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最後のSIV

今日のFinancial TimesにSigma Financeの債券保有者が債権者で構成される委員会の結成を検討しているとの記事が出ていた。Sigma FinanceはGordian Knotという独立系の運用会社がマネージするSIV(Structured Investment Vehicle)で、昨年の夏以降のクレジット市場の混乱の中でSIVというビジネスモデルが実質成り立たなくなり、大半のSIVが清算されたか清算過程にある中で、ぎりぎりのところで何とか体をなしている唯一のSIVである。

高格付けの資産にレバレッジをかけて運用し、短期調達/長期運用という期間のミスマッチによって追加的な利鞘を確保するSIVからは、AAA格のシニア債とキャピタルノートと呼ばれる劣後債が発行される。シニア債はシンセティックCDOの“リスクフリー”の担保資産として、劣後債はレバレッジをかけたリターンを獲得する投資商品として日本でもなじみのある仕組みであった。先般日本でも話題になったCPDOの担保資産としても、Sigma Financeのシニア債が使われていたのは記憶に新しい。

サブプライム危機によって、まず高格付けのサブプライムRMBSやABS CDOに投資していたSIVやSIV-Liteと呼ばれる類似商品がクラッシュする。多くのSIVはサブプライム商品の組入れがないかごく一部に限定されているが、こうしたSIVもマーケットの混乱の中で短期資金のロールに躓き、スポンサー銀行の資金繰りのサポート等を受けながら清算モードに入っている。

Sigmaはこうした中で、以前からレポなどの代替の資金調達手段を準備していたこと、マーケットバリュー・トリガーを撤廃していたこと、運用・調達の期間のミスマッチが相対的に小さかったことなどから、レポや資産売却等を通じて自力で償還を迎えるシニア債の返済を行なってきた。だが、レポのカウンターパーティーがレポ資産として受け入れる資産の種類も限られ、市場での資産の売却も厳しい状況が続く中で徐々に余力を失い、AAAだったシニア債もシングルA格まで格下げされている。独立系であるが故にスポンサーの支援も限定的で、今後償還を迎えるシニア債の返済に暗雲が漂い、これを保有するUSのMMFなどはナーバスになっているのではないかと思われる。

今回FTが報道したのは、こうした中で一部の投資家が追加的な情報の開示を求めて非公式の債権者委員会(creditors’ committee)を結成する動きに出ているというものだ。記事によると、投資家はレポに出している資産の詳細についての開示を求めているようだ。優良資産をレポに使えば、(レポ取引の条件にもよるが)シニア債投資家向けの支払い原資となる資産が相対的に信用力の劣るものになることが懸念されているのだろう。

記事によると、保有資産は290億ドル程度とのことだが、今後も徐々に資産の市場売却が進むこと、市場環境の改善が見られずにシニア債の元本に毀損が出る場合には、これを保有するMMFに損失が発生して場合によって米銀などのMMFのマネジャーが資金を注入する可能性があること、Sigmaを組み込むシンセティックCDOにも毀損が及ぶこと、などがリスクシナリオとして考えられるだろうか。直近のMoody’sのレポートによると、資産の平均年限は3.7年で全体の64%が金融債で残りがABS、85%がシングルA以上ということで、徐々に売却する分には市場の需給に与える影響も限定的とも思われるのだが。

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2008.08.05 | Comments(0) | Trackback(0) | SIV

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