スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--.--.-- | スポンサー広告

I just call to say I love you

1週間遅れで読んだIFRに洒落のきいたフレーズを見つけた。先週RBSが10月27日にcall(発行体の権利による早期償還)を迎えるUT2劣後債(LT2(期限付き)よりも支払優先順位が低い)をcallする意向を表明し、投資家はホッとしているだろうという記事で、RBSは本来はcallしたくないのに投資家に嫌われないためだけにcallすることをStevie Wonderの名曲にかけている。

洒落はいいのだが、状況は深刻だ。LT2やUT2は(多くは)5年後のcall日には早期償還する”暗黙の了解”で発行され、5年後にcallされなかった場合のクーポンは大きくステップアップする。昨年の夏以前には当初5年がL+20、5年目以降はcallされなければL+70といったような大手金融機関のLT2が目立ったが、その当時はL+70も払ってまで早期償還しないことは想定外と思われた。

サブプライム危機発生によって大手銀行の資金調達コストが急激に上昇し、新しくLT2を発行するにはL+70を大きく超えたスプレッドが必要になっても、「投資家は5年目に早期償還される前提で投資している以上、発行体である銀行は目先の経済合理性だけの判断でcallをかけないと劣後債市場から締出しをくらい、資本増強のための有力な手段を1つ失う」といった考え方が一般的で、実際には一部の例外(イタリアの小さな銀行)を除いてcallがかからなかった事例は見られなかった。

以降、状況はさらに悪化し、資金調達コストがさらに上昇するばかりか、そもそもマネーマーケットで資金を調達することすら困難になってしまった。ここまでくると、「非常に遺憾だがパラダイムが変わってしまった。残念ながらcallをかけません。」という銀行が出てきても不思議ではないと考える投資家がいても不思議はない。昨年来、いったいいくつの”暗黙の了解”が裏切られてきただろうか。現時点では、LT2やUT2が一斉にcallがかかり始める可能性が高いとは思わないが、どこか大手金融機関が"callをかけない前例"を作ると、他も追従することになるのだろう。

Callがかかる前提で劣後債を購入している投資家にとって、callがかからないことは保有資産のデュレーション・リスク量の増加を意味する。この結果、今よりも金融機関に対するエクスポージャーが増えることになり、新規の金融債の投資が限定的となる可能性が考えられる。また、ヘッジで使っていた金利・通貨スワップやCDSも、call日に満期を合わせて取引することが多いことから、新たに金利リスク・為替リスク・信用リスクのヘッジを行なう必要性が生じることもあるだろう。

今回の金融危機が終わったら、”裏切られた暗黙の了解”というテーマで本が書けそうだ(気が早い?)。

スポンサーサイト

2008.10.05 | Comments(0) | Trackback(0) | 市場雑感

コメント

コメントの投稿


秘密にする

«  | HOME |  »

FC2Ad

CalendArchive

人生が輝き出す名言集



presented by 地球の名言

プロフィール

dbsb

Author:dbsb
ようこそ。

FC2カウンター

ブログ内検索

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。