スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--.--.-- | スポンサー広告

実効性のある規制とは

サブプライム問題の発生以来、金融業界は至る所で規制強化を求める声がひっきりなしである。格付会社規制、証券化商品規制、株の空売り規制などなど、中にはスケープゴート探しとしか思えないようなケースもあるが、大きな流れとしては、金融界はより自由な世界からより規制の多い世界に移行していくのだろう。規制強化の動きはクレジット・デリバティブの世界にも波及し、昨日はNY州当局が新たな規制を発表している。

「CDS市場は規制がなく野放し状態で、気が付けばいつの間に62兆ドルという巨額の市場に膨れ上がり、市場の波乱要因になってしまった」といった論調をよく目にするが、“CDS市場は規制がない”というのは実態面としては大きな誤解である。銀行や証券会社などのCDSの主要プレーヤーは規制業種であり、CDS残高に関する情報を決算報告書等で開示し、当局の検査があれば1件1件の詳細を報告することもある。銀行であれば、BIS規制やVARのリミットがあることから、極端に大きなポジションを取ることは考えにくい。また、日本では、昨年9月に施行された金融商品取引法でCDSは明示的に規制の対象とされている。

現状の規制では心もとないという市場参加者が多いのであれば、規制の強化を考えるのもやむなしと思うが、実際問題、実効性のある規制を作るのはそう簡単ではない。ありがちな方向性として、現物資産の裏付けのない投機的な意味合いの強いCDS取引について何らかの規制を強めるのかと思ってNY州当局のステートメントを読んでみたら、その逆であった。

今回のステートメントはNY州保険局が主体ということで、保険契約者の利益を守るという観点からの規制である。NY州は2000年にすべてのCDSは保険商品ではないとの立場を表明したが、社債などの現物資産の保有者がCDSでプロテクションを買うケースに限ってこれを“保険”とみなして、2009年1月からNY州保険法の管轄にするとしている。この場合、プロテクションの買い手を守るために、取引相手(プロテクションの売り手)の契約の履行能力に対して規制をかぶせるとしている。Dinallo氏は、今回のCDSの規制の目的は、健全な経済行為に規制の網をかけることではなく、プロテクションの売り手の契約履行を確実にすることであり、現物資産の裏付けなしに相場の方向感にbetするようなCDSを規制の対象外としている。

実際問題、プロテクションの売り手は買い手に取引の都度、「あなたはこのCDSに対応する現物資産を保有していますか?」とヒアリングすることが要求されるのか、また、プロテクションの買い手がCDSを取引してたとえば1年経って初めて現物資産を購入した場合、売り手はこの事実をどう認識するのかなど、実務的なハードルは低くないような気はする。また、NY州知事のDavid Paterson氏は、CDS市場を規制しなかったことが現在の金融市場のメルトダウンの原因であると断言し、NY州が今回導入するような規制をアメリカ全体に広げるべきだと強行に主張しているが、仮に他の州すべてが追従したとしても、規制の対象となるのは”62兆ドル”マーケットの極々一部に過ぎない。

今回のステートメントはやや拍子抜けという感がなくもない。市場の懸念を解消する方向での規制強化は方向性としては正しいと思われるが、規制過剰となってCDSのメリットまでを殺すことがないように、あらゆる規制の導入は慎重に行なわれるべきだろう。

スポンサーサイト

2008.09.23 | Comments(0) | Trackback(0) | CDS

コメント

コメントの投稿


秘密にする

«  | HOME |  »

FC2Ad

CalendArchive

人生が輝き出す名言集



presented by 地球の名言

プロフィール

dbsb

Author:dbsb
ようこそ。

FC2カウンター

ブログ内検索

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。