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週末の懸念事項をいくつか

<Execution risk?>
Depfaを傘下に持つHypo Real Estateに対して、ECB・Bundesbank・民間の銀行団で350億ユーロの信用枠を設定する案が先週にEUによって承認されていたが、週末になって民間の銀行団がこの案を撤回してしまった。民間の銀行団は「現在代替案を検討中」としているが、”救済案・国有化案の実行リスク(execution risk)”を意識せざるを得ない出来事になってしまった。Hypo Real Estate側は、同社が非常に厳しい状況にあることを認識して欲しいと、半ば脅しともとれるようなコメントを出しているが、果たして速やかに実効性のある代替案がでてくるのだろうか。

CitigroupによるWachoviaの買収も、金曜日にWells Fargoの横槍りが入り、新聞報道では公的資金なしのパッケージを提案したWells Fargoが優位とされていたが、NY地裁はCitigroupに独占交渉権を与えたようだ。Wells Fargoの案はWachoviaの資産についてのTaxメリットを最大に活用していることから、公的資金を使わないといっても税収が減るという意味で実質的には大きな差はないのかもしれない。いずれにしても、話が長引いて"execution"が滞ると、市場センチメントにとって悪材料でしかないように思う。

<その他欧州金融機関>
オランダ政府がFortis Bank NVと保険部門を100%取得したとのこと。預金者や債券保有者にはポジティブと思われるが、CDSはどうなるだろうか。政府の100%保有ということで、テクニカルにクレジットイベントに該当するリスクが少しだけ気になる。

ギリシャがアイルランドに続いて国内金融機関の債務保証を宣言した。EU内ではアイルランド政府の措置に反発する声もあり、週末の欧州首脳会談でも一部足並みがそろわない部分が露呈されるなど、欧州金融機関の受難はまだ続きそうな気配だ。

<モノラインの現状>
・FSA・Assured
--- Moody'sは格付け見直しの結果を9月上旬に発表すると言っていたが、さすがにそろそろ何らかのアクションがあってもおかしくない。FSAの力強い”スポンサー”だった親会社のDexiaが資金繰り難に巻き込まれたことは、FSAにとっては大きなマイナス材料だ。FSAとAssuredが現在のAaaから格下げされると、同社に再保険でリスクを移転していた他のモノラインにとっての再保険によるリスク削減効果が減り、また、パブリックファイナンス案件やSuper Seniorのヘッジを行なっていた大手金融機関もカウンターパーティーリスクについて引当てを増やすことも予想される。

・Ambac・MBIA
---こちらもMoody'sは現在のダブルA(Ambac)とシングルA(MBIA)から複数ノッチ格下げする可能性を示唆し、その結論はいつでても不思議はない状況である。格下げは、上述のように他のモノラインや大手金融機関に影響をもたらす。もちろん、ラップつきの証券化商品や地方債などのパブリックファイナンスにも影響は及ぶことになり、先般ARSの買戻しを発表したUBSなどの大手金融機関にとってはこちらでもネガティブな影響を受ける。さらには、格下げによってGICにおける早期償還や追加担保提供の義務が発生して、同社の流動性にもさらにプレッシャーがかることにもなる。

・FGIC・Syncora・CIFG
---Commutationや地方債ポートフォリオの再保険など、大幅なリストラは進行中であるが、保証する住宅ローン関連の証券化商品の劣化のスピードが速く、引き続き綱渡り状態と思われる。Commutationを行なっても、格付会社は格上げには慎重な姿勢を崩さない。


きりがないので、この辺で、、。

2008.10.05 | Comments(0) | Trackback(0) | モノライン

忘れた頃にモノライン

金曜日は米当局による矢継ぎ早の金融危機対策の発表が行われ、株価は上昇・クレジットスプレッドは大幅縮小となった。発表された施策の実効性や効果の持続性はこれから評価が固まってくるのだろうが、とりあえずは”売り疲れ”の反動といった感じだろうか。そんな中で、金融危機の回避に逆行するような動きも見られた。

