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あるべき論は?

アイフルのクレジットイベント認定を巡っては、メディア等による誤報道等々もあって、予期せぬ展開が続いている。

基本に立ち戻ってシンプルに考えてみると、

CDSは、取引で参照される主体が「①法的に破綻する」、もしくは「②期日に支払いを行なわない」、もしくは「③当初の支払い期日を延期する」と、クレジットイベントが認定される取引である。プロテクションの売り手は、①~③という事態になったら元本相当の支払いを行なうという前提で、プロテクションの買い手は、①~③という事態になったら元本相当の支払いを受けるという前提で、取引を行なう。

様々なpublicな情報や、諸々の状況から、アイフルが9月に期日を迎えた融資の返済を行なわなかったことは事実のようである。これは「支払期日の延期の合意」を伴なえば③、伴なわなければ②に該当し、いずれにしてもクレジットイベントに該当する事象である。

公開情報の確保といったテクニカルな部分(もちろん重要な点ではあるが)はさておき、契約文言に従えば、アイフルを参照するCDSにおいてクレジットイベントが認定されることについて、プロテクションの買い手も売り手も違和感はないはずである。

仮に、「事業再生ADRに基づく一時停止通知の送付とこれに伴なう不払い」をCDSにおけるクレジットイベントと認定することに反対する市場参加者が多いのであれば、今後取引されるCDSにおいて「但し、一時停止通知云々の場合にはクレジットイベントと見做さない」との文言を添える方向で業界で議論を行なえばよい。既存の取引の契約文言に「一時停止通知云々」との記述がない以上、「事業再生ADRに基づく一時的な支払い停止は期限の利益喪失に該当しないし、CDSでもイベントとすべきでない」と議論することは筋違いのように思われる。

ポイントは、公開情報の確保であり、この点について議論が行なわれればよいのだが、、。



2009.10.19 | Comments(0) | Trackback(0) | CDS

何をもってクレジットイベントとするか

アイフルの事業再生ADRに基づく第一回債権者集会が開催されてから1週間、表面的には目立った動きはなく、社債もCDSも今後どうなるか宙ぶらりんのまま時間が経過している。

社債については、全てがスムーズにいって元本と利息の支払いが継続されることがベストケース・シナリオ(今は格付けも時価も悲惨ではあるが、、、)。銀行団との交渉がまとまらないなどの理由で民事再生などを申請する展開となり、デフォルトしてしまうことが(タイミングと回収率にもよるが)ワーストケース・シナリオ。銀行団などとの交渉の結果、社債保有者に対して(条件の劣る)新しい債券との交換や、市場価格近辺での買戻しが提案されることもワーストに近いシナリオだろうか。まずは、来週・再来週に満期が到来する社債の償還が、コンセンサス通りに行なわれるが注目される。

CDSについては、報道の通りに9月に融資の返済を行なっていないのであれば、公開情報さえ入手できれば今すぐにでもクレジットイベントが認定される可能性大。今年4月以前の取引でBig Bang Protocolの対象とならない取引であれば、ISDAのイベント決定委員会の裁定と無関係に個別にトリガーを試みることももできる(取引相手が合意するかどうかは別問題だが)。こちらも、遠くない将来に新たな展開をむかえることになるのだろうか。

そうこういっているうちに、JALも雲行きが怪しくなってきている。一部の報道の通りに、銀行団と債権放棄が合意されてこれが発表されれば、リストラクチャリングでクレジットイベントがトリガーされる可能性が大きい。欧米の企業を対象とするCDSであれば、貸し手が4者以上いる融資において債権放棄などが発生する必要があるが、日本企業を参照するCDSは、一般的には相対の融資における債権放棄でもクレジットイベントになりうる。

JALにせよ、アイフルにせよ、実際にクレジットイベントが発生すると、日本では前例が乏しいだけに、決済の実務はそれなりに骨が折れることになるかもしれないが、リストラクチャリングによるイベント決済という複雑なパターンを経験しておけば、これからは怖いものはない(??)だろう。

それと同時に、「参照組織がどういう事態に陥ったらクレジットイベントと認定するか」、という取引の根本的な部分について、改めて議論する価値があるように思う。既存の契約については、たとえ「こんなことでクレジットイベントに該当してしまうのか」ということがあっても、契約文言にしたがって客観的にクレジットイベントに該当するか否かを判断するしかあるまい。米国のGSEが公的管理下となった際も、逆に債務履行能力が高まったとして、イベントと認定することもないのではといった意見も聞かれたが、契約文言に公的管理(conservatorship)はバンクラプシーに該当すると規定されている以上は、契約に従うしかない。一方、新たに行なわれる取引については、事例の積み重ねを経て、契約文言を修正することを検討してもいいのではないか。現在標準的に使われている文言がいつの時代も「ベスト」で「フェア」なわけではなく、時代とともに商品性が進化していくことは当然のことのように思われる。

