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ARSの買戻し

大手の金融機関が過去に不十分なリスクの説明で販売したARS(Auction Rate Securities)を投資家から額面で買い戻すとの発表が相次いでいる。買戻しに加えて、当局へペナルティーを支払い、すでに額面未満で売却を行なった投資家に対しては損失分の穴埋めを行なう。買い戻す金額は小さくないが、ARSの詳細が開示されていないために、金融機関にとっての経済的な損失の度合いがわかりにくい。

ARSは1週間から2ヶ月といった短いサイクルで入札を行なって金利を決定するタイプの債券で、地方公共団体や学生ローンの貸し手、CDPC(Credit Derivative Products Company)など幅広い主体が発行している。今でこそ“けったいな”仕組みだと騒がれているが、1年前までは北米ではそれほど違和感のある仕組みではなかったようだ。ARSの保有者は入札のタイミングでARSを売却することが可能であることから、一般に短期投資と位置づけられる。長期の資金調達を希望する地方政府などと個人などの短期投資家をつなぐ仕組みだったと言える。

モノラインの保証が付くARSも多いことから、モノラインの経営危機が表面化・加速しだした頃から入札が失敗する(買い手が見つからない)ケースが目立つようになる。買い手が見つからないとディーラーが引き取るのが慣習だったが、バランスシートを痛めた大手金融機関が入札でのARSの買取りを停止し、短期の金融商品のつもりで買った投資家が売るに売れない状況が続いていた。昨今SECや州当局が大手金融機関に額面での買取りを求めているのも、入札が成立しないと売却できないというリスクの説明が不十分だったことを咎めているものと思われる。

買取りを“強いられた”大手金融機関の中のトップバーターとして(?)、UBSが本日第2四半期の決算発表を行ない、若干の詳細を開示している。UBSが買取りを行なうとしているのは、7月に発表したAPS(Auction Preferred Securities)と呼ばれるARSの類似商品の35億ドルと、先週発表した83億ドル(リテール顧客から)と103億ドル(ホールセール顧客)の合計約221億ドルである。これに加えて、当局にペナルティーとして1.5億ドルを支払い、2月から8月までに売却した投資家の損失を穴埋めするとしている。

この結果、リスクアセットの増加はたいした数字にはならないが、バランスシートを縮小しようとする現在の方向性とは逆行しているとコメントし、損失については予測するのが非常に難しいとして、第2四半期は(とりあえず?)9億ドルを損失引当金としている。UBSが買い取ることになるARSの多くは地方公共団体や学生ローン関連であり、モノラインの保証つきのものも多くあると考えられることから、地方債や学生ローン市場のパフォーマンスやモノラインの存亡等によって最終的な損失が上下するのだろうか。ちなみに、6月末時点でUBSは83億ドルの学生ローンのARSを自己ポジションとして保有し、うち47億ドルはモノラインのラップ付きとしている。

大手証券会社のレポートでは、ARS買取りによる金融機関の損失は40億ドルといった見積もりが提示されていた。たいした根拠があるわけではないが、数字的には小さなノイズくらいで収まるような気もする。ただし、UBSではないが、レバレッジを下げようとする現在の動きとは明らかに逆行し、レピュテーションに与えるネガティブな影響も無視できず、経営者としては頭の痛い問題であることには違いないだろう。



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2008.08.12 | Comments(0) | Trackback(0) | モノライン

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