木曜日にMoody’sはサブプライムやジャンボローンの損失率の見通しを上方修正すると発表、2006年vintageのサブプライム住宅ローンの予想損失率については従来の14~18%から22%へ上げた。この見直しに基づいて、AmbacとMBIA2社を格下げ方向で見直しとし、場合によっては複数ノッチの格下げを行なうと表明した。

Ambac Assurance は現在Aa3、MBIA Insuranceは現在A2ということで、複数ノッチの格下げによってそれぞれをシングルA、トリプルBゾーンとなる。公表されているように、格下げによってGICビジネスにおける追加担保/早期償還の要請が発生することになる。また、現在最終的な承認を取得する方向で進んでいるFGICからMBIAへの1840億ドルの地方債ポートフォリオの再保険についても、実行時においてMBIAの格付けが現在のA2を維持することが条件となっており、MBIAが格下げされるとFGICの軟着陸プランも瓦解する。

AmbacとMBIAの2社はともにプレスリリースを発表して遺憾の意を示し、Moody’sのストレスシナリオが厳しすぎると指摘している。22%の損失率の見通しはすでに“ストレスシナリオ”であり、これを“メインシナリオ”としてここからさらに“ストレス”をかけるのは納得できないということだ。Ambacの発表によると、2ノッチの格下げによってGICビジネスで27億ドルの追加担保・早期償還手当てが必要となり(Lehmanの破綻による12億ドルの影響を含む)、現在の資産の価格が変化しないとすると19億ドルの不足が生じることになる。不足分は資産の売却と、Ambac Assuranceからの子会社間の資本移転などによって対応するとしているが、この結果、Ambac Assuaranceから8.5億ドルを子会社のConnie Leeに移転して地方債保証ビジネスを再開する計画が延期されることになった。Ambacにとっては頭の痛いところであろう。

Moody’sのパラメーターの設定が妥当かどうかは事後的しかわからないが、今になってやたらと厳格になるくらいなら昔から厳しくしていればいいのにと誰もが思うだろう。とりあえずは、昨日発表された政府の一連の施策の行方を見守ってからの格付けアクションでもいいような気もするが、昨年来「格付けの変更が遅すぎた」と批判を受けたことを根に持っている(?)のだろうか。

2008.09.20 | Comments(0) | Trackback(0) | モノライン

Dinallo氏の戦略(その3)

8月27日に合意が発表されたFGICとMBIAの北米パブリックファイナンスポートフォリオの再保険について、予定通り9月2日にその提案の内容などがパブリックコメントに付された。FGICのホームページでは、FGICからNY州保険局へ宛てられた再保険取引の承認を求めるレターやポートフォリオの詳細などが開示されている。

NY州保険局宛のレターやGoldmanがFGICに宛てたレターからはこれまでの経緯が詳しく読み取れる。2008年を通じて、NY州保険局はFGICに何らかの戦略的な手段によって資本を増強しない限り当局の管轄化(receivership)の外で存続することは不可能であると通告を行っているが、サブプライムショックが発生して間もない2007年10月には早くも、FGICは財務状況を改善するための戦略を求めてGoldmanをアドバイザーに任命している。

FGICはGoldmanにFGICのポートフォリオに対して外部からのbidを集めるように指示し、これを受けてGoldmanは2008年4月に57社の投資家にコンタクトし、このうち32社が守秘義務契約を結んでdue diligenceを行なう。最初の入札は4月末に行なわれ、ここでは11社が資本注入や再保険の提案などの様々な形態のbidを提示する。ここから7社に絞って、5月には2度目の入札が行なわれさらに4社にまで絞り込まれる。7月には1社に絞り込まれて独占交渉状態となるが、7月末にはもう1社の提案が加わり、8月半ばにはこの2社で最終案の入札が行なわれ、8月27日のMBIAの選定に至っている。ここでも、後からMBIAよりいい条件の提示が行なわれれば、MBIAに$10millionの違約金を支払って契約を解除することを可能とする条項が盛り込まれている。