2009.10.15 | Comments(1) | Trackback(0) | CDS

連休明け

5連休が明けて今週はshort week。時間がゆっくり流れるかと思いきや、色々にぎやかですね、、。

海外クレジット市場は、引き続きスプレッドは縮小傾向を辿っている。Moody'sが発表した8月のデフォルト率やクレジットカードの延滞・償却率は結構上昇しているのだが、大きく材料視されていない様子。こちらは、これから真綿で首を絞めるようにジワジワとくるのだろうか。

日本クレジット市場は、アイフル・ウィルコム・JALと話題に事欠かない。

アイフルは、事業再生ADRの申し込みが正式に受理された発表、この中で、12月末を目処に事業再生計画案の決議を行なう見通しを示しているが、仮にここで借入金債務の満期延長などが合意・発表されれば、CDSはリストラクチャリングのクレジットイベントとなる可能性がありそう(前回エントリーの(c)のシナリオに該当)。夕方になって、S&Pがアイフルのカウンターパーティー格付けをCCC(短期はCC)からSD(selective default)に格下げすると発表。事業再生ADRの手続きの一環で、借入債務の元本返済が停止することを理由にあげているが、前回エントリーでいうと(b)のシナリオに該当するということだろうか。

社債の元利払いは、アイフルの気が変わらない限り、お金が続く限り、事業再生計画がご破談にならない限り、当面は行なわれそうな感じであるが、先行きについては不透明感はぬぐえない。

利害関係者への影響という意味では、会計面では(良くも悪くも)一番透明性が高いCDSは既に時価評価されているから影響は限定的(回収率はぶれる可能性あり)、社債も減損が進んでいれば会計上の影響はやはり限定的、会計面で一番透明性が低い融資がどうなるのであろうか。債務者の分類や引当てについて、どこの銀行がどう対応しているかは不明。

ウィルコムも、事業再生ADRを申請・受理されたことを発表、銀行に対してはDESや債権放棄でなく、残高維持や返済スケジュールの変更を求めていくとしているが、ここまでの展開はアイフルのケースと酷似している。ADR申請・受理後に格付けがCCCまで下げられたところもそっくりだ。こちらは、社債の残高もCDSの取引残高もアイフルと比べれば随分と小さいようだ。

JALはどうなるんでしょうね。政治的決着がどこに落ち着くのかよくわかりません。事業を2分割するだけであれば、CDSでは承継事由に該当してもクレジットイベントには該当しないだろうが、いずれにしても債務履行能力が回復しないと、どこかで行き詰る?

2009.09.25 | Comments(1) | Trackback(0) | CDS

クレジットイベントが認定されるには

(気まぐれに更新します。ずっと書いていなかったのに訪問してくれている人がいるようで、大感謝です。)

昨日金曜日、朝の新聞報道に続いてアイフルが事業再生ADR手続きの利用の準備を行なっていると表明した。CDS市場では、クレジットイベント該当の可能性について議論が行なわれたようだ。

以下は、アイフルを参照するCDSを”標準的な契約書”で取引した場合の議論。おそらく、市場に存在する取引の8割以上は”標準形”と思われるが、シンセティックCDOのような仕組み取引や、Big Bang Protocolに批准していない当事者の取引の場合、細かい部分で”標準形”とずれが生じることもあるので要注意。

持論(不正確・的外れであるかもしれません、悪しからず)を述べると、

(a) 現時点ではクレジットイベントとするのは無理がある。バンクラプシー・クレジットイベントには”insolvent(支払不能)”や”管財人等の選任”という条項があるが、事業再生の相談を持ちかけた現時点で支払いが不能な状態と証明するのは難しいのではないか。事業再生実務家協会を管財人に類する主体とするのも無理だろう。

(b) 事業再生ADR手続きの最中に、融資の元利払いを一時的にせよ停止した場合、支払不履行・クレジットイベントに該当する可能性が大。この場合、支払いを停止した事実を記した公開情報が時間内に入手できるかどうかがポイント。

(c) 事業再生ADR手続きの結果、既存の融資の返済日の延長が合意されれば、リストラクチャリング・クレジットイベントに該当する可能性が大。

(d) 事業再生ADRに基づく話合いが不調に終わり、会社更生や民事再生の適用申請となれば、バンクラプシー・クレジットイベントに該当する可能性が大。

ということで、今は無理だが、遠くない将来に何らかの形でクレジットイベントが認定される可能性は否定できない。(c)の場合、融資の当初条件を変更する形で返済日を先延ばしとすればイベントに該当するだろうが、当初の条件通りの返済日に一旦返済を行い、その上で新たに融資を実行するといった形式をとるのであれば、イベントには該当しない可能性が高いので、”返済日の延長の仕方”には注意が必要だ。

いずれの場合でも、ディーラー10社とディーラー以外の参加者5社から構成されるクレジットイベント決定委員会の投票によってイベント発生の有無が決定される。

クレジットイベント認定に必要な細かい要件としては、

①その事由の発生を記した公開情報(アイフル自身が公表する情報やメディア情報等)が存在すること。

②その事由が発生してから60暦日以内にクレジットイベント発生の申し立てを行なうこと。

③免責額以上の金額についてのイベントであること(リストラクチャリングの場合は10億円、支払不履行の場合は1億円)。

④支払不履行の場合は猶予期間中はイベントと認定されない

⑤リストラクチャリングの場合は、当該事由が財務・信用状況の悪化に起因したものであり、また、当該債務についてすべての債権者を拘束する内容の条件変更であること

などといったものがあり、落とし穴になることもある。特に、①と②での関連では、仮にアイフルが銀行に融資の元利払いを行なわなくても、これが60日以内に公にならなければ、CDSにおいてはクレジットイベントとはならない。

