなりに反応し、金融セクターを中心に株価は下落・CDSはワイドニングしていたようだ。証券化商品やモノライン保険会社の格付けは“人工的に”付与されているものであり、人工的な格付けは動く時には非常に早く大きく動くものだということを改めて認識させられることになった。

今回の格下げによって、MBIAはGIC債(Guaranteed Investment Contract)発行業務(注)を行なう子会社が発行するGIC債において、格付けトリガーによって29億ドル分の早期償還を要求される可能性、及び45億ドル分の担保の差出しを要求される可能性があることを表明している。同社の流動性に大きな問題を与えるような金額ではないが、そもそもこうした格付けトリガーがあることはあまり広くは知られていなかったことから、市場が疑心暗鬼になる可能性はあるだろう。また、プレスリリースを読んでいて引っかかるのは、格付けトリガーに対応するために、十分な現金・資産を保有していることを強調することに加えて、1月に行った増資によって獲得した14億ドルの現金の存在にも言及していることである。モノライン保険会社のAaaを守るために増資を行なったはずであるが、それ以外の目的に使われる可能性がますます否定できなくなってきたように思う。GIC債の信用補完に使うか、Public Financeの保証を行なう子会社の資本増強に使うか、あるいは株主に返却するか、今後の動きが注目される。

2社の格下げが大手金融機関に与える影響について、S&Pは先日のレポートの中で、影響が大きいのは金融機関がモノラインから保証を受けているABS CDOのSuper Seniorであるが、追加損失が増加することにはなっても影響は限定的であるとしている。モノラインが保証する案件は相対的に損失率が低いことがその理由であるが、例えばMerrill Lynchの場合、3月末時点でモノラインの保証のあるABS CDOのSuper Seniorを$18.8billion保有し、そのうち$1.3billion程度しか損失を計上していないことから、今後RMBSの損失が増加すれば全体の損失はそれなりの金額に膨らむことも考えれられる。Merrillは先日XLとの訴訟で勝訴したが、その事例ではXLからプロテクションを買っていた案件に追加でMBIAからプロテクションを買ったことが争点となったが、今にして思えば、XLとMBIAから二重に買ったプロテクションの意味がどれだけあるのかという気もする。また、MBIAがシングルA格まで格下げされたことで、USのMMF(2a-7 Fund)の"Second-Tier Securities(長期格付けで概ねBBB~A相当)"を5%以上保有してはならないという基準に抵触するケースが出てくる可能性もある。

この2社以外でも、6月20日金曜日にはFGICがBaa3からB1へ、XLがA3からB2格下げされ、まさに崖っぷちである。比較的安定的とされていたFSAも、例のアンチ・モノラインの旗振り役のAckman氏がネガティブ・キャンペーンをはじめたこともあってか、CDSスプレッドが急激にワイドニングしている(460→730)。今後の道筋はまだ見えてこないが、いずれにしても“賽は投げられた”わけであり、モノライン業界全体の大規模な再編・淘汰は避けられず、その過程で金融機関・地方公共団体・機関投資家など各方面に大きな影響がでることが予想される。ニュースをみている限り、ソフトランディング・シナリオがますます遠のいていくように思えるのだが、、。

(注)Moody’sのレポートによると、MBIAは業務の多様化等の目的で1993年からGIC債ビジネスを始めている。GIC債はモノラインの保証のついた投資商品(主にAA格の資産で運用)で、元々は地方公共団体の余剰資金の運用向けに組成されていたが、近年ではシンセティックCDO等のリスクフリー担保資産として使われることも多い。高格付けで極めて安全性が高いがUS Treasury等よりは利回りが高いという性質が、こうした目的にマッチしていたのだろう。仕組みによっては、保証をしているモノラインが一定以上格下げされた場合、投資は早期の償還を要求する、または担保を要求することができる。担保に使っていたGIC債の影響でシンセティックCDOが現在の大幅に悪化した時価で早期償還される、といったような事態にならなければよいのだが、、。

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2008.06.22 | Comments(0) | Trackback(0) | モノライン

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