FGICはLazardにMBIAの再保険の提案についての精査を依頼している。また、FGICはBridge Associatesを雇って、6月末時点でFGICが債務超過(insolvent)でないかどうか、また今回の再保険契約が実現した場合に9月末時点で債務超過とならないかどうかを調べさせている。この結果、FGICはいずれの時点においても債務超過状態ではないことが“判明”するのだが、自分が破綻していないかをフィーを支払って外部の専門家に認定してもらうのもなかなか滑稽な話だ。

結論として、債務超過でないFGICは保険の受益者を中心とするすべての利害関係者にとって利益のある取引を、厳正な入札の過程を経て決められた方法と価格で行なう、という構成となっている。当局がコーディネートしたものであるから、問題なく承認されるのだろう。だが、これで問題が解決するというよりは、まだまだ“初めの一歩”に近い。当局もモノライン保険会社も、ゆっくり眠れる日が来るのはまだ先のことのようだ。

2008.09.05 | Comments(0) | Trackback(0) | モノライン

Dinallo氏の戦略(その2)

XLとFGICに続いて、昨日はCIFGがDinallo氏の仲介によるcommutationを発表した。他社に比べて開示のレベルが低いが、プレスリリースに沿って内容を確認してみる。

CIFGの保証するABS CDO及び一部のCRE CDO(Commercial Real Estate CDO)について、そのカウンターパーティーとラップつき債券の保有者の(元本ベースで)75%以上と合意が結ばれ、これが実現すると120億ドル相当のABS CDOとCRE CDOを現金の支払いと株式の受渡しと引き換えに解約されることになる。現金&株の額が開示されていないが、CIFGは投資適格級に復帰するのに必要なキャピタルを確保できるとしている。

これとは別に、保証するPublic FinanceのポートフォリオについてAA格の保険会社(MBIAかAmbacだろう)に再保険に出し、地方債等の投資家にとっての追加的な信用補完を提供することも合意の一部となっている。実現には当局の承認などいくつかの条件があるようだが、モノラインの保険受益者を保護することを最大の目的とするDinallo氏の意向がここに強く反映されているようだ。

XL、FGIC、CIFGの一連の”救済策”が実現すれば、格付けが改善することはなくとも、少なくとも短期的・中期的には「モノラインの実質破綻」→「CDSのCredit Event / デリバティブのEvent of Default」→「市場の混乱」といったシナリオは回避され、また、地方債の投資家も一定の信用補完を享受することができる。ただし、住宅ローン市場が底打ちするまでに十分な時間が稼げるかどうかは何ともいえないところだ。

この日は、Ambacもプレスリリースを発表し、①子会社のConnie Leeに8.5億ドルの資本をAmbac Assuranceから注入して再起動することについて当局の認可を得たことと、②7月の一部財務情報の開示を行なった。①については既定路線であり、「新規ビジネスの停滞」を格下げ理由とした格付会社への対応と考えられるが、8.5億ドルの資本を失うAmbac Assuranceの方は大丈夫なのかという気もする。

②については、過去のエントリーで何度か触れたが、SFAS157による負債の時価評価の影響により、Ambacを参照する5年CDSが2100bpsまで広がった6月末には大きくプラスとなったものが、7月末には1147bpsまでタイトニングしたことによって21億ドルのマイナスとなり、ABS CDOの評価減と合わせてCDSの評価が24.65億ドル悪化している。ここ最近はモノラインのCDSスプレッドは比較的落ち着いているので、このままいけば第3四半期末にはSFAS157によるブレは限定的となるだろうが、今月は米投資銀行決算やGSEの資金繰りなどの潜在的な問題も多く、再びボラティリティが大きくなっても不思議はないだろう。

2008.09.03 | Comments(0) | Trackback(0) | モノライン

Dinallo氏の戦略

昨日は遅れ馳せながらモノライン大手のFGICが第2四半期の決算発表を行ない、同時に北米パブリックファイナンス(地方債など)ポートフォリオのMBIAへの再保険と、ABS CDO保証のCalyonとの解約(commutation)を発表した。FGIC、MBIA、NY州保険局それぞれから声明が出ているが、ここでは、一番詳細に記述しているNY州保険局のステートメントを基に内容を確認する。