クレジットイベントが認定された場合、アイフルを参照するシングルネームのCDS(DTCCによるとネットで12億ドルほどの残高が存在)、アイフルを構成銘柄に含むインデックス(iTraxx 2-11)、その他アイフルを構成銘柄とする取引において、クレジットイベント決済が行なわれる。

標準形の契約書であれば、クレジットイベント決定委員会が、入札に基づく決済を業界横断的に行なうか、現物決済を参加者が個別に行なうかを決定することになる。

入札を行なうことになれば、日本銘柄で初の入札となる。会社更生法などによってバンクラプシー・クレジットイベントが発生すれば、債務ごとの価格差が小さく、比較的スムーズに入札が行なわれるだろう。一方、リストラクチャリングでクレジットイベントが認定されると、長期債務と短期債務、融資と債券などで、小さくない価格差が発生する可能性もあり、入札がややこしくなる可能性もある。

いずれにせよ、しばらくは発表される事実を注意深く見守る必要がありそうだ、、、、。

2009.09.19 | Comments(4) | Trackback(0) | CDS

CDS市場の規模 (追記あり)

CDSの大手ディーラー間市場の取引件数などを報告するMarkit社の2009年第1四半期のレポートが更新された。これによると、月間取引件数の単純平均値は、Lehman破綻後の昨年10月に1社30,000件のレコードを作った後、12月には27,000件程度まで下落、今年に入ってからは25,000件前後で推移している。1ヶ月を20営業日とすると、JPMorganやGoldmanなどの大手ディーラーは現在でも1日平均1,250件ほどの取引を行なっていることになる。

最近2-3年を見ると、この数字は依然として高い水準にある。市場参加者のリスク許容度は低下したままで、破綻や合併などでディーラーの数もEnd Userの数も減少しており、さらには各国の当局による規制の行方も不透明な中で、よくこれだけの数字が維持できるものだなと驚かされた。先週のGoldman等の決算から伺えるように、インデックスCDS取引などの流動性が高い分野におけるトレーディングについては、各社とも力を入れているということなのだろう。CDSと言えばAIG、という発想を持つ人も多いと思うが、こちらは同じCDSでもコモディティ化されて、複雑でもなく、流動性や透明性の高い世界である。

Markitのレポートの数字はフローの数字であるが、ストックの数字としては、2008年12月時点のISDAの数字が近く発表される見込みである。ISDAは今週北京で年次総会を開催するが、記憶に間違いがなければ例年年次総会のタイミングで発表していたと思う。こちらの方は、2008年の下半期に金融サービスプロバイダーのTriOptima社だけで13兆ドル程度の売り買い両建てでリスクが相殺される市場取引を解約していることなどから、2008年6月時点の54.6兆ドルからは大きく低下していることが予想される。来月発表が見込まれるBISの数字も同様であろう。

このように、多くのデリバティブの想定元本の数字はネッティングすると見かけよりもはるかに小さなものになる。市場取引の大半を占めるディーラーは本来は”大きなポジションをとらずに、長くポジションをとらずに、最小限のリスクで、顧客取引におけるマージンで稼ぐ”生き物である。このディーラーが売りと買い、受けと払いを繰返し繰返し行なえば、取引残高が大きく膨れ上がるが、これが実際にとっているリスク量というわけではない。

「デリバティブの残高は天文学的数字で、これのx%が損失となっただけで金融システムに多額の損失が発生する」的な、グロスとネットの違いやゼロサムの関係を理解しない論調は、諸先輩方の尽力もあってだいぶ減ってきたように思う。が、しかし、いつの時代もどこの国でもデリバティブ悪玉論は不滅のようで、たとえば、事業会社が、外債投資で為替損失を被ってもニュースにはならず、デリバティブでのヘッジがうまくいってもニュースにならず、為替デリバティブで損失を被った時だけニュースになる、のは日本だけではないようだ。

<追記>
ISDAの調査結果が発表となった。以下は、2008年6月から2008年12月までの動きを示す

金利関連デリバティブ - 464.7兆ドル → 403.1兆ドル
クレジット・デリバティブ - 54.6兆ドル → 38.6兆ドル
株式関連デリバティブ -  11.9兆ドル → 8.7兆ドル

予想通り、ポジションの売り買い重複をほどく事務作業 (tear-up) の進展によって、金利デリバティブもクレジット・デリバティブもグロスの残高が減少しているが、このことは実際にリスク量が減っていることを示すわけではない。5月に発表される見込みのBISの統計では、リスク量を体現するグロスベースの時価評価も集計されるが、こちらにも注目してみたい。

    

2009.04.20 | Comments(0) | Trackback(0) | CDS

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