(1)FGICからMBIAへの北米パブリックファイナンスの再保険
FGICの北米パブリックファイナンスの保証ポートフォリオは今年の3月末時点で約2180億ドルであるが、FGICはこのうち約1840億ドル相当をMBIAに対して再保険によってリスクを移転し、アップフロントでプレミアムを約7.41億ドルを支払うことで合意している。実行には諸々の手続きや承認が必要で、9月2日に正式な申請を行なって、これに対して10営業日の間パブリックコメントを募集し、最終的には9月末までには実行して、第3四半期の決算には間に合わせる、といったスケジュールである。

この7.41億ドルというプレミアムは、元々の保証のプレミアムの約80%とされる。ざっくり言えば、地方公共団体がFGICに10の保証料を支払ううち、FGICはMBIAに8を支払う、といった感じだろうか。以前、Berkshire Hathawayが同様の再保険で当初プレミアムの150%程度を要求したのに比べると格安とも思われるが、Dinallo氏は今回の再保険は入札形式でMBIAを含めて複数のbidを比較して決定したとコメントしている。

これが実行されれば、FGICのポートフォリオから北米のパブリックファイナンスの大半が消えて、証券化と北米以外のパブリックファイナンスが残ることになり、以前から模索していた「地方債保証と証券化保証の分社」が図らずも実質的に実現することになる。FGICに残る北米のパブリックファイナンス保証は、Jefferson County向けなどの投機的階級のクレジットに対する保証が中心となるようだ。

Dinallo氏が強調しているのは、今回の再保険は”cut-through”方式によって行なわれ、保険の受益者はFGICを飛ばしてMBIAに直接保証の履行を求めることができるということである。一般的には、FGICが破綻した場合、最終的に再保険先から保証の履行が行なわれるまでにはタイムラグが発生するが、”cut-through”方式によってこのタイムラグがなくなり、ARSを含むモノラインラップつき地方債の投資家の利益となることが見込まれる。Dinallo氏はこれによって”FGICのラップ付き&MBIAの再保険付きの地方債”の格付けがFGIC単独のB~CCCからMBIAのAA~Aへとあがることを期待しているようだ。

(2)FGICとCalyonのABS CDO保証の解約
これはドイツのIKBのABCP Conduitが投資するABS CDOをCalyonが買い取り、それにFGICが保証を入れるといった契約に関するもので、今年の3月ごろにはFGICはIKBのRepresentation & Warrant違反で保証契約が無効であると主張していた。結局今回は、18.75億ドルの保証を2億ドルの解約フィーの支払いで解約することになり、FGICにとっては完全な“勝ち逃げ”はできなかったものの、ひとつの頭痛のタネが減ったことになる。

Dinallo氏は、上記の2つの合意が実現すると、FGICがラップする地方債の投資家にとっては「地方債とFGICの同時デフォルトリスク」から「地方債とFGICとMBIAの同時デフォルトリスク」へとリスクが減り、証券化商品の投資家はFGICに約10億ドルの資本が新たに創出される効果によって返済の確実性が高まることになるとしている。また、MBIAにとっても新規のビジネスの獲得が困難な環境において大きな収益&キャッシュフローが生まれ、保証ポートフォリオにおける地方債 VS 証券化のバランスがより安全とされる地方債寄りとなり、格上げも期待できるとしている。

今のところ、格付会社はコメントを出していないようだが、ここもとの格付会社の保守的なスタンスを考えると、Dinallo氏が描くような楽観的なシナリオとなるかは不明である。先般のXL(現Syncora)のcommutationの発表の際に、Dinallo氏はこれによって大幅な格上げが期待できるとコメントしたように記憶するが、今のところは実現していないようだ。9月の上旬には格下げ方向で見直しとされたFSAとAssured GuarantyがMoody’sに格下げされるかどうかの結論が出る見込みである。色々な意味で予断が許せる状況には思えないが、少なくともモノラインの破綻・当局の直接的介入によるデリバティブ契約のトリガーといったハードランディング的なシナリオは先送りされることになったと前向きに評価することは可能だろうか。

2008.08.28 | Comments(0) | Trackback(0) | モノライン

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